木村岳史さんのおっしゃる「IT棄民」

俺がITで学んだこと

いつもの「木村岳史の極限暴論」を読んでいて、「IT棄民」と書いてある。

てっきり技術についていけないSIerかと思ったら、もっとマグニチュードのでかい話であった。

コンピューターを省力化としてのみ評価している企業のことだ。

典型的な例がオフコン(オフィスコンピュータ)のユーザー。

1980-2000年代まで企業の事務所の作業効率化のために小型コンピュータは大量に作られた。
昔いたIBMでいえば、AS/400シリーズ。
テクノロジーとしてはすごくて、ディスク、メモリーの区別がなくすべてを仮想領域とみなす、とかRPGという簡易言語でいろんなレポートが作れるとか、いろいろ便利だった。
開発言語はCOBOLが主流。

国産のコンピュータメーカーである富士通、NEC、日立、はたまたリコーなどもオフコンを作っていた。

そして安く、扱いやすいため、多数の地方にある印刷屋、コピー機屋とか物流会社が代理店として売りまくった。
私の同期のオフコン担当はCOBOLが書けるだけで「システムエンジニア」と名乗っていたな。

しかしながら、業務アプリケーションパッケージを使うことはあまりなかったようだ。
日本人特有の(他社事情なんぞ知らんくせに)「ウチの会社の業務は特殊で一般的なパッケージが合うわけがない」と主張し、手作業、紙ベース業務をそのままシステム化したシステムを開発させることが主流だった。(ほんとうは無駄だらけのロクでもない仕事のフローなのである)

その証拠にインターネット時代になり、税理士先生とクラウドで会計パッケージを共有する便利さとやすさからオフコンはどんどん廃れていった。

同じようなシステムはウィンドウズサーバーで作ったものもあるだろう。
低スキルのベンダーに騙されて、従業員が10人程度しかいないのにエクスチェンジサーバーを立ち上げて、しょっちゅうトラブっているアホな企業なんぞ、首都圏でもたくさんいる。

ここまでは知っていたが、いまだに業務で使われているというのは驚き以外のなにものでもない。
おそらく帳票印刷機と化しているのではなかろうか。

中小企業ってほとんどの場合、比較的若いパソコンをいじるのがちょっと好きというド素人を「おお、おまえパソコンができるのか」とパソコンがいじれれば相手がエクスチェンジだろうがオフコンだろうがインターネットだろうがなんでもできると勘違いして、ほとんど無料でシステム管理させていることが多い。

今の50歳代の人以降は社会人になった時点でパソコンが存在していたわけで「ITがわからない」というのはビジネスマンとしては怠慢以外のなにものでもないと思う。
(確かに80年代は私らITオタクの産物だったが、いまやマッキンゼーやBCGやアクセンチュアなどは昔からパソコンに詳しかったような顔をしている。学習時間は十分にあったということだ)

経営者がITに無知であると、ろくなことにはならない。
以前書いたように私のような専門家でも業者を雇うと問題が起きる。

素人が田舎の業者に騙されてへんなものを買ってしまったり、コンピュータ導入で減った人件費の恩恵の元手が無料だと思っているおめでたさから脱却できないのではなかろうか。

質に注目しなければ理解できないビッグデータもIOTも実現のしようがないだろう。
消費者はどんどんスマホでITの最新技術を享受しているが、彼らが働く先は旧態依然として将来などないシステムばかりだ。

木村氏はそういう会社を「IT棄民」と言っているのである。

今日は困らない、でも放っておくとどんどん世界水準と差が開いてどうしようもなくなる。

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