英語

まだ英語を英米人に習うのが最強と思っている人へ

今朝の日経新聞に出ていた本の広告が「帰国子女に見る世界に通用する英語力の作り方」

朝から黒い笑いをしてしまった。

この本を読もうと思う方に3つの事実をお知らせしたい。

1. 知能以上の言葉は出ない
あなたは「ルイスの一般式」を知っているだろうか?岩など固い固体を粉砕する時に使われる。
知らないと思う。私も知らないですよ。知っていないと土木事業の現場では会話にならないだろうな。

このように専門知識や考え方が訓練されていないと「会話にならない」ことはいくらでもありますわね。英語を知っているから英語で専門の分野について会話できるかというと、そうはならないのは自明のことでしょ。

ところが多くの人は帰国子女くらい英語ができたら、英語でどんな難しいことでも会話ができると思い込むらしい。

英語「だけ」ではご飯は食べられません。
実際に英語が得意な日本のホームレスの方すらおられます。
英語なんてアメリカにいけば、アメリカのホームレスの方もお話になられているのです。

英語と知性はまったく無関係です。

?英語だけで世の中を渡ろうとすると、「あなたのアイデンティティはなに?」という深刻な問題にぶちあたります。この間、こきおろした「グローバルエリート」です。
英語圏では「バナナ(外側は黄色だが、中身は白)」とバカにされています。

次です。

2. 英語ユーザーの70%以上はネイティブではない
私の造語(だと思う)だけど、英語って「ブリッジランゲージ(橋語)」母国語がなんであれ、英語を知っていれば会話ができる。言語としては簡単な部類なことも、これだけ広まった一因だと思う。
じゃぁ、この英語ワールドで英米人の英語は標準であるかというと、体感的にここ数年違って来ていると思う。

日本英語で有名な”I wish I were a bird(私が鳥であったらな)”なんて誰も使わない。仮定法は抜本的に変わりつつあるというのが実感。要するに、日本人が論理的に難しいと思うものは他国人にも難しいのよ。(と、イギリス人のネーティブが言っていた)

一方で英語ユーザーの多くが使う英米語じゃないスラングがインターネットでは広まりつつある。もっぱら書き言葉ですね。ty(Thank You)とか。

この点からもうひとつ。

3. 発音はあまり関係ない
発音は関係ないってこと。いまだに私はインド人の英語はわからんです。早くて巻き舌。
アメリカ英語を聞き慣れているせいもあって、イギリス英語が聴きにくいと感じることもあります。(だからといって、BBCはBBC語といわれ、普通のイギリス人の話す英語でもないのよ)

英語が不得意な日本人女子の英語もわからんです。遅くて巻き舌。リズムがないと聞く方はツライ。普通に日本方言のほうがわかりやすい。

LとRがぁ、とか騒いでいる人がよくいますが実用上困らないです。確かに違いますが、
日本語にないというのは嘘です。

日本語のラ行はすべてRです。じゃぁ、Lは?
一部ではとても有名な話ですが、“Lux Super Rich”と言ってみてください。はい、LとRの違いは終了。

VとBがぁ、とか騒いでいる人もいますが、日本語にこの違いがないことは、よく知られています。音の長短です。破裂音とかいいますが、それって人によるじゃん。バカみたい。

野球でbase(塁)の話をしている時にvase(花瓶)の話をするバカはいません。文脈というものがあります。
発音がおかしいと笑われるなんていうのは大嘘
もしくはかなり教養のないど田舎で外人に会ったことのないネーティブです。

アメリカのカンサスのど真ん中に行けば、イギリス人の英語も通じないだろう、とはアメリカでよく言われていることですわ。

むしろ、白人の前に出たらテンパって、せめて発音でもと思うのか、巻き舌の英語を話し始める習慣をあらためたほうがいいと思います。

 

逆に絶対に大事なことは、語順とイントネーション(強弱)です。このふたつについて脱線すると通じません。それに比べたら発音なんてどーでもいい。
日本人の英語に慣れない人のイントネーションは高低ですが、英語は強弱です。
豆知識ですが、「のどから声を出す」つもりでやるとうまくいきます。

日本語は助詞をつけたらどんな語順でも通じますが、だからといって前置詞をつけても、英語は語順が正しくないと通じません。

いかに五文型が大事か、ということです。五文型の箱にしかるべき単語、イディオムを入れて発射することで英語になるのです。

英語を使えるようになるために越えなきゃいけないひとつの壁が白人と話せるか、同じレベルの日本人とヘーキで会話できるか、です。心理的壁って以外に高いですよ。

あと、むやみに笑うのもやめれ
日本人て英語で言いよどむとなぜ笑うのか?
あなた以外おかしいと感じる人はいないのです。あれ、すごくイメージ悪いので、LとRの違いよりもよほど気をつけたほうがいいと思います。

帰国子女が偉い、やら、ネーティブ信仰(オーストラリアもネーティブだけどさぁ。。。)やら、語学留学という遊び、やらはやめて、英語についての考え方を変えたらもっとラクに英語は使えるようになるのにな、と思います。

なんせ、高校時代は英語の劣等生だった俺がいっているのです。
はっきり言って英文法で欠点をつけた高校の教師に英語を習ったとは思ってません。
あいつら英語で生徒をいじめることで給料もらってた変態のクズだったな。

そもそも語学って覚えるものじゃないです。
いや、確かにスタート時の中学校英語は単語やイディオムや基礎的な文法を覚えなきゃいけないですよ。

でも、記憶から考えて出力していたら会話にならないですよ。

しばしば「頭の中で言いたい日本語を英語になおして発言する」とか言っている大うそつきがいます。
もし本気で言っているのであれば、絶対にそいつは英語の会話は成立していない。

日本語を介在させてはいけないのです。そんな時間は読んでいても、聞いていても話していても、ない!
せいぜい書くときには、構想は母国語である日本語から始まりますね。それだけ。

自動車の運転と同じで、最初は意識して車を操作していますが、だんだん小脳にまかせていくことを「慣れた」といいますよね。
語学もそうです。

英語を学ぶとは自分の中に英語を話す自分を育てることです。

単語を忘れたといって嘆く必要はなく、また触れればいいのです。

それに気付くまで私もずいぶん「英語学習」に時間を無駄に使いました。

別に海外にいかなくても、今はすごくいい英語教材がネットに溢れかえってるし、SKYPEでフィリピンの美人と英会話レッスンもできるようです。そうやって「外国人としての英語」を身につけてましょう!
大人は忙しいですから。

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