「出世する部長の仕事」という本がある。3万部も売れているそうです。
こんな本が売れるのか、どこまでもバカだな、と思います。
マネージャーの方法論って、人の種類だけあります。マネージメント論はあらためてこういう本を読まずとも、心ある人は部下のために深く考えたことがあるでしょう。
会社によっても「部長」の位置づけはまったく違います。大昔、転職の面接で「部長ならできます」と言った馬鹿者がいるらしいが、それと同じくらい愚かなくくりです。
断っておきますが本をバカにしているのではないです。
書いた人は教育されていない「野良課長」「野良部長」が闊歩している昨今を心配して書いたのだと思いたいです。
管理職になったら、「えらくなった」としか考えておらず、なにが義務かまるでわかっていないバカサラリーマン多すぎますからね。
が、タイトルに惹かれて買う読者は愚か者だと思っています。この本のサブタイトルに「役員になる人は知っておきたい」と(おそらく)出版社がつけてるからね。
amazonの書評を読んでも、「こんなことを書く部長がいる会社は大丈夫か?」と思ってしまいます。会社というものがわかってない。おまえら、よくそれでやってるな。
いつも言っているけれど、現代の資本主義において企業と社員の関係はとてもドライになりました。
給与とボーナスで1年ごとに支払いは終わるのです。
その証拠にある日突然、あなたの出世をさまたげる中途採用の部長、事業部長、役員ってありえますよね。
自分がなにか会社に貸しを作っているから出世(この言葉がバカなんだけれど、昇進でしょ)すると思っているサラリーマンはなにもわかっていない人です。
そもそも企業の人事部というところが、現場の社員より企業というものを理解していないから完全なミスリードをしてしまっているのが、普通です。
ビジネスモデル上、崩壊の危機、崩壊した企業を観てみればわかります。ソニー、シャープ、サンヨー、東芝、そごう、ダイエー、山一證券。
すべて「出世したできる人」連中が会社を潰していますよね。
なぜあんなことになるのか、昇進=優秀な人であることを信じているならば、この現象を説明していただきましょうか。
サラリーマンは単なる雇われ人で自社のビジネスモデルなんて考えに至っている人はほとんどいません。言葉巧みに取り繕っていますが、目先のことしか考えない、やらない。
じゃぁ、時代に応じたイノベーションはどういう会社で起きるか。
ユニクロ(ファーストリテイリング)、ソフトバンク。富士フイルムのような独裁に近い人間がひっぱっている会社です。現状を否定するようなことをやるからです。
部長や課長がいうことを無視して行動するからです。これが本当の改革だし、経営者のやることです。
サラリーマンの若者に予算を割り当てて、成果を期待するというような愚かな行為やすべてを肯定してなにかトッピングすることが改革ではありません。サラリーマンには現状を否定するようなビジネスの改革する能力もないですし、求めすぎです。
確かにたくさんの人がいれば安心できます。よもや潰れるなんて思いません。
「寄らば大樹の陰」は人間の心理です。
自分の世代で先程あげた倒産企業にならなければ幸いです。
でも、あなたはいつかはその集団を離れるのです。
定年っていう制度がありますからね。
賢い人はそれを見越して自分で人生を設計するのです。
企業は自分で作れるのですから。
そして、企業のオーナーは資本主義の頂点です。
そこに立ってすべての仕事を理解した時、資本主義社会の本当の姿をあなたは目にするでしょう。
ところで海外資産1億1千万円(100万ドル)以上もっている日本人が212万人もいるそうです。
どこで違いが出たのでしょうね?