起業

ようやく世界株安

日経平均が過去最高の暴落となりました。
このブログでも断片的にヤバいんじゃないかと書いており、facebookでは去年書きましたが、私はアメリカ株、投資信託は全部売り、日経平均225の投資信託をチマチマ買っておいたくらいです。おどろくことに、これ、まだ黒字なんだ

それはともかく今回の暴落が生まれて始めての体験の人に、私が1990年代バブルのころに体験した感覚をお伝えしておきます。
猫も杓子もNISAだ株だと言い、中身もわからず買う人が続出している時はバブルです。
最近、そんな感じでしたよね。次回の暴落の時も同じ現象が起きます。誰かが「今回は違う」という発言には耳を貸さないでください。たいてい売買を増やしたい証券会社の回し者です。

今回の暴落で私も学んだことがあります。
株価は政府の正式発表でなければ動かないということです。しばしば「市場効率仮説」が唱えられ、「市場に影響する情報はたちどころに株価に反映される。したがって特別な情報などない」と言いますが、それは嘘だということがわかりました。
もうここ一年、アメリカの内需の70%を占める消費者は疲弊していました。景気がじんわり悪いのでサンフランシスコのショッピングモールはシャッター街。働いていた正社員はクビになります。仕方がないのでパートで就労します。南米のベネズエラが政情不安で大量の移民がアメリカに流れこんでいます。彼らもパートや不法就労します。だから、労働統計上、失業率は低く見えているだけでした。
カードローンの滞納率はあがり、ファーストフードさえ贅沢品になりました。だからマクドナルドは$5マックパッケージを売り出したのです。
にもかかわらず「アメリカの景気に不安感が出てきた」というのが今頃新聞で報道されている論調です。もうすでに十分に悪いのです。
情報はあっても即座に株価には反映されないということがわかりました。

アメリカの不景気の理由はこれも報道されませんが、中国のバブル崩壊です。中国はハコモノ行政を長く続けてきました。中央政府はそれで地方政府を評価していましたから必要があろうがなかろうが、大量にハコモノを作り続けてきたのです。需要のないハコモノに投資していても、当然、いつかは資金回収しないといけません。できずに崩壊したのは昨年で、私の好きな深センなんて見る影もありません。

もうひとつ、あやふやですが重大な観点があります。ドル本位性の崩壊ではないかと一部では囁かれています。ブレトンウッズ体制でドルが基軸通貨となり、アメリカはいくらでもお金を作り出す権利をもちました。お金を作り出す方法で最大のものは「信用創造」です。銀行がお金を貸す時に誰かのカネを貸すわけじゃありません。通帳に金額を書き込んだものを渡せば、お金は創造されます。それを一般企業は資本とし、ビジネスをして利益を出し、その利益で返していくわけです。しかしいつまでもそれを続けることが面倒になると、別の会社を作って資本を銀行に出させ、そのカネで借金を返してしまうという方法はよく取られます。そうやってドルはどんどん作り出されてきました。しかし溢れかえったドルはいつか逆流します。それは今回のように不景気になりドルを返済できない時に起きます。あふれかえったドルは裏付けがないため銀行を襲います。実際、今、アメリカでは数百の小規模銀行が倒産しているのです。
私も影響度合いはわかりませんが、注視しておいたほうがいいことです。
なぜならばドルが崩壊すると残る国際通貨はユーロと円しかないのです。誰が中国貨幣を信頼するでしょうか?

ウクライナも大変ですが、イスラエルがガザ地区でジェノサイドしイスラム教徒を大量に殺害したせいで、イランが戦争を宣言したに等しい状況です。過去1000年以上続いたキリスト教とイスラム教の争いが再び起きています。ヨーロッパの人間からしたらたまったもんじゃないでしょう。

このように報道されるよりも世界情勢は悪いのです。
株価はどこまで下がるかわかりませんし、みんなが盲信していたS&P500も下がり続けるはずです。およその話ですが、株価の低迷は1年以上は続きます。

日経平均はアメリカ株式の影響を大きく受けます。
今回の暴落を警備なものと考えないことです。

さらにお金持ちの間で騒ぎになっているものが「円キャリー・トレード」です。これは円の金利が安いので円を借り、ドルに変えてアメリカで運用することをいいます。「それって確実に儲かるのでは?」と思ったあなたは偉い。そのとおりでプロはみーんなこれをやっていました。しかしこのスキームの前提は、円高傾向(ドルを安く買える)であること、円の金利が安いこと、ドルの金利が高いこと、でした。今は悲惨です。円安、円の金利が上がりました、ドルの金利が低下傾向です。したがって円キャリートレードから逃げ遅れた人は大損しています。農林中金、都銀大手、おそらく地銀もわからんままやっていることでしょう。今、必死にドル資産を売却して借金を返そうとしているはずです。

株は手放さないで、じっと持つ。どこまで下がるかはわからないので、しばらく買い控えて様子を見るのが、こういう暴落の時に大事なことだと思います。

(追記:日経平均が戻ったので、こんなブログあてにならんとお考えの人も多いでしょう。これからですよ。株価が本当に暴落するのは)

関連記事

  1. Fire(早期リタイア)する?

  2. 企業の株価の評価

  3. トヨタ自動車と豊田章男氏

  4. Web3.0は単なるバズワード

  5. 市場は物理法則で動く

  6. 株式投資で気になっていること

  7. 極限に至ってる金融取引

  8. 経営における帝国と民主主義