サラリーマンのふり

努力を礼賛することが日本のモヤモヤ

「努力したから」を言い訳に使うな、と北野監督がおっしゃっておりまさにそのとおりだと思います。

努力した人は偉い、という風潮ないですか?

あの悪名高い豊田真由子も選挙運動中「私はとても選挙のために努力した」と言っていて、秘書を暴行した責任はほっかむり。

落選したとはいえ、2万票もそれでよしとした人がいたということが怖い。

会社でも「一生懸命働いているからえらい」みたいなことを言う人がいる。
一生懸命やってりゃいいのなら、会社の空き地で穴掘って今度は埋めてればいい。
まったく無意味な作業でも一生懸命やってりゃ給料でると思ってる人間に聞きたいもんです。

新しいことを考えて結果がうまくいかなかった、ということと間違った目標に向かって一生懸命やったというのでは企業では意味が違います。
ここがわかっていない、即物的に結果のみを求める愚かな人間もまた多いように思います。

新しいことをやろうとした場合、失敗はつきものであって、再チャレンジすれば結果が出る確率は着実にあがります。だからプロセスが大事なのです。
まーんぜんとした自称努力は、いくらやっても結果が出ない、非効率極まりないことをやっていることが多いのではないですか。

間違った方向の努力は、日本人の誇る品質問題にもあります。

道具をメンテナンスする時、道具を理解せずに単にピカピカに磨きあげただけなら、その道具は必ずいつか問題を起こします。笑っちゃう話ですが、旧日本軍では飛行機のエンジンなどのメンテナンスでよくあったようです。分解してゴミを取るのではなく、単に表面を磨いてよしとするなどという愚かしい行為が。

三菱自動車が何度も欠陥品を作っていたり、神戸製鋼が品質検査をしていなかったり、などというものも間違ったことを一生懸命やっていたからではないでしょうか。

生産性ということを考えた時、「設計された手抜き」は必須だと思っています。
この価格ならこの程度の工数と材料で作る。
決められた工数を「現場の努力」とか「サービス残業で」余計に費やすことは本人は大得意でしょうし、間抜けな経営者は喜ぶでしょう。

しかし真剣な経営者は正しい投資の数字を知ることができないということになります。今まで10円でこれくらいの品質のものができると思っていた、中国で同じことをしたのに11円かかる、なぜだ?になります。
ここで愚かな人は「だから日本人工員は素晴らしい」といいますが、海外でビジネススケールをあげようという時、そういう個性を計算にいれないといけないというのは困るじゃないですか。中国じゃなく、ドイツにもっていっても、アイルランドにもっていっても共通した仕事にするのは当然。

お互いがお互いを明記されていない状態でカバーしあうというのは、家族では当然ですがアカの他人が集まり、いつ辞めるかわからない、病気で休むかもしれない状況ではやってはならないことだと思います。

いつになったらこんな単純なことが日本人の常識となるのか、、、もっと中国や他の国の資本が入ってこないと気づくチャンスのないままなのかもしれません。

もうひとつ気になること。

供給側がすぐに値段を下げようとすること。
日本のサラリーマンって他責にすることが大好きですが、その中で一番ひどい会社への裏切り行為が

「高いから売れない」

と言い放つことだと私は思っています。

あなたの給料はどこから出ているのか?高いと思っても売らなければ食べていけない、という真剣さがないんですよねぇ。自分の同僚が作ったものを売り叩いて平気。なんの知恵も使わない。
「売るために努力した」と言ってはばからない。

飲食店なんかのサービス業もすぐ値下げする。おまいらはドンキ・ホーテやダイソーのバイヤーかと思います。その値下げは従業員に転嫁していることが、まったくわからない。
飲食業の店員って最もストレスフルな仕事のひとつだと思います。飲食業が数年務まった人って普通の人よりストレス耐性高いですよ。

にもかかわらず。。。いっそのこと、日本もチップ制度を導入したらどうだろう?

逆の例もありますね。郵便局みたいに中央に座っている人間は、「地方の名産品」とかいうふざけたパンフレットを各郵便局におかせてノルマだけ課す。あんななんの工夫もない雑なパンフで人がひっかかるなら、世の中営業なんていらないのに売れないと従業員に責任を押し付け買わせる。
郵便局に行くたびに、あの地方の名産品のパンフレットに怒りを覚えます。郵便局ってブラック企業やん。

こういう卑怯なやり口こそマスコミが取り上げるべきだと思いますけどね。
ユニクロで一年間働いた記者が柳井氏に取材を持ちかけているようですが、柳井氏は逃げ回っているようです。私も忘れてはいません。柳井さんはちょっと前に「ユニクロがブラックだというなら一年働いてみてほしい」と言ったことを。

逃げるということは、自らブラック企業だとわかっているということです。
柳井さんは偉大だけど、人使いはヘタ。

第二次世界大戦が終わってから70年も経ちました。あの戦争でいかに非合理なことをして敗戦したか、学んでいないことが多すぎるとおっさんは思います。

今、地方の産業が立ち行かなくなっています。これも経済戦争に負けたということを自覚していないせいでしょう。漫然とした努力を売り物にすることはいい加減に辞めるべきです。

俺、地方の産業と協業を始めましたよ。知り合いが不幸になるのは耐えられないから。

 

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