サラリーマンが「新規事業」と簡単にいうけど、本当の新規事業とその会社にとって新しいというだけのものがありますよね。
本当の新規事業ってかなりのリスクを伴います。
NTTコムにいた時に、WIDE-SANというSANネットワーク専用のネットワークサービスを作ったことがあります。もう10年以上前なので時効でしょう。
それ以前はどうしていたかというと、SIとしてSIerが回線、ネットワーク機器を調達し、設計していたわけです。
それをサービスとして提供する、ということをやりました。
世の中になかったサービスです。
そうすると、どういうことが起きるか?
マスコミの取材はそこそこ来ました。NTTというネームバリューはスゴイと思いました。
お客さんには受けました。構築費用、だだ下がりですから。
SIerには最初は嫌われました。構築費用で稼げないですから。
IBMでOSテストしてた俺に「NTTにシステムなんかわからない」とほざいた奴もいたっけな。
(肩書って怖いですね)
後にお客に「比べろ」と言われたことと、提供技術は安定していますから仕事はたくさん取れ始めました。
新しい事業を作ると、既存のビジネスと比べられるということをよく知っておいたほうがいいです。
それとの比較で利点を明確に示せないとなかなか苦労します。
売っているうちに気づいたのは、WIDE-SANのもうひとつの利点が、場合によっては回線の遅延を縮めて提供できることもできるということでした。(まだ、高速取引出現以前です)
通常、回線をNTTが売る時、用途は知らないまま売ることがほとんどです。
しかし、用途を限定したサービスだと、よりお客さんの要望を聞けるということです。
それがまた、サービスの利点となっていきました。
そこそこお客さんに売れて、他社が似たようなサービスを提供しはじめました。
それが当時は二番目にうれしかったことです。(一番は、もちろん売れた時です)
なぜならば、小さいとはいえ「業界」を作ったのですから。
まったく新しい事業を作るってこういうことです。