暗号は作る側と解読する側の間の戦いである。
現在は作る側が勝利している。具体的には現代のインターネットのセキュリティを支えているRSA。
これは十分に大きい素数同士の演算、たとえば掛け算をした場合、元の素数を逆に見つけることが困難であることを利用している。
ところがふたつの技術がこの原理をくつがえそうとしている。
ひとつは数学の研究の発展だ。通俗記事と言われても手っ取り早く理解するためにこの記事は有効だと思う。素数の出現はランダムだといわれていたが、法則性が見つかってきている。つまり素数の総当たりが可能となりつつある。
もうひとつは量子コンピュータだ。RSAは「スーパーコンピューターで計算しても数兆年かかる」といっているが、解読するための演算をアルゴリズムどおりやることが前提となっている。
しかし量子コンピューターは一度に計算する量が多く、かつ早い。(富士通の量子コンピュータ解説記事。具体的でわかりやすい。こういう記事が無料で、日経がもっと雑な記事でカネ取ろうとしているのが今のインターネットのおかしな点だと思う)
どれくらいで実用化されるかはわからないけれども、2030年ごろではなかろうか。
注意してほしいことは、すべての暗号が解読可能となるという意味ではない。計算量が莫大だとされていた暗号方式が破られるということだ。それでも暗号通貨の多くは壊滅的な被害を被るだろう。
そうなった時、インターネットに繋がったデバイスに保管してあるあなたのヤバい情報は漏洩する可能性は高い。GoogleやMaicrosoftはベストエフォートでサービスを提供している以上、ユーザーは文句を言えない。