ITで遊ぶ

ITの変化って早いからね

昔から気になっていることがあります。
高校生のころからを含めると、およそ50年、IT業界を見てきました。

その進歩は私にとっては当たり前ですが、世間の人たちはそうは考えていないと感じます。
その速度差がとても気になっています。

今(2026年上期)の話しをします。巷を見るとAIブームです。
そしてこんな話題が繰り広げられます。

  • Claude Codeは最高だ
  • AIがサラリーマンの仕事を奪うなんてない

すべてデジャ・ヴ(見たことのある光景)です。

今、しのぎを削っているAIサービスすべてが過渡期です。投資はこれからだというくらいのところにいます。それでサービスを断定してしまったところで、半年後はどうなっているのかわかりません。

AIは現在はLLM(生成AIとか大規模言語モデルと、訳される)が全盛です。確かに成果は出ています。でも、それが唯一のAIではありません。産業という山では裾野にも投資が行き渡りますから、技術自体もどうなるかわからないのです。
思い起こして欲しいのですが、囲碁をAIが打ち破った(IBMディープブルー)と話題になったことがありました。あの技術は第一世代です。現在、流行っているAIとは別物です。

そして、同様のことは過去何度も起きました。思い起こすまま遡(さかのぼ)ります。

今のAI(LLM)が大流行する前に自動翻訳も1大テーマでした。当時の常識は構文分析(主語、動詞、形容詞、などなど。文章をツリーで表す)をして、他言語の構文に移行するという考え方が主流でした。東大の奥村研究室などが自信満々で「最先端だ」と豪語していました。ところがLLMが出現し、Googleの自動翻訳の成果により明らかに差が出ると消え去りました。構文解析なんかする必要はなかったのです。このようにして日本の大学でのITの研究はほとんどすべて消え去りました。

スマートフォンが流行ったころでした。「モバイル・ファースト」という言葉が出てきました。これからはPCよりもモバイルデバイスを使う人のほうが増えるから、画面デザインもモバイル対応を最初に考えたほうがいいよ、ということです。この考え方の本を翻訳するチャンスがありました。
しかし依頼してきた社長は、これが何年も先のことだと考えていたのです。私は急いだほうがいいよ、と言いました。それから2,3年で世の中はスマホ全盛になり、彼はビジネスチャンスを失いました。

インターネットが流行り始めたころでした。Amazon来日前夜でしたが、ECサイトというものが出現し流行るだろう、と言われていました。しかし百貨店や普通のお店の人たちは「それは選択できる道だ」と考えていたのです。今、現実の店舗をかかえてECサイトをやっていないところが流通業であり得るでしょうか?これも技術の進展とお客の動きを読み間違えた例です。残った方法は年寄のデジタル弱者に向き合うしかないのです。

TCP/IPがインターネットと共に囁かれたころでした。当時は日本IBMにいましたが、社内は「通信方式はIBMのSNAが主流。LANはイーサネットよりトークンリングが優れている」と言って憚らない人だらけでした。インターネットの勃興を知っていた私は疑問符だらけでした。あれから30年。今、SNAとかトークンリングって言葉自体が死語です。

リレーショナル・データベースの勃興も思い出します。当時のIBMではDB2という今も名前を残しているリレーショナル・データベースシステムがあります。当時のデータベースの主流はキーでデータを引っ張ってくる方法でした。確かに単純で早いのですが、他のデータとの関係などは人間か管理しなければなりません。リレーショナルデータベースはコッド博士という数学者が考え出したデータベースで数学的に「必ず見つけられる」という証明がなされた堅固なアーキテクチャです。これ以降、データベース界の基本思想は変わらないという珍しい現象となりました。数学的に立証されたものは生存期間は長いのです。逆に若い人々によってnoSQLなどが再発見される始末です。

IBMがIBM PCを作り始めたのは1980年代初頭です。今のPCはMac以外、IBM PCの子孫です。それでも当時はPCの可能性は見限られていて「通信機能がない」「しょせんおもちゃ」と思われていたのです。私は都市銀行勘定系システムのテストをする部門にて「PCの部門に移りたい」と言ったら「キャリアパス考えろ」と小さい声で怒られました。

いつとは言えませんが、IT業界は長年、作業をコンピュータ化し、紙を削減して電子化してきました。それで「腰掛け女子社員」「コピー取り」「お茶くみ」といった仕事の能力がない女子社員の居場所をなくしていきました。いろんな理屈をつけても会社は経済合理性に従わざるを得ないのです。

見いだせるルール

世の中を変える技術の広まりは、普通の人が考える以上に早いのです。スマホの3Gが2008年でしたから、たったの18年でインフラです。
AIの普及はみなさんが考えるよりも、はるかに早いスピードになります。理由は「便利」もありますが、高いコストパフォーマンスをもつからです。たとえば、今まで社員が一週間かかって完璧に仕上げていた資料があるとします。40万円の人件費ならざっくり10万円かかったことになります。似たようなものをAIが作れば数千円です。なぜかというと「ドイツの生産性に日本は追いつけない」に書きましたが、日本人はどうでもいいところに莫大に労力を費やすことをおかしいと考えていないからです。

若い人に言いたい

変化は起きると早い。日本企業に染まった先輩に聞いてもムダ

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