「オントップ」っていう意味不明な言葉があります。
単体だと、「一人者」くらいの意味でしょうけど、「トッピング」と同じように使われることもあります。
今はクラウドサービスという名称で、Amazon, Googleを先頭にしてデータセンターからサービスを提供するということが、ようやく陽の目を見ています。
しかし、同様の試みは2000年代から成されはじめました。
そのころはASP(Application Service Provider)といいました。
当時NTTコムにいたころに「ホスティングサービス」を作って売ることになりました。
いや、作ることを任務として入社したといったほうが正確です。
結構、あちこちで経験を積んだ優秀なエンジニアが集まり「業務システムで普通に要求される構成を予め作って売ろう」ということになりました。
具体的には、FireWall, Load Balancer、Serverとインターネット回線を構成してセットで出すのです。
こうすると、インフラについてよくしらないサービス提供業者はアプリケーションだけに集中していればいいことになります。
ASP業者向けということです。
いろいろな仕掛け(リバースプロキシーや運用システム)が必要でしたが、完成し、売り始めました。
NTTコムの人は回線以外売ったことがない時代でしたから、いろんなことが起きましたが。
世帯が100人程度と小さかったため、技術とマーケティングと営業の間のフィードバックがすさまじく早く、
かなり売りやすい形に一年足らずでなりました。
そのうち、オントップでVPNやら、メールサービスやらをくっつける話もできたり。
ビジネスユーザーには評価されたし、そこそこの変更にも応じた愛想の良さもあって、用意したラックは埋まっていきました。
しかし、大手のアウトソーシング業者には完全に競争相手として叩かれました。
IBMとかには、商談に行ったら彼らにもできていないことでボロクソいわれたな。
このサービスは、当時でオンデマンドホスティングをやっていました。
そのころはVMWareも世の中の信頼をそれほど得ていない時代でしたが、大量のサーバーをもっていると数台は富山の薬売り的においてもいいよ、と当時のサン・マイクロシステムズ社が言ってくれたのでした。
つまりオンデマンドを技術ではなくファイナンスの問題として解決したのは非常に興味深いことでした。
後に、この意味がわからないNTTコム社員が廃止にしやがりましたが、
今はVMWareを使って「仮想サーバー」とか売っているので笑えます。
その後、紆余曲折を経て今のNTTコムのビズホスティングとして続いています。
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この話でお気づきでしょうけれど、売り物、マーケ、営業を一貫してコントロールできれば素早く、顧客をつかみやすいビジネスシステムを作ることができます。
逆にいうと、サラリーマンの縄張り意識を保持したままでは新しい事業はできないってことだし、パーツだけを知っていても事業にはならないってことです。
しばしば「足りない能力は雇えばいい、買えばいい」といいますが、それは嘘です。
雇われた人、買ってきたサービスはそこまで真剣に考えないし、なによりリスクを取れません。
コアの部分はなんとしてでも自分達で作り出すしかないのです。