ちょっと前にめずらしくテレビを見ていたら、なんのインタビューだかは忘れたんだけれど、お年寄りが「私たちは恵まれすぎてますからねぇ。今後の若者に少し還元してほうがいいかも」とおっしゃっていたのが、よく理解できないでいたが、最近わかってきた。
実は私の母もだいぶと年寄りで、後期高齢者医療保険を適用されている。これ、国民保険ながら負担は1割。
父は亡くなっているけれど、母が手にする年金はちょっとしたOLの給料並はある。
しかも、介護保険のおかげで、ヘルパーさんやら、老人ホームやら有効に活用できる施設もいっぱい。介護ビジネスは立派に成立してるから、最大手は脱税してみたりする。
有料老人ホームに生涯住む権利は安くはないが、実家の古いマンションを売った代金でお釣りがくる程度。一般の賃貸マンションはお年寄りには貸してくれないからね。「死なれたら困る」って家主さんはみんな言うそうだ。(不動産屋談)
有料老人ホームは、介護ビジネスが集中しているだけに住んでいる老人には快適この上ない。建物は広いので運動するし、飯はうまい、職員は構ってくれる、同世代の友達はできる、時々はバスに乗って買い物やら美術館巡り。一人暮らしより、はるかに健康的で寿命が延びるらしい。
時々、家族が遊びにいってあげるくらいでちょうどよいようだ。
ちょっと前の「恍惚の人(認知症の人間を介護する家族の悲惨さを描いた小説)」なんて昔話である。施設で資格もった人が世話してくれる時代なんだなぁ。
この道10年という専門の人といろいろ話すと、お年寄りの世話というのは立派なプロの仕事であって、家族といえども素人だな、と痛感する。
すごい世の中になってたんだ。
母が幸せに暮らせればいいのだけど、俺が70歳くらになったころには、崩壊してるんだろうなぁ。