びっくりするくらい、みんな知らないのな。
年功序列がベストとか、知らない人はYoutubeで放言してるし。
どっかに書いてないのか?
年功序列だとか言っている人は、大企業の昇進ルールを知らない。
まぁ、そういうポジションにいなかったなら知らないのも無理はない。
私の経験を思い起こすと日本IBMとNTTコミュニケーションズの評価方法はかなり似ていた。
ということは大企業は似た方法を取っているところが多いんじゃないだろうか。
どちらも内規での昇進ルールは超人を要求する。
たとえば、3年連続評価がAであること、などなど。
これって毎年淡々と目標設定して評価していると、まぁ、無理。
だってさ、目標設定ってちょっとストレッチしたくらいに設定しますよね。
デキる子の目標設定と、会社のお荷物の目標設定は当然違う。
毎年、毎年、デキる子の目標設定はあがっていく。
クズの目標設定は低値安定で「これくらいやってろ」だからね。
じゃなきゃ、今の日本IBMやGEみたいに後ろから10%をクビにするなんていう、
会社じゃなくって傭兵集団にしたほうがよくね?っていうふざけた組織になる。
閑話休題。
人事から3年連続Aくらいのレベルと言われちゃうと、事業部内で談合をやらざるを得ない。
「こいつを昇進させる」とマネージャー全員で合意する。
そして、そういう仕事を与え、昇進させる。
だってそれくらいしなきゃ、明日の会社を担う課長や部長を作れないよ。
この事情はどこでもそうじゃないだろうか。
本当に単年度で目標と業績で評価しちゃうと、デキる人ほど潰れてしまう。
だから、あなたが昇進したいのであれば、そういうキャンペーンに乗ることです。
今年ちょっと業績がよかったからといって昇進させろなんて甘い、甘い、甘ーい。
せいぜいボーナス査定で主張するべきこと。
(ただね、「みんなでやったこと」とか主張する管理職は注意したほうがいい。もう今はそんな戯れ言言っている時代じゃないから。みんなでやったこととするならば、みんな真面目に働いているフリはするけど、実績が出るほど働かないよ。)
なにごとにも例外はある。
すごい業績を作ったけど、クビになるヤツっていますよね。
あれは絶対に組織を壊しているからです。
短期的に数字があがっても、長期的にはロクなことにならないことなんて、昔から使い古されている手段だからすぐわかる。
パワハラ、周囲への裏切り、オーバーコミット、キックバック、循環取引、架空売上、収賄などなど、やっちゃいけない方法で数字をあげる方法はいくらでもある。
本人は目的達成のためなら少々の悪事は目をつぶってほしいんだろうけど、
先程説明したとおり、周囲の管理職はみんな見ている。
そういう問題児はクビにして当たり前。
会社のブランドをいつか傷つけるから。
クビにされた人が自らの悪事を隠して騒ぐと、判官贔屓の日本人はコロッと乗せられて騒ぐけどね。
同じことが本人ではなく無理に作り出されて歪むこともある。
例えば取締役とかが「あいつをなんとかしたい」って言う。
そう名指しされた人はね、一見、エリートコースを歩むように見えるでしょ。
でもね、無理に昇進させるとやっぱり、持たされた組織の業績がうまくいかないんだよ。
某IBMにいたときに、奥さんが某銀行のエライさんの娘で3時間もかかった華燭の典をあげた婿殿がいたんだよ。
雑魚エンジニアの俺は「エリートってすごいね」と思って見ていたさ。
しかし、エリートのはずの婿殿は最初はよかったんだけど、彼が担当した事業部は数字があがらなかった。
よく言うでしょ。「昇進していると、そのうち自分の実力以上のポジションになり去るしかなくなる」って。
まさにそれ。
テレビドラマにあるような無理な昇進をしても、ビジネスでは「お客様」という存在があり、そこで数字を作れない(予算、クオーター、ノルマ、割当、いろいろな言葉があるけど売上げ)ができなきゃ、そこ以上の昇進は無理となる。
彼はほどなくして転職し、点々としたんじゃないかな。
無理な昇進はこうなるんだよ。
残念なことに、本人は人格円満のすごくいい人。
これまた日本人は致命的に誤解しているけど、いい人で才能ある人はほとんどいない。
スティーブ・ジョブズだってビル・ゲイツだって若いころのエゲツなさはスゴイ。
大企業での昇進で小手先の小技が通用するとは思わないほうがいい。
大企業のマネージャーって限界もある。
なによりも、ゲームチェンジャーとなるようなアイデアを日本企業ではできない。
よい管理職はよいリーダーにはなれない。
大企業はリーン・スタートアップとか、サントリーの創業者がいうような「やってみなはれ」なんてものをめちゃくちゃ嫌う。
マーケティング、サーベイ、過去のビッグデータを調べれば成功はあらかじめわかる、と思い込んでいる。
(過去データ調べてもCOVID-19ってないけど、まだ信じてる 笑)
稟議書を書いて、みんなが賛成すればやるのが基本だからです。
困ったことに、これがあながちハズレではない。
マーケティングデータが示すとおりにやれば、ホームランは出ないがヒットは出る。
それでサラリーマンは今季のボーナスが確定するから安心してしまう。
サラリーマンの昇進とはこういうものです。
以下はタイトルと関係ない、余談です。
社内ベンチャーってよく言うけど、安定した給料が出るベンチャーなんて誰が真剣にやるものか。
上司に報告して同意を取るベンチャーなんぞ、うまくいくワケがない。
しかも大企業って設備、組織が行き届いていて、探せばなにかある。
そんな恵まれた環境では必ず甘えが出る。
日本人は言葉の言い換えが巧みだけれど、「社内ベンチャー」って単なる「社内新製品・サービスプロジェクト」に過ぎない。
オーナー企業や真剣にやっているベンチャーはヒットを狙っていない。
自社の今までのビジネスモデルが変形してもいいくらいのホームランを狙っている。
最近だとペッパーフードサービスが、いきなりステーキを残すため、ペッパーランチを売り飛ばすことにしたらしい。
驚きの覚悟だ。
(ただし、正解はない。それがビジネスのおもしろさであり、怖さだ)
オーナーの意思が反映されている企業では従業員はリモートハンド以上のなんの期待もされていないし、アイデアを実行しても、あなたにはビタ一文お金は入らないので注意してね。
つまり、あやふやな企業で素晴らしいアイデアを思いついたら、ソッコーで辞めて自分で会社を作るべきです。
当たり前ですが、自分で会社を作れば定年はありません。ここ重要!