サラリーマンのふり

木村岳史さんのCIO議論を読んで

「日本企業の草食系CIOは使い物にならない、終身雇用のムラ社会がもたらした衰退の結末」という記事があり、読んでいて絶望的な気持ちになってきました。

CEO, CIOと企業の組織論どころか、その企業の生え抜きか転職組かという話に発展している話です。

仮にCIOという仕事を自分の役割として、転職してあるいている人がいるとします。(個人的には好きじゃない)
そうすると、入社した会社でなにか成果をあげなきゃいけませんね。
今ならDXをぶちあげるか、マジメにやるならば定型業務をERPにさせるというのが相場でしょうか。
(結局、こういうやることだって新聞に載ってる新鮮味がなければ同意取れないよなぁ)

こういうときに生え抜きの人間がいうセリフは決まっています。

「どうせ2,3年勤めてどっかいくんでしょ。会社をかき回さないで欲しい

今、これを読んでいるサラリーマンのあなたもITシステムが変わるとなると同じことを考えると思います。

理由は単純で

人間は変化が大嫌い

だから。

意識では「いやいや、いいものは取り入れていくよ」と思っているでしょう。
しかし感情的にはよくわからない変化というものに嫌悪感があることに気づいてください。

そうすると、新任CIOへの抵抗勢力となります。
これは理屈で武装されていますが、本質は感情論です。

そしてこのようなセリフをはくことでしょう。

「ちょっとやってきてこの会社のなにがわかっているんですか?」

もうね、サラリーマンの悲痛な叫びともいえます。
もしあなたが本当に自社のすべてをわかっているのであれば、そんな会社なんぞさっさと辞めて、新しい会社を作ればいいのです。
そうすれば年収にゼロが1個か2個増えます。
長く勤めていれば、すべてを経験しているというのは妄想にすぎません。

一方、会社を渡り歩いているCIOだって問題があります。
自分のキャリアパスとやらをあげていくには、この会社での成果が必要です。
だからバズワードのような出たばかりの新しい技術を採用しようとします。
今だったらAIでしょうか。
コンサルでもいれれば「なぜそれが必要か?」というきれいなスライド作ってくれます。
CIOという人は技術者ではありません。ここを押さえておいてほしいです。
企業のITシステムを管理するマネージャーです。
だから、AIといえばAIができそうな人を探して採用するのがお仕事です。
お気づきだろうが、これはいくつかのリスクをはらんでいます。

  • その人が会社になじむか
  • その人が本当に的確な技術をもっている、学ぶ人か
  • その人が必要とされるビジネス機会が社内に存在するか

雇ってしまったら、AI技術者が成果をあげるためのシステムを作ってしまうかもしれない。日経にでも載ればバンザイでしょうか。

ここまでダラダラ書いて言いたいことは、

  • 長い間勤めている人は、変化が大嫌い
  • 外からやってきたCIOなど専門職の人は自分のキャリアパスのために成果を出したい

このふたつの対立要素は未来永劫わかりあえるはずもありません。
わかりあったとしたらそれは「大人の対応」を双方がしたに過ぎないですよね。

これって弁証法が適用できますよね?
なにがアウフヘーベンとなるのか。

それはCEOの意思です。

CEOがCIOを自分の意思のもとに使うのであれば、企業改革は成功する可能性は高いです。
CEOが「俺はコンピューターのことはよくわからんから、よろしく頼む」とか言っているようじゃCIOは上の二律背反に置かれます。

ご理解いただけるといいのだけれど、社内の基幹業務システムを刷新し、DXに取り組んでいくって会社の屋台骨を刷新することに等しいのです。

日本人は変化の小さいカイゼンは大好きです。
しかし大きな変化のレボリューションは(言葉は好き)でも実際は大嫌いです。

ある部門は新設され、ある部門はなくなってもまったくおかしくないのが革命です。
でもそんなことが起きたら、ムラの従業員は命がけで反抗しますよね。
それを経営者がクビ、もしくは飼い殺しにするとクールに決断できればいいのだけれど、そんなに簡単にいかないのが日本企業。

そうしてグズグズしている間に、会社の外で競合他社、新興企業が強力な競争力を蓄えます。
気づいたら自社は自力ではどうもならなくなり、買収され、遅かれ早かれあなたも世間の荒波に放り出されるかもしれません。

そうでなくても、日本は給料が半減したのに「ヤバイ」と思わないでいる「茹でガエル」状態です。

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