ふと、60歳で辞めた知人はどうしているのだろう?とfacebookの友人、知人をチラ見してみた。
ほとんどの人が「基礎データ」の勤務先を消していて、どこかに勤めていたり仕事をしているわけではなさそうだ。
「あれ?日本IBMって65歳定年じゃなかっけ?」と思って調べたら、悪名高い60歳再雇用で208万円定額しかくれない制度をほとんどの人が選ばないということのようだ。
それは選択しないと思うけれども、次に働く場所をほとんどの人が見つけられていないようだ。
見つけた人は57歳くらいからポツポツと転職なさっていた。
自分の会社を作った人はひとりくらいしか見つからなかった。
つまり定年になって以降、働いていない人が圧倒的多数のようだ。
(大事なことを書くことを忘れていた)
年をとっても仕事を続けられるコツがある。
絶対に現場で働ける能力を失わないこと。
サラリーマンの多くが出世を目指して管理職になりたがる。
それはそれで構わないのだけれども、自分ひとりになっても仕事ができる専門家としての力をなくしてはいけない。
若いころにIBMで働いていた時、同期の人の何人かは管理職の道を目指した。
私はモチベーションの低い、仕事を覚えようとしない若者をマネージするなんて、まっぴらごめんだという自分勝手な理由から専門職を目指した。
それから転職して管理職もやったけれども、プログラミングの技術を追っかけることなどをやめることはなかった。
もし、管理職の道を歩んでいたら、こんなに長い間、働くことはできなかったと思う。独立するにしろ、フリーランスになるにしろ、現場で付加価値をつけられるプロでなければ仕事は見つからない。
大企業出身者が現場で使い物にならないことも、この現場力がないからだ。
環境が変わったのに誰かがいないとなにもできない、ってすごく惨めになる。
もちろん一部上場大企業の取締役くらいにまで上り詰めていれば話は別だけれども、ほとんどの人はそうはならない。
たまたま私は若い時に選んだ道が正解だったと思う。
仕事を続けられなければ実力は落ちる。再度、昔の専門性を取り戻して仕事をすることは難しい。
年金支給が始まる65歳まで預金を取り崩しながら生活することになるし、それからもしんどいことになる。
なぜならばインフレの足音が来ている。インフレになったからといって年金は完全にはリンクしない。相対的に貧乏になる。
もっとも年金は月額47万円以上稼いでいるともらえないというリミットがある。
年収564万円以上稼げるなら、今まで払った年金はチャラという信じられない制度だ。
50歳代で目先の会社の忙しさに夢中にならず、自分の評価をわきまえて60歳以降どうするかを考えておいたほうがいい。
いきなり退職金をつっこんで投資なんてことも考えるべきではない。金融で儲けることは金貸し以外は難しい。
不動産が勧められているが、儲かる物件を見つけ、その不動産をメンテナンスしていくことは簡単じゃない。自分の住んでいるマンションを考えたらわかるだろう。
むつかしいことは理解するけれども、まだ何十年も生きるのだから。