ウィルスの怖い話

雑感(日記)

「パンデミック新時代」という本があります。
著者はネイサン・ウルフといい、ハーバード大学で免疫学と感染症について博士号取得。スタンフォード大学ヒト生物学教授なんだそうです。

この本によらなくても、ウィルスが人類に認知されたのは、なんと19世紀の終わり。
ご存知かと思いますが、我らが日本のエースだった野口英世さんが黄熱病に自身もかかって亡くなったのは、黄熱病がウィルスによるものだとはわからなかったため。
ちゃんと存在を確認したのは電子顕微鏡が普及した1950年代ということです。
つまり人類がウィルスを知ってから100年ちょっとしか経っていません。
したがってウィルスの知識はほとんど知られていないといってもいいのでしょう。(後述)

学問上の知見が伝わる速度はとても遅いです。

たとえば、時間と空間には密接な関係があり、時間の進み方は空間の移動速度によるというアインシュタインの特殊相対性理論はアインシュタインが考えたことは有名ですが、1905年の発表です。
なんと115年しか経っておらず、いまだに人類の多くは時間は絶対の尺度であると信じており一方通行な時間に従い悲喜こもごもです。
物理学の時空についての知見なんぞタワゴトだとして生きております。
(また記事を書くと思いますが、時間ってぐにゃぐにゃだって、我々からすると朗報ですよ。間違いなく。)

ネイサンはこの本に書いています。

嵐が近づいている。本書の目的は迫り来る嵐について理解することだ。つまり、パンデミックの性質を探求し、それらがどこからやってきて、どこへ行こうとしているのかを知ることにある。だが、ここに描かれるのは暗いだけの絵ではない。人類がウイルスを発見してから110年たつが、そのあいだに私たちはウイルスに対する理解を大いに深めてきた。困難な仕事はまだまだたくさん残っているが、もしもそれをうまくこなして、現代のさまざまな先進的テクノロジーを活用すれば、気象学者がハリケーンの進路を予測するように、パンデミックを予測できるようになるだろう。さらに進んで、パンデミックが起きる前に防げるようになるのが理想だ。これは現代の公衆衛生におけるいわば「聖杯」であり、これからのページで、探し求める聖杯が私たちの手の届くところにあることを説明していこう。(PP.25)

アメリカ人らしく前向きですが、描く未来は暗いようです。

ウィルスの不思議なことはいーっぱいあります。

まず、その遍在性です。
ウィルスは電子顕微鏡でなければ見ることができないくらい小さい。ウィルスを発見した初期の人々は液体だと思っていたくらい、水と分離することが難しかったのです。地球上、どこにでもいます。

次にその変化のしやすさ。
たとえば彼はHIV(AIDS)について書いていますが、二種類のウィルスがオランウータンの中で出会ってしまったがためにHIVができてしまったと書かれています。おそらく一番現実的なHIVの起源だと思います。

これって怖い話ですよね。
ウィルス同士が出会うと突然変異が起きて結果は予想できないってことです。

どれくらいわからないかというと、人間を宿主とするウイルスで私たちが知るものは今でもごくわずかです。
日本で最初の感染者がでたTTウイルスやGBウイルスって一般的なウイルスとされており、有害とは断定されていない。言葉を変えれば、
なにをするのかわからない。

日本は少子化です。しかしご存知のように世界の人口はどんどん増えて人口密度は上がる推定がされています。

人口密度の高いところは、ウィルスの坩堝(るつぼ)のようなものです。

多くのおそらく無害、(ひょっとしたら有益)なウィルスは語られることはないでしょう。
しかし、COVID-19のような人類を病気にするウィルスは次々と新たに発見されるのではないでしょうか?
なぜならば、「ウィルス同士が出会うと、遺伝子情報の交換により新しいウィルスができる可能性が高い現代」だからです。

この本の情報を見るまで、現代の人口密度がなにをもたらすかなんてロクに考えもしませんでした。
それはウィルスの観点から見るとやり放題な世界だということだったんです。

そして人類はいまだに「なぜウィルスというものが存在しているのか?」はわかっていないのです。
なぜ、ウィルスなんてものが大量に存在しているのでしょうか?

多くの人が世の中は賢い人がいて、すべてのことに理屈がついていると考えたい気持ちはわかります。
それって、ラクじゃないですか。
自分が出会った問題には必ず答えがある

これ、めちゃラクな考え方ですよね。

だって、誰かに聞けば教えてもらえるよね?

でもねー、ないんだよ。ウィルスについては。

新コロナウィルスって、もちろん人類が戦うべき存在なんだけど、たった今、答えがないという事実を私達個々人が考えてみるべきことだと思います。

少なくともHIV, エボラ、COVID-19と出現しつづけていて、今後もパンデミックは起き続けることは予想できます。

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