サラリーマンのふり

IT業界に第三の波が来るだろう

このブログをだらだら書き続けてきて、おつきあいいただいている方にあらためて感謝します。

何人かの人に言われることは「高尾さんの予想って3,4年後だよね」と言われてきました。

ここ数年、IT業界は矛盾に満ちていると思っていました。

ひとつはプログラマーが日本では最下層に位置づけられていて、多くのベンダーが買い叩く業界図です。

もうひとつは、今のIT業界やIT部門はiPadのようなAppleの製品、IOTのような組込み機器の世界などろくすっぽ知らない経験もないことはあきらかなのに、さも知っているかのようなフリをいつもすることです。

もうひとつは、クラウド、クラウドといいながらお客にサーバールームをもたせ「プライベートクラウド」という怪しげな言葉でオンプレミス(買い取りシステム)を推奨してきたことです。

こういうことがなぜ起きていてどうなるか、私のような人間より日経の記者のほうがよく知っていて、整理された形で書いていることを発見しました。

もっぱら木村岳史という方ですが、この方、若いころからすぱっと趣旨のはっきりした記事を書く記者です。
昔は「バカだな」と思う記事が見受けられたのですが、経験をお積みになり、的確な記事を書いておられるように私は感じます。

もちろんご本人が「極限暴論」とおっしゃっているので、まだまだ業界主流の考えではないでしょう。

が、残りのディスカッションのためにいくつかの記事をリストします。
(どれも日経ITパスポートの登録が必要ですが、無料ですので登録してもよいのではないでしょうか)

プログラミングの価値について

システムの”内製”は絶対必要、素人のIT部門への丸投げ厳禁です

SIビジネス崩壊前夜、下請けベンダーはSIerの寝首をかけ!

今の業界の閉塞と矛盾について

IT部門システム子会社、SIer..「オーバーヘッダーズ」が起業を滅ぼす

ITをわからない社長を放置状態にしたのは、あなたでしょ!

「世界に誇るカイゼン」は錯覚、日本企業はデジタル化で滅亡するぞ!

IOTなどの業界のパラダイム・シフトについて

SIerの余命は5年、オオカミは本当にやってくる

SIザウルス滅亡近し、巨大化し無能になるITベンダーの末路

システムは再び内製化へ、担い手はIT部門?冗談でしょ!

これらは日々、この業界を眺めていて私の知っていること以上に深く事例が示されています。

まだはっきりとは「これ」と見えませんが、クラウドなどを中心にIOTや3Dプリンターを駆使する人々が、徐々にいわゆるIT部門とは違う形で業界を構成します。

今、IT業界で知られている会社ではない会社が伸びるでしょう。

なぜならば、Windows, Linuxの世界はハードウェアは徹底的に隠蔽され標準化されたため、ハードウェアに関する知識をもった人間はIT業界に皆無に近いです。

たまたま私はIBMでOSをやっていて、ハードウェアの動き、設計を知る機会があったことと、自分も好きで作っているから知っているだけです。
残念ながら同様の知識を持っている人に、今のIT業界で会うことはほとんどありません。
某外資系ERP会社もIOTと言いながら、人材は皆無であることを冷たく見ている私。

ジャンルが違うのです。

今の新しいITを担う人々の動きは、20年前に「オープン」という言葉を旗にOracle+Sun Micro Systems+Windows PCでメインフレームを駆逐していった動きにきわめて似ています。

20年前はまだ、通信技術が発達していなかったため、知識が抱え込まれていました。
しかし、今回の波は違います。
おそらくIT部門も今の「SIザウルス」もついていけないでしょう。

「お客のほうが知っている」状況が続出します。
なぜならばそれが業務となるからです。

Windowsが出た時にSI業界は「おもちゃ」と言ったことを私はよく覚えています。
当時勤めていたIBM社内でもそう思われていました。
だから、今のPCの基本であるIBM PCについて重要だと認識しなかったのです。端末(端の末!)にしか使えない、と。

Windows NTが出た時もそうでした。
ひどいものでしたが、Windowsというわかりやすいインターフェースが幸いして、成長することができました。

革命はいつも、ビジネスの最前線、IT業界でいう「エンドユーザー」からやってきます。
ERPが売れたのも唯一、エンドユーザーに売ったからでした。

お客さんのIT部門だけがビジネスの相手だと思ったら、大間違いであることは歴史が実証しています。

そして大企業の偉いさんほど過去の延長でしか、モノを考えられないのです。
それはそうしないと他のステークホルダーを説得できないから仕方ないのかもしれません。
しかし、全員が「うまくいく」というものは絶対にうまくいかないのです。

言い換えると木村氏の指摘はとても大きな波であり、ビジネスチャンスがあるということになるのです。

矛盾は常にお金儲けのチャンスですから。

 

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