て、世の中にたくさんあるだろーな。
この間、非常に評判のいいすき焼き丼を食べた。
飯田橋の主水っていうお蕎麦屋さんの丼。
が、私が行ったときがついていなかったのか、醤油味こってり、焦げる寸前くらいの池波正太郎が好みそうな味付け。「大人の週末」って雑誌で絶賛されていたらしいが、広告なのか、味付けが古いのを好む人がいるのか、どっちかだな。
正直、吉野家のほうがはるかにうまい、と思った。
ま、すき焼きということで気を取り直して書いておく。
日本が霜降り肉を信仰する最大の理由はすき焼きだろう。ぐつぐつ10分、20分煮ても硬くならない肉。普通、そんな肉はない。肉料理にはステーキのように、繊維が短くさっと焼いて食べるか、シチューのように繊維の長い硬い肉を数時間煮て、そのスープと共に食べる料理はある。が、中途半端に煮てやわらかい肉というのは、本来存在しない。生物は筋肉は筋肉、脂肪は脂肪を身につけていくのだ。
すき焼きでも、関西風すき焼きは最初に濃いたれで肉を「いため焼く」。その後、野菜主体の鍋とするので、霜降りじゃなくてもいい。関東風の牛鍋に起源を発するすき焼きだけが、霜降り礼賛なんじゃないのかな。
個人的に思うけど、うまいステーキ肉食ったら、霜降りみたいな脂っこいのは食べられないけどなー。シンプルに塩と胡椒と、少しのワサビで食べれば最高だと思うな。
でも逆のこともいわれそう。「うまい霜降り肉食ったら、赤身なんてゴミだよ」だなんて。。。
料理はだから、ゴールがないんだろうな。