ボール盤をフライス盤に仕立てるべく、精密テーブルを取り付けてよろこんでいたのもつかの間。
Z軸の作業が必要となりました。
もう人手でコントロールできません。
ボール盤にステッピングモーターを取り付けてCNC化なんてやっている人もいますが、たぶん0.01mmの移動精度は出ないと思います。
一般的にフライス盤などのテーブルを動かすためにはステッピングモーターでネジを回して移動させます。このとき、ネジにはわずかに遊びが必要です。それがなければ回転できません。
で、その遊びがそのまま精度を引き下げます。
しかも取り付ける金具は販売されていませんから、全部自作。
もうCNCフライス盤を作ることが目的になってしまうし、失敗もするでしょうからお金もかかる。
なのでCNCマシンを買うことにしました。
オリジナルマインドの完成品がほしいですが、20万円もするので止めました。
3Dプリンター組み立てて、フライス盤組み立てたのでなんとかなるだろうと楽観的に考えています。
とはいえ機種はたくさんあって、選定はメチャクチャ悩みます。
いろいろ見ていて自分で条件を作りました。
- 筐体がプラスチックは無理。絶対に金属フレーム
- レーザーはいらない
- 手で回せるノブがついていること
- 金属加工は考えない(やったことない)
- 20センチ程度までのサイズが対象
中華製のCNCはたいていCNCxxyyという名称で、xxとyyが作業スペースのようです。
でもオールメタルのキットは少なく必然的にCNC1419となりました。
Amazonでもよかったのですが、一万円くらい違うのでのんびりAliexpressから輸入することにしました。
FEDEXの送料込みで34,701円です。
届くまでCNCマシンの研究をします。
こんな本や
こんなウェブサイト
ママさん設計者がやさしく教える「CNCフライス超入門」
で勉強しまーす。
きっと最初に作るものは3Dプリンター用フィラメント台になると思います。
さて、CNCマシンを使うためのソフトはほとんどがWindowsです。
Macはあきらめましょう。できなくはないでしょうけれども、目的はMacを使うことじゃなく、CNCマシンを使うことですから大勢に乗ったほうが余計な苦労をしなくてすみます。
CADですが、Fusion360が絶賛されています。(Mac版もあるようだ)
同時にFusion360はCAMソフトをもっています。
Fusion360の非商用ライセンスはアカウント作ってログインすると英語サイトになります。
そこで、Free版を選ばない限り延々とメニューがループします。
3Dプリンターの場合はできあがったstlファイルを「スライサー」というソフトに食わせます。出力は3Dプリンターを動かすコマンド群です。機種によって違うものでした。
CNCフライスの場合はCAMソフトと呼ばれるプログラムで機器を動かす抽象的なコマンド群(ツールパス)に変換します。そのコードをG-コードに変換し、コントローラーが読んで機器を制御します。
CNCフライスをキットから組み立てる場合、Arduinoベースのコントローラーがポピュラーで通称WoodPeckerと呼ばれています。このボードにモーターの配線をつなぎこむのです。
そこにのせるソフトウェアはgrblがあります。コントロールするパソコンソフトとしてcandleがあるようです。
3Dプリンターは絶対(0,0,0)のポイントをテーブルの端に置きます。
それはマイクロスイッチでアームが届いたことで設定されるのが普通です。
しかしCNCフライスの場合は、テーブル上のどこかを(0,0,0)に設定します。
そのためマイクロスイッチのセンサーはオプションとなります。
積層する3Dプリンターと削るCNCフライスは考え方が微妙に違っていておもしろいです。
ちなみに機器にパソコンをつなぎ放しにするのは不安(たとえばいきなりWindowsアップデートが始まったり、余計なことして信号の送出が止まったら目もあてられない)なので、オフラインコントローラーを買いました。
これは安いのでわざわざ輸入することもないでしょう。
オフラインコントローラーにメモリーカードを差し込んで運用したいと思います。