「オーディオ製品は国産だろう」伝説も崩れつつある。
ちょっと前までは中国製のオーディオ機器は聞こえりゃいいだろう風な、それはそれはひどいものだった。
韓国のアイ・リバーが10万円以上のDAPを売り出したが、ハイレゾ(ハイレゾリューション:高解像度)ミュージックのブームが後押しし、MP3プレイヤーがDAPに変身を遂げたのだった。
ハイレゾを支える背景は、SDメモリーカードの価格が順調に下がったところにある。そのおかげでMP3という高圧縮だけど、原音を省略するファイル形式が廃れ、原音そのままのWAVファイル、FLAC, APPLEロスレスファイルが実用化されたのであった。
CDの音のサンプリングレートが44.1Kだが今や192Kサンプリングが主流となっている。実に4倍の解像度である。(蛇足だがDVDやブルーレイなんて音がCDよりすでにいい)
これはプロセッサーが強力になったため、デコード速度がついてくるようになったおかげである。
最近、目をつけている中国のオーディオメーカーがSHANLING。ご多分にもれず深センの会社である。
もともとアンプや据え置き型の音質重視のプレーヤーを作っていたのだが、ポータブル機を出し始めた。
タイトル画像のように極小である。
スペックを見てみよう。
- DAC(デジタル・アナログコンバーター)はDSD128まで
- Bluetoothは最新の4.1でエンコーダーとしてApt-xをサポート
- DACにAK4552を採用(旭化成製)
- アンプはMaxim製MAX97220
なんてところが読み取れる。
今やスペックにどこのチップを使っているかが公表されパソコンのような時代である。
あちこちのレビューで知ったことは、中国でクラウドファンディングして作ったものらしい。
すごいな。
そのためかよくある内蔵フラッシュメモリーがない。
これはいい割り切りで、ものによっては内蔵と外部SDメモリーが別々に管理されるイケてないスペックのものよりよいし、価格を下げることに貢献していると思う。
深センの力を感じるのが”Powered byHiBy Music”ロゴで、なんだろう?と思っていたら、とある人がブログで「HiByというのは中国の「海貝音楽」というソフト開発会社で、各社DAP用ファームウェアを作成しているようです。パートナー会社の欄にはずらりと「Fiio、Cayin、Shanling、Questyle、Hidizs、Eros」と書いてあるので、各メーカーがこの海貝音楽に外注委託してソフトを作ってもらっているようです。」と調べてくれている。なるほどね。
他にはDACになったりいろいろな機能がついてるけど、iTunesに入れた音楽や昔,MP3でエンコードしてしまった曲、拾った曲などを聞きたいように再生してくれるには本当にいいものだと思います。
こういう製品を日本で作れるだろうか?技術的には可能だろう。各半導体メーカーの半導体を繋いでCPUでコントロールすればいい。
問題はデザインと性能とユーザーインターフェースと価格のバランス。
ソニーが相変わらずソニーコネクターを使っているところに老害を見るのは私だけじゃないだろう。
デザインはきっと成熟社会の日本はまだ垢抜けたものを作れるだろう。
VAIOを盲信している人はまだ多数いるし。
性能と価格でだんだん太刀打ちできなくなるだろうね。
日本製だから安心ってバブルのころから崩壊している迷信なのに。
なぜブラック企業や会社で働く気が出ないのに、同じ国内で作られた製品だけにモラルがあると思うのか?
完全に思考停止だ。
このデバイスが今の中国の元気さと日本の行き詰まりを示しているように感じる。
そうそう、コネクターはUSB Type-C
これがクセモノ。ケーブル側の内部の抵抗で役割がかわる。まだ私もちゃんと把握しておらず、必要な時に資料見る。ニンテンドースイッチや最近のMac Bookなどで電源ケーブル選ぶたびにいろいろ見る。
ついでにイヤホンも買い直してしまった。Canpino
日本でもこういう新しい会社ができている。結構、いい解像度です。