テクノロジー遊び

キャラクターディスプレイ

ちょっとネットを検索していて忘れ去られた過去があることを発見したので書いておく。

1980年代のメインフレーム全盛期はGUIというものはなかった。
わずかにAppleがMacのデモを行ったくらいが巷で知られていた程度。画面にカラー表示するIBMのディスプレイは車一台くらいの価格だった。

他は黒字に緑色の文字が出るキャラクターディスプレイと呼ばれるものだった。もしくはプラズマディスプレイで黒字にオレンジ色の字が出るモデルもあった。決して映画マトリックスが思いつきで作ったものではない。
私のような古い人間はいまだにLinuxのディスプレイは緑色の文字にしてしまう。

ただし表示の方法はパソコンの台頭と共に劇的に変化した。
メインフレームのディスプレイはIBM3270データストリームというプロトコルだった。
グラフィックですら一文字の大きさ単位でビットで送っていたためものすごいデータ量だった。

このころAS/400シリーズはIBM5250というディスプレイシリーズが使われていた。おそろしいことにまったく互換性はない。

次に出てきたものがNEC8001などのパソコンがやっていた漢字ROMイメージを転送する方法だ。
そしてWindows出現前夜にIBMがDOS/Vという漢字イメージをメモリーに展開する方法を製品化した。
ほとんど忘れ去られているが、この功績は偉大でDOS/Vがあったから、日本においてフルグラフィックのWindowsマシンへ世の中はスムースに移行したのだ。Dellや海外製のPCでもキーボードさえ変えれば日本語の仕事ができるようになった。
DOS/VがなくNECパソコンが幅を利かせていたら、今の日本のIT環境は悲惨なものになったと思う。

NECにしてみれば「憎き、DOS/V」だろうけどね。
Windowsの初期のバージョンは漢字ROM搭載のNECパソコン用のフロッピーがしばらく付属していた。

その後、Windowsがフルグラフィックになりディスプレイドライバーがベクトル描画をサポートし現代に至った、と記憶する。

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