サラリーマンのふり

ハラスメントへの対処

会社ではパワハラが話題になるし、プライベートではセクハラが話題になっていますよね。

日本企業の場合、ハラスメントが起きる環境にあると思います。

それはちょっと前まで日本企業って「まるで家庭」のような処遇をしていたからです。

会社に勤めている人同士で小旅行に行ったり、屋形船に乗ったり、運動会したりしていましたよね。
そして上役という「お父さん」は部下という「子供」を叱咤激励していました。
若いうちにがんばると、やがて子会社の役員になれるなどのご褒美が用意されたりもしていました。
濃密な人間関係の中で、無難に過ごせば幸せになれることについて、誰も疑問には思っていませんでした。

今、こういう年功序列の濃密な会社の人間関係を振り返ると、「給料で生活は保証されている」ということと「会社の栄枯盛衰はあまりなく、転職しなくてもいい」というふたつの大事な要素があったからだと思います。

現代は、企業のいい時はせいぜい10年から20年と言われ、年功序列はもう無理だと天下のトヨタ自動車の社長も明言し、若者の給料は買いたたき、中高年は早くクビを切る時代です。
給料で生活も安定も保証されていないにもかかわらず、「石の上にも三年」論理的ではない古い価値観がまだ日本を漂っています。

こういう時代に、過去の濃密な人間関係を暗黙の前提とした叱咤激励をやっていればパワハラとされるのが当然です。
そしてコロナ騒ぎで営業の仕方も明らかにかわりつつあります。
いわゆる「御用聞き営業」と呼ばれる、お客のところに定期的に出かけて雑談して接待して案件をもらうなんていうスタイルは無力になりつつあるのではないでしょうか。
にもかかわらず、深く考えていない「営業部長」などは自分の青春時代をかけた「俺の営業スタイル」に固執し、たいしてうまくもいかないのに、それを教えることがいつしかパワハラと称されるようになる。。。

会社の中で、誰も求めていない技能の伝達をしようとすること自体、もう必要ないのです。
パワハラと言われるくらいなら、なにも教えずににこやかに過ごすべきなのではないでしょうか。
セクハラと言われないように、業務以外の話や動作をするべきではないのではないでしょうか。
従業員のくせに会社の業務効率を語るマタハラっていったい何様のつもりなのでしょうか。

多くの年配のサラリーマンが昔の濃密な家族のような会社の雰囲気をひきづっているように思います。

そしてちょっとしたことでラクな被害者を演じる若者が大量にいることも忘れちゃいけない。
知り合いが精神科医のクリニックに勤めていますが、若い男性はうつ病の診断書を欲しがるそうです。
それをもらえれば、働かずに給料がもらえる、と。

詐病ではなくても、職場の人間関係で悩んでいる人は多いですが、ほとんどの人が仕事そっちのけで悩んでいます。
ところが仕事だけを熱心にすると人間関係って改善することが多いのです。

また実は人間関係が濃密な人ほど影でボロカスに言われています。
会社の人間関係は親しいほど悪化します。お互いがかかわりあいになりすぎているのです。
社内で誰と誰がつきあっているとか、誰が昇進しそうだなんて、どーでもいいじゃないですか。
お昼のワイドショーネタを会社の人間関係に求めていても、いいことは、なにひとつ、なにひとつ、ありません。

今は会社にプライベートを求めていない人はたくさんいます。
派遣の女性が社員といろいろとトラブルになって職場を去っていくという残念な出来事はたくさん見てきました。
いくら美人だからといっても業務には関係なく、結局、派遣の人が去っていくって残念なことです。
しかし、それすらもかかわるべきじゃないと私は思います。社会で正義をふりかざしたところで無意味です。

今のサラリーマンとしては、メリットがほとんどない人間関係に固執するより、明確なアウトプットで語ることを目指したほうがいいと思います。
仕事そっちのけで人間関係が大事だというのは、一種の洗脳に自らはまっています。

マスコミには一切、出ませんが、日本企業のカイゼン不能な行き詰まりがどんどん進んでいるように感じます。

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