人間はなにごとにも意味を見つけたがる本能がある。
たとえば下の図
描かれていない正三角形が見えますよね。
これが人間の本能です。
もうひとつ例をあげましょうか。
なんでも顔に見えてくる。
同じことはイメージの世界でも繰り広げられます。
幕末の坂本龍馬の大活躍もそうです。司馬遼太郎という小説家があまりに描写がうまかったものだから、史実だと信じ込んでしまった人がたくさんいます。
もっとも大きな誤解は坂本龍馬の活動が世の中を動かした、という考え方です。古い歴史ほど誤解を産みます。歴史上の有名人がなぜそのように世の中を動かしたように見えるかというと、事実は逆で当時の有名人が作り出したと思われているだけです。長い年月の間にノイズは落ちて、シグナルだけ残るのです。
現在私達は平成7年という時を生きています。アメリカにはポピュリズムが蔓延してしまい、ドナルド・トランプという1980年代の考えをもった化石みたいな老人が大統領となりました。彼が世界中に関税を付加することで取引相手に喧嘩を売りまくったせいで、日本も対応が必要となりました。日本の首相は石破茂氏です。彼の在任中やったことはトランプ関税への対応だけだったといえるでしょう。これはトランプが名指ししたわけでも、石破氏が希望したわけでもありません。めぐり合わせです。しかし後世においてはいろんな理由付けがされると思います。
世界は私達が見ているとおり、権力者といえども運命という波に流されていくのです。
そういう中であいかわらずロシアとウクライナは戦争をし、イスラエルはパレスチナ人を虐殺しています。世界はさまざまな事件というノイズが多く発生していて、意図しているシグナルは伝わりにくいのです。
これは世論、国家をひとつの方向にもっていくことがいかに難しいかを示しています。権力者ですら思いどおりにできません。数少ない成功例を見ると、ほとんどが宗教による集団ヒステリーを利用しています。共産党だって宗教だし、ナチスだって宗教。テロを起こすのも宗教です。神が決めたから信じろ、ということにしてノイズを封じるのです。
ノイズだらけの様々な考えをもった人々が話し合いにより、ひとつの方向に動かしていくことは至難の業です。








