学生のころまでは、いや、社会人になっても、優秀な人こそがいい思いをする、と思っている人は多いのではないでしょうか?
確かに若いころの俺は、そう思っていました。が、今は違います。断言する。
世の中はバカほど得をするようにできている
理由は、シンプル。社会には理解度テストがないから。
こういう会話がITの世界では、しょっちゅう起きます。Aはパートナー会社エンジニア、Bはベンダーエンジニア。
A「すいません。御社の製品使ってるんですけど、CPU(使用率)が100%なんですよ。」
B「どのプログラムが消費しているか調べました?」
A「御社の製品がCPU使ってます」
B「負荷がかかってますか?」
A「大量にログインして使ってます」
B「CPU使うんじゃないですか?」
A「だって、100%って悪いんじゃないんですか?どうして100%になるんですか。なるんなら、マニュアルに100%になることがある、って書いておくべきじゃないんですか。」
これで、Aはエンジニアと名刺には書いてあります。
なにをもってエンジニアというのか、なにもテストはありません。だから、MicroSoft Wordに日本語で字を入力できたら、あなたもエンジニアと名刺に刷っても問題ないでしょう。
以前、電車の中で「私はATOKを使えるから、優秀な派遣だ。あんた、キャキュキョを入れられる?」と、長い爪を丹念に飾りつけた女性が叫んでいたのを見たことがあります。
話しを戻して、上の問答がヘンに要約されると、「Bは質問に質問で返すばかりで、ガイドしてくれない」と報告されます。そうすると、警察への届出と一緒で、先に被害届を出したAが有利になるのです。
さらにAの上司が出てくるとすると、間違いなくAよりも技術(現場)がわかっていませんから、主題については理解できません。もっぱら、態度とか仕事の範囲を自分達の有利になるように話しが展開されていくようになります。そういうヒューマンスキルだけで生き抜いてきた小ズルさが顔に浮かんでいます。
お客に正面から、「言葉はいいから、知ってる技術者連れてこい」と言われると、どうしようもなくなる人種ですね。
あ、断っておきますが、上は例です。単なる例。でも、あなたの周囲でも、似たようなことはよく起きていませんか?そうやって、スキル不足、技術不足という肝心な点がうやむやにされていきます。
問題はベンダー側のBが解決し、Aはあたかも自分が解決したかのようにお客さんに伝達します。
コピペの作業をするだけでAさんはまったく実力ないけど、エンジニアとして実力以上の給料が今月もつつがなく、もらえるのです。
これを先ほど書いたように、世の中はバカほど得をすると言っているのです。
同様のことはよくあります。
技術を間違って理解している人が打ち合わせに参加してトンチンカンなことを発言していても、周囲がやんわり修正し、本人は密かに気づきます。これもバカが得をする場面です。
こういうこと多いじゃないですか。社会には試験というものがないので十分理解していない人を問題視するより、周囲が優しくフォローすることで無難にすごす。
IT業界の常識ですが、メインの契約を結んでいるシステムインテグレーターで売り物のプログラムを書ける人はほとんどいません。プログラマーよりも仕切れる人のほうが給料が高い。
いつも言うようにスキルに金が払われる時代じゃないです。きっと日本中でアマチュアレベルのスキルで、プロとして働いている人はいるのだと思います。
理由はプロとしての給料をみんな払わなくなったから、アマチュアが入り込んできている。
そんな現状、あなたの周囲にもありませんか?