起業

起業のために考えるお金

おっと最近、起業ネタをまったく書いていないぞ。

そういえばこんな記事があるね。日本のGDPがドイツに抜かれ4位転落へ
まだ、日本は優れているとか寝ぼけている人に喝!をいれてもらいたいものだ。
「日本人すごいですね」とかだけ見て、負の部分を正視しないのはダチョウと一緒だ。(ダチョウは危機が迫ると顔を砂に突っ込むそうだ)

5位はインドだから、ぼやぼやしていると抜かれますね。

今の日本経済の立ち位置

たまには経済学士として今の日本の経済状況を書いてみたいと思います。

「インバウンド需要」という言葉を知っている人も多いでしょう。
簡単にいえば外国人が日本に旅行に押し寄せている現象です。
これをマスコミが言うことを鵜呑みにして「日本の文化が」とか「日本のアニメが」とか解釈しちゃダメです。

今の日本は信じられないくらい他国からしたら激安国なのです。

先日、Netflixでアメリカでカードローンから回復する家庭の話を書いていました。ごく普通よりちょっと下くらいの家庭の奥さんが1人で働いて年収は日本円で約2000万円です。ケガをしてもがんばってるアメフト選手も出ていましたが、練習生で週給が1万ドル(日本円で150万円)でした。

比較して、あなたのお給料はいかがですか?

なぜこうなってしまっているのかを私の考え方に従って、少しだけ書きます。
簡単に言えば、日本経済は縮小のサイクルに入っているのです。要因はいくつかありますが、ひとつが稼げる人の減少です。稼いでいれば、ちょっとくらいスタバでフラペチーノ頼んでもいいや、となりますが、貯金、年金で暮らしている人は節約します。

前の日銀総裁だった黒田氏は単純に金利を下げればお金を市中の人が借りるだろう、と考えました。
しかし、今、銀行でカネを借りるのは限られた大企業だけです。
日本の企業の95%は中小企業ですから、まったく関係なかったのです。
しかもよせばいいのに、サラ金に強烈な規制を設けました。

低金利のカネを借りて大企業がやったことは、株の購入です。
日銀も株を買いまくりましたから日本株は実力以上の価格となり、「億り人」なんて人が続出しました。

そういう人は少数派で、大多数の日本人は財布の紐を固く締めています。
消費が少ないということは、企業も売上が悪いのですから給料も大金を払うわけにいきません。給料も下がります。
この繰り返しで、どんどん経済は縮小します。
ネットや新聞で「いろんなものが値上げ」ということに怒っている人が、なにも考えていないことがわかりますね。

不景気の対策としてイギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズという人は「政府が公共投資をすれば、それが呼び水になって景気は上昇する」と唱えました。嘘ではないのですが、日本ではその投資を潰れかけのゾンビ企業にしてしまいました。
ベンチャーや新興企業はリスクが高いからとお金を貸さないで、ダラダラ続いている既存の会社を救済したほうがいいという判断を何十年も続けてしまい、巨額な国の借金を作ってしまったのです。
同時に企業のリフレッシュが行われず、古い企業が非効率なまま残り今に至っています。

国の借金は「未来の国民」に回されますが、肝心の未来の国民は日本では少ないです。借金を返すアテはなくなりました。

この時、借金を返す別の方法があります。
それは思い切りインフレにしてしまうことです。
インフレとは今日、金1グラムが10000円だったものが、明日は20000円になる現象です。つまり通貨の価値が下がります。そうすると政府はやすやすとカネを返せるわけです。

インフレは起こってしまうこともあります。今起きているインフレは世界レベルで起きてしまっていることです。
国がインフレを起こす方法は簡単です。やたらとお札を刷ればいいのです。
実際にアルゼンチンとかジンバブエなどがよくやらかして、通貨の価値がドスンと下がります。実はアメリカドルもそういう意味ではやたらと剃られていますが、全世界がドルで決済をする基軸通貨という地位にあるために、なんとかなっています。愚かな経済学者が「ドルはどれだけ剃っても価値は下がらない」などとほざいていますが、近々くるであろう大型不景気がどうなるか、眺めてみたいものです。

日本政府は戦後すぐにこの禁じ手を使ったことがあります。第二次世界大戦敗戦直後の焼け野原の状態で日本国内には戦時国債という借金しかなく国庫はゼロ。
しかし産業を起こさねば国民が餓死します。そこで鉄と必要なエネルギーの石炭産業を助成するべく、わかっていて大量に日本円を刷りました。できた鉄を海外に売ったり国内で消費して日本は立ち直ったのですが、当時のインフレ率はなんと200倍です。よく国民が暴動を起こさなかったものです。同時に戦時国債もチャラになりました。
この話は私が若いころは、よく記事で見かけましたが、最近はとんと見かけません。インフレを理解するために役立つと思うので書いておきます。

日本人は投資より預金が好きですが、これも日本政府の誘導が原因です。
銀行に預金されたお金は銀行が企業に貸し出します。
それで設備投資ができるので、政府は国民に預金を奨励しました。
長年、株式投資や債券投資はまともな人がするものじゃないというイメージが作られ、いまだに信じている人が多いようです。

しかし、今、企業は大量の内部留保(社内貯金)をかかえ銀行からお金を借りる必要はあまりありません。
必要がある場合は、うるさい銀行よりも社債という形で市場からお金を引っ張ってくることが多いのです。
すると銀行に溜まったお金は行きどころがなく、経済の循環に役立っていないのが現状です。
首都圏にいるとわかりにくいと思いますが、先日のボロ株の話で書いたとおり、地方銀行の将来は真っ暗です。都銀のように吸収合併を繰り返し巨大化するしか、目下、対策がありません。そしてマスコミには出ませんが、銀行の吸収合併はメチャクチャえげつないです。心を病む人がたくさん出ます。

世界経済は30年ぶりにインフレのサイクルに入りました。あちこちの戦争も大きく関係しています。
ところが今、働いている人々は生まれてから一度もインフレを経験していませんから、タンス預金しか知恵がありません。
インフレの時、お金は資産運用しないと目減りするのです。

起業のチャンス到来

逆に言えば、借金を早めにするとインフレの時は得するのです。お金を返す時には、お金の価値が下がっていますからね。
借金は額面です。その額面でたとえ価値が下がっていようが契約どおりに返せばいいのです。

ここからわかると思いますが、インフレで損するのは年金や投資家など金額という数字が固定しているお金にからんでいる人々です。事業をやっている個人、企業だけはインフレに応じて金額を変更しますから、インフレの影響を受けにくいのです。

さらに今は起業が簡単です。起業自体が驚かれるようなことではなくなりましたし、最初に売る時も、メルカリ、Base, Amazon、ヤフオクなど自分でお店をもたなくても需要を調べることができます。

さらに規模が少し大掛かりならソーシャルファンディングのキャンプファイヤなどが使えます。

このようにして起業でもっとも困難な営業問題すら解決可能なすごい時となりました。

むしろ、なにを売るか?という根源的な問題に集中すべき時となってきました。
サラリーマンを辞めて起業した人がハマる疑問が「セミナーや本に書いているとおりにしているのに、さっぱり売れない。おかしい」です。

ビジネスマンからしたら当たり前です。右へ倣えで他者と同じことをしていても、あなたの商品、お店で買う理由がありません。

むしろ以下のことからビジネスを決めるべきです。

自分がなにで稼げるのか、どう収入を上げるか悩む時、自分自身に問いかけよう。
自分はどういう価値のあるものを世界に提供できるか?
お金というものは、珍しくて価値があるものについてくるのだから。

「カネさえ儲かればいい」という考え方は実は起業家の考え方ではありません。
アマチュアビジネスマンの考え方といえます。

 

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