今朝(2023/03/08)のNHKの番組「あさイチ」とその前の朝ドラはたまたまだろうけど、細る地方を復興させる試みの話だった。
朝ドラは金網作ってた会社がランプを作って復活する話。
「あさイチ」は東北の復興のために観光を推進している話。
大震災にあい、一切合切を津波にもっていかれて再起する資本がない人がたくさんいる。そういう人々は若い時に買ったものと年金と少しのアルバイトでかつかつ食べることができたはずだ。運のいい人は親戚の助けを得られたかもしれない。
その見込みを絶たれたら立ち尽くすしかない。
一方で自治体にこれといった救済策がないのが悲しい。
日本政府の復興予算もそろそろなくなる。
だから観光、周囲に鹿やイノシシが増えてしまったからジビエ。日本中の地方で同じことをやっている。
おそらくヨソの地方がやっているから安心、うまくいかなくても自分が悪いと言われないということしか考えていないのではないだろうか。
サラリーマンと事業家には決定的な違いがある。それは
他人と同じことをしていても意味がない
同業他社が大量にいる世界をレッドオーシャン、なにもない世界にチャレンジすることをブルーオーシャンとビジネス用語ではいう。
レッドオーシャンはよく見かける。アパレルショップ、飲食店、美容室、歯医者、不動産屋、コンビニなど。
ブルーオーシャンはあまり見かけない。キーエンス、携帯電話会社(事実上3社しかない)、ニトリ、ユニクロなどだろうか。
レッドオーシャンは見ればわかるように、少資本でできるっていうのもあるが、なんのアイデアもなしに他人を真似ればできてしまう。
だからこの世界はメンターが大事だなどとよく言われる。
ブルーオーシャンは比較的大資本だけれども、アイデアが生きる。
例外は携帯電話会社かな。かつてレッドオーシャンだったが、ひととおり競争が終わり生き残った3社で市場が飽和(いっぱいになった)した。
つまり地方で観光に取り組むって、レッドオーシャンもいいとこで貴重な予算を捨てているに等しい。
観光でうまくいくなら、観光施設に巨額の投資をして破綻した夕張市はなんだったのか?
すでに結果が出ているのに、また同じ愚を犯そうとしている。
ここまではよくビジネス書にも書かれているだろう。
以下は酒飲みながら、長年考えた話。
以前、書いたかもしれない。
地方では頂点に豪族がいる。こういう人たちは手堅いビジネスをもっている。造り酒屋、放送局の株主、地主、地銀などなど。
特徴は(当たり前だが)殿様や神社の神主の家系。
次に役所と政治家。
次が第二次産業の経営者。工場長とか。
その次に第一次産業をやっている人々。農業、漁業。
その下に第三次産業の中小規模のビジネスやっている人たちと、サラリーマン。
この階層を決定しているものは、おカネ。
1番上がもっとも儲かり、だんだん儲からなくなっている。
しかし、この階層構造に今、最大の危機が訪れていると俺は思う。
それは少子化。
人口が少なくなれば、もっとも困るのは権力者だ。言うこと聞く人間がいなければ権力は生じようがない。
まだ首都圏の政治家は実感していないだろうが、地方の豪族は焦っていると思う。
家来が減っているのに平気だとしたら、ヨソから連れてこれる自信がある場合だけだろう。例えば隣の地域を支配するとか。
地銀の再編や道州制が囁かれているが遅々として進まないのは、豪族同士の権力争いもひとつの要因と考えられる。
じゃぁ、地方が外貨(自分の地域外からくるカネ)を稼ぐにはどうするか?
答えはただひとつ。
新しい産業をもってくるしかない。
「あれば苦労しない」と言いたいでしょ?
でもね、自動車、鉄鋼などの産業はほんのここ100年で作られたものだということをお忘れではないか?
それより前はお米や海産物、まれに工業製品だったはず。
産業というものは、目先のカネを追っかけていては見えず、長い目で見れば見えるものだし、そのほうが金額が大きい。
ブルーオーシャンのうちに産業をもってこれた地方が勝ちだし、その産業の経営者はおカネをばらまく(人を雇う)のだから権力をもつ。
その前後にさまざまな形で地方の豪族と出会うことになる。
日本は古い国だ。
新しいことが簡単には出来ないが、カネを生むとなるといろんな奴らが現れる。
「東京モノ」が力を持ったのは当然だ。なぜならば東京モノからしたら地方は選べるから。
実は200年くらい前から日本の支配構造は大きく変化した。
豪族が産業育成をするのは権力者の義務だと思う。そうしないと自身が没落する。
それでも豪族は利害が対立したら、自分達中心の秩序が崩れるくらいなら追い出しにかかるだろう。