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Web3.0は単なるバズワード

最近、Web3.0という言葉を見ることが多くなったので、ちょっと考えてみました。

Web1.0はインターネットの黎明期。このころは、インターネットがビジネスにこれほどのインパクトを与えると誰も予想できなかった。古い流通業に固執していた人々は押し流されました。

Web2.0は帯域の増大。Youtubeのような動画やTwitterのような大量のトラフィックをインターネットはさばけるようになり、テレビ、ラジオ、雑誌など古いメディアの人々は押し流されています。

ここまででわかるとおり、いくつかの産業をつぶすほどのインパクトに対しWebxxxという称号が与えられるのです。

じゃぁ、Web3.0とはなにを言っているのでしょうか?

一説(日経ビジネス)によると、

  • DeFi(分散型金融)。暗号資産(仮想通貨)市場
  • NFT(非代替性トークン)。乱暴にいうと匿名で個別でいられる。
  • ゲームと金融を合わせたGameFi(ゲーミファイ)

上ふたつはブロックチェーン技術の産物なのだけれども、仮想通貨がリアルに通用すると思わないでください。数行でご理解いただけると思います。

まず、ビットコインの値動きを見てみます。今日、Googleファイナンスからもってきた新鮮なデータです。

なにかを売って、今年の5月に仮想通貨で支払ってもらったとしましょう。その価値は今はゴミですね。
こんな「通貨」での売買で生活が成り立つでしょうか?
誰もコントロールしていない「通貨」はマネーゲームの道具でしかないということは肝に銘じてください。
「仮想通貨」は本当は通貨じゃないんです。
現実には我々は安定した国が保証した通貨、円やドルで生きているから、仮想通貨で遊んでいられるのです。

実際、仮想通貨を大々的に取り入れたエルサルバドルはデフォルトの危機にあります。
こんな愚かなことをする国家があるとは驚きです。

考えてみれば、当たり前です。
めんどくさい計算をして出てきた数値を通貨と称するなんて無意味だし、簡単につくれます。すでに似たような自称「仮想通貨」が大量発生しています。
有名なものだけでもビットコイン,イーサリアム,リップル,ビットコインキャッシュ,ライトコイン,ステラ・ルーメン,イーサクラシック,ネム,ベーシック アテンショントークン,クアンタム,オーエムジー,モナーコイン,アイオーエスティー,リスク,ファクトム,エンジンコインなどなど。

仮想通貨市場を考えてみたら、希少性なんてどこにもありません。
はっきりいって仮想通貨を「通貨」だと思っている人はとてつもない勘違いをしています。
確かに各国の政府の規制に腹も立つでしょうけれど、この世の中を支配しているのは、国家と資本家であり、両者は必ずしも利害が一致しないために、いろいろなことが起きていることに気づいてほしいものです。
「権力」といった時、いったい誰に向かって言っているのか明確な理解が必要です。

二番目のNFTはうまく使われるかもしれませんが、Web3.0と銘打って他産業をぶっ潰すほどの大きな変化になるでしょうか?
ブロックチェーンを使って、特定の人が認めなくても本人であることを保証できる、かもしれません。
しかし、パッと考えてもふたつの問題があります。
ひとつは、そんな認証で幸せな人がいるのか?
お店のお客さんを誰ともわからないことはお客はうれしいかもしれませんが、売るほうは信頼もなければなにをされるかもわからないというリスクを一方的に背負うわけです。
2つ目はブロックチェーンは参加者の51%以上が悪意をもてば、なんとでもできる、つまり小規模でサクラの存在がいれば、話は成り立たない、ということです。

巷で書かれているNFTの話は概念的で「どうやって実現するの?」と考えるとおかしな話ばかりです。典型的な技術を知らないがゆえにフィージビリティ(実現可能性)を考えない文系の人の話です。

三番目の金融のゲーミファイはすでにやられています。
なにが起きているのか知ることができます。

アメリカの証券会社ロビンフッドが、代表的企業です。
ロビンフッドは手数料ゼロで株の売買ができます。
普通の証券会社では無理ですね。じゃ、なぜロビンフッドに可能なのでしょうか?

理由はロビンフッドはその注文を他の証券会社に売って、キックバックをもらっているから。
これでわかるとおり、ロビンフッドは株式市場のメジャープレーヤーにはなれません。
ニッチなビジネスです。
ロビンフッドを過大評価しないでください。

そして、ゲーム感覚で参加したユーザーも株へのリテラシーが低すぎて、ゲームのつもりで大損をこいている人続出しています。

 

ということで、今、騒いでいるWeb3.0はバズワードというしかないのではないでしょうか。

新しい定義が出てくることでしょうね。

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