サラリーマンのふり

ドラえもんのダークサイド

(近頃の若い人は自分が知らないことを言われると「上から目線でものをいうヤツ」と認定しイラつくらしい。大学の授業に出てそう感じるような偉い方は、私のブログなど読まないでいただきたい。じじいがエラソーに語ってるだけですから。)

日本企業がおかしな方向に進み始めたのは「就職氷河期」からだったと思います。2000年から2004年ごろ。

このころの小泉内閣は派遣制度の改悪を行い、2004年にはほぼ全業種で派遣制度がOKとなりました。
この変更以前はメイテックなどの企業がCAD/CAMの高い技術をもった人を派遣する「派遣とはスペシャリストを借りる」というのが世の中の認識でした。

全業種派遣OKとし、パソナやテンプスタッフという企業は大躍進しました。

これはふたつの大きな労働市場の変化をもたらしました。

  1. 労働力が社員と派遣という二重構造になり、労働組合の意味が実質上なくなったこと。
  2. 労働力はコストだと認識されるようになったこと。

どちらも小泉氏は考えつかなかったと思います。
うまく竹中平蔵に騙されたわけです。

1により労働力は雇用者の使い放題となりました。
その証拠に2006年に疲労死が起きないように労働法が改正されたのです。
法律が立法されるということは、その前に多数の人が亡くなり社会問題化したからです。
厳しい規制で「サービス残業」はだんだん消えましたが、しぶとく残っています。

2によりリストラが横行しはじめました。
新卒で入社し、その会社の中で成り上がったサラリーマン経営者が会社を経営したところで、会社に変化をもたらすことはめったにできません。
業績の悪化をごまかし利益を確保するもっとも手っ取り早い手法がリストラです。
まともに考えれば行き過ぎたリストラは会社の中における事業継承がうまくいかなくなります。
いまや45歳で退職させようという動きが盛んだということは、新卒で入社して20年程度しか会社にいないわけで、その間に仕事を覚え、業績をあげ、若い人に事業継承する、さらには世の中の変化に応じて新規ビジネスの展開なんて無茶です。

そもそも労働者とは、会社の経営者ではありません。
ですからどんな事業をするのか、どうやって売るのか、どうやって変化していくのかは本来は経営者の仕事です。社員はそれの補佐はできますが、決定権は持っていないのです。

にもかかわらず、今の日本企業では普通にサラリーマン経営者はサラリーマンに意思決定を求め、うまくいかないと文句を言います。

なぜこんな日本になったのか?

私は漫画のドラえもんが原因ではないか、と思ってます。
ドラえもんは野比家の家族として過ごし、のび太にあらゆるソリューションを無償で提供してくれます。
これを見て育った世代は労働者をドラえもんと勘違いしていないでしょうか。
なにか指示すれば魔法のように答えが出てくる。自分はそれに対して好き嫌いを言えばいいだけ。
ドラえもんはすねても見放さず、コストを求めずにいつもなんとかしてくれる。

ビジネスの世界はなにかが欲しいなら、なにかの代償が必要です。

ドラえもんは素晴らしい漫画ですが、日本人の心に他責主義を植え付けたのではないでしょうか。
今の日本のサラリーマン経営者は労働者をコストとしか見ていないくせにドラえもんだと思っているようです。
その証拠に日本企業はまったく変化せず、高度成長期に先人が作り上げたビジネスモデルをひらすら繰り返すだけです。業績が下がればどら焼きを取り上げるけれども、解決してくれと泣きつく命令する。

このままいけばどうなるか(どうなったか)?

企業の収益の元は一般家庭の家計です。コストとして最低限度の賃金しか払わない家計に買ってもらわなければ企業の業績は悪化します。経済とはそういうつながりをもっています。

日本政府はサラリーマン経営者が経営している企業に課税することをせずに、教育費(大学の運営費など)を切り下げ続けてきました。特定の政治家の問題というよりも、目先の対応しかしないせいです。

ジリ貧の企業はアメリカや中国資本に買い取られます。
でも「ウチではそんな給料出せない」などとふざけたことを考えない外資に買い取られたほうが働いている人々は幸せでしょう。能力に応じた給料が払われます。国粋主義の人はイヤでしょうけれども。

さて、なぜ目先の対応しかしない経営者、政治家ばかりになったのか?
持論を書きます。

国家という人はいません。
安倍晋三氏は役人の人事権を掌握することで、三権分立を叩き壊していました。
それでなにか大きなビジョンをやりたかったわけでもなかったと思います。
アベノミクスなんて、このブログでも書いていましたが、うまくいくわけがありませんでした。

今、反動が来て自民党安倍派は裏金スキャンダルで晒し者にされています。
首領がいなくなったら食い殺される。これが政治の世界です。あなたには見えているでしょうか?

マスコミの偏向報道に乗せられ、自分が義務を伴わない正義感を振り回して有名人を斬ることは、数秒の快楽をあなたにもたらすことでしょう。それは同時にその有名人が築き上げた業績をも否定しつくすことです。

それでいいのでしょうか?

田中角栄のように大きな仕事をする政治家はダークサイドももちます。
そのダークサイドをあげつらって、有能な政治家を切り捨ててきたのが今の日本です。
生き残ったのは大きなことをする人ではなく、ちまちま保身する小物ばかりです。
それは国民が選んだ結果です。
文春などがやっているスクープに過剰に反応して、引きずり下ろすことが正しいのでしょうか?

インターネットで自分の気に入ったものばかり見ていて、なにも考えなくなった。視界に入らない人々のことを知ろうとする、推測する、能力を失いつつあると思います。
おそろしく狭い視野で物事を判断する人、会社ばかりなので、日本は没落していっているように見えます。

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