雑感(日記)

リタイアメントとその次

あけおめ、この投稿は2023年に書き、2024年元日にリリースするようにしました。
2023年12月31日でSAP Globalを辞め、サラリーマン生活を終了することにしました。
これからはエンジニア社長業します。

この投稿は定年前の50歳代の人を対象としてリタイアメントについてあれこれ書いています。
20歳代から定年後を考え続けていた私はこの日についてエラソーに書いてみても、まぁ自分のブログだし、いいかなと思います。

いい老後は明らかに定年前からの活動によります。
まだ65歳にはなっていませんが、会社を辞めた理由があります。

脳力の衰え

自分の脳の体力がなくなってきたことを感じ始めたからです。

数年前までは集中して仕事をする(プログラムを書くとか、概要を設計するとか、いろいろ)ことを何時間やっても目が疲れるとか尻が疲れるとかはありましたが、頭が動かなくなるなんてことはなかったんです。

ここのところやはり疲れて立ち上がってしまいます。眠くなります。
「あー、体力おちたな」と思います。

日本語でも単語が出てこないことがあるのであれば、英語で話していたらなおさらです。
外国語での会話で2時間3時間過ごすと、あと、グッタリ。

「年を取っても勉強はできる」は事実ですが、自分がすでに知っていて頭の中にネットワークが構築されていない分野については、プロレベルにはならないというのが、私の正直な感想です。

微妙な年齢

私の年齢はなかなか微妙なタイミングです。65歳で辞めるのは損だと知ってください。

政府は70歳まで雇用しろと企業に言っているようですが、それは働いている人にとっていいことなのかどうかは私には疑問です。というのも、年金や失業保険制度と矛盾を起こしているからです。

私の場合ですが、64歳から「特別支給厚生老齢年金」をもらうことができます。
特別支給年金は1961年4月1日前に生まれた人がもらえる経過処置の年金です。

失業保険と特別支給年金の両方はもらえません。
失業保険と比べると、特別支給のほうが多いのです。また特別支給年金は繰り上げ支給の対象になりません。今、貰わないといけないのです。

あと注意事項として、現在の法律では失業保険は65歳前と後では貰える金額も期間も違うことは知っておいてください。

これからの日本はどうなるかわかりません。
いい予想だと半導体産業が復活し、車をふくむロボットのメーカーが景気をリードしていけるかもしれません。
一方、ソフトウェアについてまるでダメな国なので、最悪はパーツメーカーとしていろんな国に搾取されるだけの国になるかもしれません。(AppleのiPhoneにはパーツは使われていても買い叩かれ、利益のほとんどはAppleがもっていっていることを思い出して欲しい)

どちらにしても資本主義である以上、貧富の差は拡大しインフレは必ず起きますから、年金だけで暮らせると考えることは段階の世代であっても止めたほうがいいです。
目が覚めてから寝るまで節約を考えるより、稼ぐほうが簡単です。

何者であるかの準備

おそらく私の年齢で転職を経験した人はそう多くないように思います。
私の持論ですが、転職と自分で事業を起こすことには類似点があります。

それは「会社」というものを外から見て「自分と会社」の関係をクールに見ることができるようになることです。
会社を辞めるからといっても、私にはなんの思い入れもありません。
おそらく何社も転職して、「会社と私」と別々に考えるようになり会社への期待が皆無だからだと思います。

定年最後の日に涙を流しながら花束を受け取る人や盛大に「お別れ会」などをやってもらって喜んでいる人は何度も見ましたが、まったく共感できません。むしろ現役の若者に迷惑をかけてヘーキなその神経を疑います。
私はいつもの転職と同じように、そっと消えることを選びました。

自分のスキルを会社に売って報酬をもらっている、と明確に認識している人は世間でよくある

  • 今の会社の取引をネタ(人脈とかいう)に自営業をする
    周囲はあなたの肩書とかかわることが得だからよいしょしているだけ
  • 会社を作ったら自分はラクな管理だけをしてやっていける
    起業とは現場仕事すべてを自分で始めなければ、周囲には誰もいない
  • 投資なんて若造がやれるなら、俺はもっとうまくやれるに違いない
    誰もが始められるから競争相手は大量にいて、わからない未来を当てなくてはいけない
  • 資格を取って先生といわれる事務所を開くぞ
    他人と同じことをして食っていくのは大変だという需要と供給の法則を理解していない証拠

なんて甘ったれたミスを犯すどころか、自分が本当にひとりで稼げるか自信がないのが普通だと思います。

サラリーマンを辞めるということは、会社の肩書を会社に返して一個人になるということです。
人のために働くことを止めて自分のために働く会社に転職する」という考え方をしてはいかがでしょうか。

20代のころに私が考えていたことがあります。今も変わりません。

  • 年金、貯金はアテにならない。なぜならばそれは価値を保証されているわけではない。役人は1000円でも支給できれば「制度は破綻していない」というだろうが、決定的弱点は、インフレに弱い。
  • 株、その源泉の事業はアテにできる。なぜなならばそれはインフレになればその率に応じて値上がりする。

つまりお金とはフローであって、ストックではないのです。フローを作り出せない人がストックに固執します。

実際に事業を起こし、二足のわらじをはくことはラクではありません。しかしだんだん慣れます。サラリーマンとしての仕事がイヤになった時でも心の拠り所ができます。
ビジネスで成功するためには、かなりの試行錯誤が必要です。あのファーストリテイリングの柳井正氏だって「一勝九敗」という本を書いているくらいです。
在職中に助走期間中にいろいろ失敗しなければ、リタイアしてから開始しても間に合いません。年を取ってからの失敗はダメージが大きくリカバリーは困難です。失敗せずに成功しようなんてムシが良すぎます。

50歳代でまったく準備をせずに、定年になった、さぁどうしよう、なにか働けるところはないかな?と場当たり的に考える人々は、再雇用で若い人にバカにされながら低賃金で働くか、安い肉体労働しかないのは当たり前だと思います。

あたかも気の毒で理不尽であるかのような報道のされ方ですが、仕事以外は遊んでいたり、目先の仕事にのめり込みすぎた本人の責任でもあります。
いつもながら書きますが、「俺は精一杯まじめに家族のために働いてきた」なんていうマジメであることは免罪符になりません。愚かであってはならないのです。
不真面目な私のサラリーマン時代の給料はあなたより高かった確率がとても高いです。給与分布の上位2%に入っていましたから。(国税庁統計データ
好きなことで食べていくことは可能です。

自分のために働くコツ

3つの相反する要素を認識してください。
ひとつはやること、2つ目はサラリーマンの常識。3つ目は他人と同じことをやっても零細企業は潰れる

なにをするか?という時に多くの人がはまってしまう間違いが「やりたいこと探し」です。
これは本当に危険です。おうおうにしてあこがれ、見栄、家族の横やり、錯覚が混ざるからです。
大企業などに勤めて自我が肥大している人にありがちですが、人生で今までかかわってこなかった分野を60歳から始めて、現役のプロに勝てると思わないことです。

例1:公的職業訓練の大半は期待できません。なぜならばほとんどがIT関連です。
まぁ、素人から始めておカネがいただける段階になるのは、ほぼ無理です。自分より若い人に馬鹿にされながら働くハメになります。無理にやることはありません。

例2:不動産運用や株式運用などを勧めている本がありますが、できるわけがありません。年を取って失敗すると取り返しがつきません。個別株でキャピタルゲインを得続けることはプロでも達成できていません。しばしばバフェットが取り上げられますが、このブログで書いたとおりバフェットの投資法を誤解しています。

大事な格言があります。「人生で経験したことに無駄なことはない
この格言が正しいのであれば、自分が経験してできるいくつかのことは、自分をうまく運んでいくということになります。
自分ができることを組み合わせてできることをやるのです。
私の場合は、ハードウェア設計、プログラミング、代替医療といったところでしょうか。

2つ目のサラリーマンとしての常識は会社を潰さないためのコツです。
サラリーマンとして長期間働くと、なんとなくビジネスの範囲みたいなものが見えているはずです。
(お客さんを相手にしている営業やエンジニアだけかもしれませんが)

例えば、利益率50%超えなどと聞くと「え?なにをしたらそんなに?」など興味をそそられてみたり、「PBR1倍以下」と聞くと「そりゃ、株主に申し訳ないわ」とか「アカウントプラン」とか打ち合わせの仕方とか、お客への謝り方とか、知っているはずです。
サラリーマンとして違和感があることはやってはいけないのです。
ビジネスのブレーキみたいなものです。

3つ目が他人と同じことをやらないことがビジネスだということです。
サラリーマンは人と同じことをしていないと浮きます。しかしビジネスはまるで逆です。

長い間、ハーバード・ビジネス・レビューを定期購読して読み続けていたことがありますが、大儲けをする方法論はありません。時代によって異なります。しかし「あなたの会社はお客のなんの問題を解決するために存在するのか?それはなぜあなたの会社でなければならないのか?」という事業を立ち上げるためのオープンクエスチョンなら提起することができます。

そして、お客の問題を知るためには自分がお客さん以上に商売する分野に詳しいということは大事なことであり、そのためには今までの経験プラス学び続けられることにこしたことはありません。
しばしば「好きなことを商売にできれば苦労しない」という言葉を聞きますが、あれを言うほぼ全員が「商売にする方法を知らない」マジメな愚か者です。タワゴトだと思ってください。

これはあくまで一例ですが、プラモデルをたまに作るとカラーリングで頭を抱えてしまいます。いろんな色を混ぜるために、山ほど塗料を買わないといけません。あらかじめ混ぜた塗料を少量ずつ売ってくれたら割高だろうが買うのにな、と思います。
お客が「プラモデルを仕上げるために大量に塗料を買い込まなくてはならず、苦痛だ」を解決しているわけです。そして色のバリエーションはお客以上に詳しくなければ成り立たない商売です。おそらくミリタリー分野とガンプラ分野は違うと思います。しらんけど。

月収47万円の壁

最近、ヤル気をなくす話は65歳過ぎて年金をもらう年になると、年金ふくめて月額47万円以上稼いでいると年金が減らされるそうです。

なんか国に「おまえはこの金額で生きてろよ。余計な金儲けは許さん」と言われているようで萎えます。今まで散々税金払ってきて、なにも追加でいいことはなく、脱税はイヤだから税理士にまで金払ってるのに、納税額が少ない人は補助金、生活保護で優遇する。
税収がどんどん減ってるのに、国は働かない人を増やしたいのでしょう。なにがしたいんだろうか、と思います。
まぁ、作った会社で稼いでせっせと経費を使います。

年金繰り下げ受給を勧めている本がありますが、バカだなと思います。
いったい何歳まで働いて、何歳まで生きていると思っているのでしょうか。
老後、雇われずに働く道を見つければ、かなりの年齢まで収入があることになります。
さっさと年金もゲットして死ぬまで現役でありたいものです。

以上、リタイアメントについて調べたこと、やってきたことでした。

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