サラリーマンのふり

二回の職業生活

ちきりん、という方をご存知ですかね?
人気ブロガーでしたが、気付いたら文筆業をやられているようで。
その方の最近の本が、これ

 

年金がアテにならないってことは、長い間、現役であるということだし、引退っていってもどうするの?という若い人だけではなく、職業もっている人が一度は考えてみることがテーマの本です。

読んでいて、いろいろ考えさせられました。

最近の人達は、昔の人と違って身軽であり続けなければならないこと。
ともすれば、年配の人は結婚して子供を作って家庭をもつのが幸せなんて思ってますが、それは単なるリスクの増大であること。
働く条件次第では、当然、日本以外で暮らすことも普通になること。
(すでにアジア圏で仕事を見つけている日本人はたくさんいる)

現役期間が長いことと、終身雇用(もはや死語か?)なんてあり得ないことを考えると、40歳代転職(仕事を変える)ことを意識したライフデザインになるであろうと、当然出てくる発想ではないでしょうか?

こういう話を考えると必ず思うことがあります。

変わらないことのリスク」

役所も薬害訴訟などで「不作為の責任」を問われるようになってますよね。
ましてや、民間人はこのリスクを取らねばなりません。
モノを考えない人は「安定している」という言葉が大好きです。
どこかの大企業で社員であれば「安定している」

それはたった今しか見ていいないからです。

山一証券も消え、ダイエーも消え、リーマンブラザースも消え、サンヨーも消え、シャープも左前で、パナソニックも左前、ソニーは瞬間黒字だけどもってるものを全部、質屋に差し出しただけの見せかけの黒字。NECの明日もわからない。

社内では血で血を洗う派閥争いが繰り広げられているようです。赤字の大企業は外に向かってリスクを取ってなんとかしようとするより、そんな怖い変化よりも、よく知っている社内での食い合いのほうが簡単に見えるのです。
こういうのを「ラクダが首を砂漠に突っ込む」といいます。ラクダは目の前に危機が迫ると砂漠の中に首をつっこむそうです。

ちょっと前までは企業の寿命は50年とも言っていたのが、30年になり、20年になりつつある。つまり「安定した会社に長く勤める」というのはすでに幻想ということです。

自分自身の経験ですが、就職する時にコンピューター分野(まだ、ITという言葉もなかった)は伸びるだろう、と言われていました。
IBMなんて会社は普通の人は知らなかったですよ。それがたった30年で、業界全体が3Kなどと呼ばれるイケてない業界になってしまうのです。こんなはずじゃなかった(苦笑)
まがりなりにもプロになったので、まだ、未来のある分野は見つけられるけど、ニッチです。

最近、そろそろ家人が就活の時期を迎えるのでインターンシップとかの書類が家に来ます。ほとんどの会社を私は「やめておけ」といい、家内の非難を浴びています。くぅ。
理由は単純です。もう今が頂点であろう企業に勤めても意味がないからです。
学生の希望企業ランキングは、あまりにも近視眼的です。

エクセレントカンパニーなんていうボストンコンサルティングがぶちあげた大嘘を信じてもユートピアはありません。
企業の業績がなぜいいか、という本は古来、山のように出ていますが、将来に渡る繁栄はしていません。先にあげた企業すべてについて「すばらしい企業だ」という本が出ているのに、サラリーマンは悲しいくらいに何十回も騙されます。
むしろ、今は調子悪くても、三菱重工や日立造船のような重厚長大産業のほうが、金融資本主義が崩壊しつつある今、金融機関に勤めるよりはるかにいいと思っています。

おそらく多くの人は企業が求めるまま、「キャリアプラン」というと仕事を覚えて、管理職になれるように頑張ります、なんだろうけど、内心はこういうことを考えたほうがいいのではないでしょうか?

1. 社会常識を覚えるために企業にいく
2. 業界常識を覚えるために企業にいく
3. 日本にいること前提だとしんどいので、英語の勉強はする
4. 仕事じゃなく、事業を理解できるように仕事する(一見、意欲的に見えますし)
5. 野心は人には話さない
6. 家とか結婚とか不動産みたいなものは持たない
7. 日本文化のなにかを趣味とする
8. 起業できそうなら考える。無理そうなら海外で働くことをいとわない

思いつくままに、よかれと思って書いています。異論は多いにあるでしょうし、そのようにいろいろ考えていただければ幸いです。

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