サラリーマンのふり

いつまで資格勉強するのか?

最近、ようやく「サムライ業」(公認会計士、弁護士、医師)など「師/士」がついて排他的にやれる職業の資格を取っても、安泰な生活ができるとは限らない、ということが知られつつあります。

もちろん学歴を知らない人、ものすごく所得の低い人は「いやいや、難しい試験をくぐり抜けた人なんて、ごく少数のエリートなんだから、高給で引くてあまたでしょう」と考えておられると思います。

これ見てください。

少子化だと世の中は騒いでいますが、こと弁護士の数は多産です。笑
10倍になってます。

言い換えれば弁護士資格はとっても仕事にあぶれる人はいます。
公認会計士はもっとヤバくて、AIに取ってかわられるでしょう。ビジネス現場の人間が収入や領収書をなんらかの形でシステムに入力したら、仕分け、決算、税務申告までおそらくやれるはずです。

高収入で有名な士業ですら、このありさまです。

ましてやなくてもやれる職業で資格を取るなんて、なんの意味があるのでしょうか?

世の中での経験のない若者は自分の能力の証明のために資格を取ってもいいと思います。
世間は知識の確かさと頑張りを評価してくれます。

しかし年齢と共にもっている資格より、あなたは実務でなにを経験して能力としているのか?ということが問われます。

「即戦力」というバカな言葉は嫌いですが、中途採用などの人に企業が求めていることは経験値です。

いい年して「マイクロソフトのオフィスの資格をもってます」をどこの誰がビジネスに貢献すると評価してくれるでしょうか?

定年近くなって自分の経験を活かすために中小企業診断士(難関)を取ることはわかります。医療事務を長い間やっていて医療事務資格を取ることもわかります。長年、総務部やっていてプライバシーのなにかを取ることもわかります。
すべて経験が裏打ちしているから、人は評価するのです。

ところが50歳、60歳になって今までの経験と無関係な新しい資格、肩書にチャレンジする人ってなにを考えているのでしょうか。

ひょっとしたら50歳になるまで職を転々としてしまって、なんのスペシャリティもなく、スペシャリティをもっている人の給料は高いということを知らない人でしょうか。

ボケないための自己啓発は止めません。趣味の延長のはずが意外に伸びるってありますよね。
郷土史を丹念に調べて思わぬ発見を農家の土蔵でした、とか。

でも、稼ぐつもりでやっているのであれば、自分の余命を考えるべきです。

90歳でボケながら周囲に迷惑をかけながら仕事をするのは考えにくいですね。
せいぜい80歳くらいまでではないでしょうか。

ならば、50歳から勉強をはじめて、稼ぐ期間は約30年です。
年をとっているから、体も動かず脳も動きません。

それで若者と同じところからスタートするってなにを考えているのでしょうか?
ほんとうに今から資格、肩書をとって30年間うまく稼げますか?

私がいいたいことは

中高年になったら、自分の能力と寿命を考えろ!

ということです。

人は未来永劫生きるわけじゃありません。
残された時間でなにを成し遂げられるか、よく考えようではありませんか。

本当はなにか一番大事なことから逃げるために「資格さえあれば」と自分をごまかしていませんか?

とくに中高年で定年や役職定年で体よく会社を追い出された人々がしがみつこうとする職業が「コンサルタント」「顧問」「監査役」です。
一社でぬくぬく過ごした世間知らずがコンサルタントを始めても、お客もつかまえられなければ、お客が満足するアウトプットも出せるはずもありません。

ぶっちゃけ、机と電話とパソコンがあれば始められるからという手前勝手な理屈で始めてしまうわけです。

在職中に周囲に「頼むぞ」と声をかけていても、みなさん、あなたの肩書をみて「まかせてください」というわけで肩書を失えば自分のビジネスには関係なくなるので無反応になります。
それは嘘をついているかもしれませんが、消極的な嘘なので誰もがやります。あなたもやったでしょ。

これがわかっていない人が多すぎます。

もう少し真面目な人はFP(ファイナンシャルプランナー)なんて資格を取ったりします。
でもね、FPもっているから株や投資信託で大儲けできるっていう幻想はやめましょうよ。

転職をしていない、していても1社程度の人は自分は世間知らずだ、と自覚して、もう少し周りのマネや見栄ばかり気にしていないで、自分を見つめたほうがいいです。

退職金は一見多いように見えますが、あれこれ払って漫然と生活しているとなくなります。それも考えればわかることです。

年をとった世間知らずほど、失敗した時の取り返しがつかないからです。
毎年、毎年、投資詐欺にひっかかる人が何万人も出てるじゃないですか。

今まで空気のようにあった会社の力を借りようではなく、自分ひとりでなにができるか?他人を利用せずになにができるか?考えましょう。

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