フルスタックエンジニアという言葉を聞いたことがありますか?
パソナさんの定義によれば「フルスタック(full-stack)とは、複数の技術分野において、知識・スキルに深い理解があることを意味しています。つまり、複数のIT分野に精通しており、複数の開発工程を一人で担当できるマルチなエンジニアのことを、一般に「フルスタックエンジニア」と呼んでいるのです。」
ということです。
フロント、バックエンド、アプリ開発、インフラ保守、はたまたWebのデザインまでできるそうです。
断言しますが、「そんなやつはいない。」
なぜならばウェブアプリの開発は変化が激しく、ちょっと前までRuby On RailsやRalavelだったのが、もうVueだとか言ってる。
仕事で使わなきゃプロレベルといえないし、そんなにほいほい最新技術を使っている開発現場を渡り歩けるわけもありません。
開発方法論も、この間書いたけどMVCモデルが崩壊しつつあり、RUSTの拡張が求められます。
バックエンドもAmazon AWSなのかMicrosoft AzureなのかIBM CloudなのかSAP BTPなのか、さまざま。
インフラ保守はさらに難しく、CISCOをいじれてセキュリティ機器さわれて、アプリ開発できる人間なんて会ったことないです。そもそも仕事していて、そんな機会もなければ学習の時間も取れるわけがないです。分野が違いすぎですから。
さらにウェブのデザイン? はぁ?
こうやって眺めると、フルスタックエンジニアって存在自体がチョー怪しいと開発現場から遠ざかった私ですら思います。
今のIT技術は範囲が広大でひとりでなんでもできる時代じゃない。
たまたま今の現場で使っているものをひととおり知っていたところで、数年後には技術の潮流は変わりますからね。
そのアップデートを仕入れないと途端に「フルスタック」じゃなくなるじゃないの。
ましてや自分を「フルスタックエンジニア」なんて呼んでる人間は、バカか無能か自惚れ屋しかありえない。要するに信用できないということ。
なによりもそんなふうに「俺はなんでもできるぜー」と言っていて、トラブルが起きて解決しなかったら誰に助けを求めるつもりなのだろう?
大手のSIerのエンジニアだって情けないくらい初歩的なことをソフトウェア会社のサポートに聞いてくるのが実態なのに。。。
思うにエンジニアの仕事をなめている人間か、なんでも屋さんをおだてるために考えついたバズワードなんだと思います。
この間書いた「即戦力」っていう言葉同様に無意味ですな。