サラリーマンのふり

若くても、年をとっても、レールを外れたと思う時

今の日本で言われていること。若者は若いうちに「レールを外れたら二度と戻れない」と嘆き、中高年は「キャリアパスなんてわからない」と言います。
そんなことを言わないでください。信じないでください。

以下は精神世界の要素が入っていますが、生きていく上での考え方なのでご容赦いただきたい。
それをふくめて参考になればいいな、と願います。

還暦を過ぎて自分の人生を振り返ると、自分の人生のテーマが見えてくるものだと思います。
スピリチュアルな世界でも「人はなにか達成したい課題をもって、生まれる場所を選んで生まれてくる」と言います。

しばしば「親ガチャ」といって、親の経済状態で大学に無借金で行けるかどうかが決まる、というようなことを言っていますが、誰もが大学に行きたがるようになった理由は、少子化で生徒が減っている私立大学の経営対策に乗せられた結果です。
知られていないかもしれませんが、変な大学に行くよりも職人になったほうが生涯賃金ははるかに大きいという事実があります。
大学に行けば一部上場企業に就職できるなんていう妄想は、就活時に学校フィルタリングがなされている時点で消え去るはずです。
批判する人がいますが、企業は自分の価値判断で採用を決めるわけで公平である必要はありません。そこが学校の入試と決定的に違う点です。

エゴ、理性で違う道に行けども、人はそれぞれ関心を持つ分野は違い、その関心を通して世の中を見ます。
残念なことに各自がもつ関心すら捻じ曲げられていると、なかなか生きづらい人生となります。
とくに日本では小学校、中学校という義務教育期間中に「人と違うことはするな」「人と違うことを考えるな」「少しの違いも悪である」と徹底的に教え込みます。
ちょっとでも違っていると仲間内なのにイジメの対象とし、なにをしてもいいと勘違いしますが、学校でそのように教えているではないですか。
結果として「価値判断は与えられるもので、自分で考えるものではない」という暗黙の考えをもってしまいます。
これが恐ろしい。多くの人に取って、人生での首枷、手枷、足枷となります。
若いうちは年配の人の言うことだと思いますが、50歳過ぎたらもうそんなことを言う年配は存在しないのに、いまだに誰か賢い人が与えてくれると思いこんでいませんか?

しばしばここで「ブランド」の愚かさについて書いてきました。ルイ・ヴィトンのバッグがいいというのはユーザー自身がかばんについていろいろ知った上でのことでしょうか? シマノの自転車パーツがいいというのはユーザー自身が確認していることだからではないでしょうか。
ファッションブランドを盲信する人はだいたい頭が悪そうな人が多いと個人的には思っています。

価値観とは自分で見出すものである、ということが生きていく上で最も大事なことです。
世の中は私達個人個人が把握しているよりも、はるかに大きいという事実があります。
私をふくめ多くの人は芸能人の生活、高級官僚の生活、ボランティアの生活、作家の生活などについては知りません。
よくわからないながら、そういう人々がいて、生きている、という事実はわかっています。

ところが現実の生活は極めて狭く考えます。
その根拠も実は短い自分の人生で、たまたま見聞したことだけです。
学校は学力に応じて入学したかもしれません。実質定員割れしている大学学科と、東大理科三(医学部)での常識は違うことは容易に想像つきます。
そこから就活して、た・ま・た・ま入社した会社での常識が世界のすべてだと思いこんでしまうのです。
会社を辞める人に向かっていう常套句「ここで使えない奴はどこに行っても使えない」と「どこ」を知らないくせに言い切ります。
会社での出世だけが唯一のレールに見えている人もいます。
世の中には何十万という会社があって、それぞれで同じようなことが起きていることを頭ではわかっていても、具体的にはわからないのです。

一社でも転職すると考えは変わります。「ウチの会社」から「会社と私」という考えに変わることができます。
そうすると唯一のレールは消え去ります。何本ものレールが見えてきます。

一方で、社会の変化は激しくなっています。
いまだに「せめて正社員に」とおっしゃっている人もいますが、日本郵政の例をあげるまでもなく、正社員の福利厚生はどんどん剥ぎ取られています。
「同一労働同一賃金」を叫んだ人々は、非正規の労働条件が社員側に寄せられるだろうと、呑気に妄想していたのですが起きたことは、社員の労働条件が非正規に寄せられることになりました。笑
さらに日本では99.7%が中小企業であり、勤めている会社が潰れないなんて単なる願望以上のものではありません。

有期雇用で5年働けたら、その会社は業績悪化や潰れなくてよかったね、と私は思います。
無期雇用だからずっと働けると期待する前に、働いている会社の財務状況を確認しましたか?

今の時代は安定したよりどころがないから、せめて自分で考える価値観を大事にしたほうがいいのです。

が、何歳になっても価値観は与えられるものだ、と考えている人がとても多いように思います。
55歳の役職定年を過ぎた人が「シニアのキャリアパスについての情報がない」などと嘆いています。
一体誰が、そんな難しい問題について一般的に論じられると思っているのでしょうか?
人材紹介会社の30代の若造がエラソーに語っていますが、それは今月の企業の求人を語っているに過ぎません。
50歳過ぎたら、いい加減にひとつのレールからはこぼれ落ちていて、自分で自分のレールを見つけるしかない、と思い当たるべきなのですが。。。

とくにフリーランス、自営業、起業から目を背け、どこかの会社に雇われることしか考えていない人は、おそらくキャリパスの形成に失敗した人だと思います。
ズバリ言うならば「他人がいないと仕事ができない」と内心わかっている人。
会社でマネージャーなどという誰にでもできる(その証拠にだんだん消えつつある職業)ことに夢中になり、現場仕事ができなくなってしまった人。
特に大企業に勤めている人に多いようです。会社の言われるがまま「単価の安い現場仕事は俺がやるべき仕事じゃない」と誤った価値観を植え付けられ、自分の能力開発を誤ったせいです。

結局、仕事の価値観とは「自分が起業するとしたら」と仮定から考えることでこそ、ゼロから考えることができるのです。
その上で自ら起業しなくてもいい、リソースがあるのであればラッキーだということです。

どこかの会社の正社員になる、というのは怠惰な夢に私には見えます。
どこかの誰かが作り上げた儲かるとわかっているビジネスのごく一部を受け持つことで安定した給料をもらおう、って結構怠惰だと思いませんか?

一方は、規模の大小を問わず、ビジネスを作り上げる世界があるのです。
そう考えれば多彩な生き方が見えてきます。
転売屋はモラル上、オススメしませんが、中古品をメルカリで売るというのも立派なビジネスです。
社長、役員、部長というオーバーヘッドがいない分、結構な利益は取れるのです。

誰かの代わりに、オーディオ、ミステリー、服、靴、などのキュレーションをすることもビジネスになります。
雑誌は具体的なお店にリンクできない弱みを逆手にとって、お店を紹介してアフィリエイトできます。

メーカーも例外ではありません。UPQという私から見たら脆弱なビジネスの会社がありますが、こんなことでも商売として成立するのです。

逆に個人が手を出してはいけない分野は宣伝に莫大な費用がかかるジャンル。ファッション、アクセサリー、誰もが使うものは市場の中で埋もれてしまうのでオススメできません。

自分で道を開くことは、自分の関心に従って世の中を見つめれば、必ずしも難しいことではないのです。

関連記事

  1. 起業の難しさを反省:レッドオーシャンを生き残る

  2. 転職か起業か、って大間違い

  3. ひとつのことでトップを目指す愚かさ

  4. リストラと起業

  5. なくならない洗脳教育

  6. アメリカでなくなりつつある職業

  7. 受託ソフトとか人貸しビジネスの終焉

  8. 65人以上の億万長者にインタビューしてわかった7つの驚きの事実

記事をプリント