起業においてお金に対する考え方を一般の人と変えないと、たぶん会社は潰れます。
多くの人がお金を「貯めるもの」「札束」と思ってます。
それね、お金の本質じゃない。
ビジネスやってるとわかりますが、お金って「コミュニケーションの道具」です。
こんなことを言っているのは私だけじゃありません。
山口揚平という投資家の方がおられ、こんな本書いてます。
前半は思考力そのものについてなので、おもしろくない人は後半を読むか、こちらに同じような内容のプレゼン資料があるので見てもいいと思います。
お金は数字です。数字であるがゆえに、思い切り汎用性が高く、誰も知らない国に旅行に行って札束だけもっていれば相手にされるくらいの力があります。
だからお金はコンテキストがありません。強盗した結果のお金も募金のお金も同じ。
資本金も同じようにお金。(起業しようという人で資本金というと返さなくていい違うお金だと思いこんでしまう人がふつーにいるのであえて書いておきます)
それゆえお金の基本はビジネスしてコミュニケーションが生じた時に使われます。
この考え方はお金のストック面だけを見ていたら理解できません。
労働力の対価である、と考えてお金を貯蓄するという人には起業は無理です。
お金は流れなければ増えないというフローを理解しないと起業してもお金を間違った方向に使ったり、ケチったりします。
例えばダメ経営者がすぐにやりたがる、電気代をケチる、年賀状をケチる、はたまた人件費をケチる。そういうことに注目する人はお金がわかっていないので、早晩その企業は潰れます。
儲からない時はビジネス上のコミュニケーションが間違っていると分析をすすめられない経営者はサラリーマンと目線が同じなのです。(サラリーマンが経営者になってしまう最近の企業はだから伸びないのです)
投資(投機)の利益と利子(ごく一部の社会でのみ常識なもの)などをお金の本質だと誤解している人がいますが、それはお金の本質から派生したものに過ぎません。
イスラム教社会では利子を取れないと聞いたらどう思うのでしょうか。
その派生機能により世の中はおかしなことになっています。
地球2個以上買えるお金が出回っていたり、投資家と称する一部の人だけが大量にお金をもっていたり。
そういう資本主義経済圏で生きている人が多いのが今です。
山口さんいわく、60%がそうで、40%がその枠組から放り出され不幸をかこっている。
その40%ってフリーター、派遣、シングルマザー、ニートなどなど社会的な弱者に陥った人々です。
この割合がこのまま進んでいって60%が弱者になると世の中はどうなるだろうか?というのが山口さんの問題提起です。
正社員だから賢いなんてことは、雇用形態を差別の道具に使っているところほど、あるわけないです。
彼の言う通り新しい経済圏が始まるかもしれません。
それは信用が通貨となる世界です。
誰かになにかをしてあげたら受け取り手の信用が通貨として記録される社会。信用経済の始まりです。
私達もやるじゃないですか「お友だち価格」というのやクラウドファンディングを。
山口さんがおっしゃるようにインターネットはミニコミュニティを促進します。
私はまったく知りませんが、ガンダムのコミュニティも、格闘技のコミュニティもあるでしょう。
そのコミュニティ内だけで価値があるものがあり、それに値段がつく世の中になるといえば理解可能でしょうか。
仮想通貨で使われている技術ブロックチェーンはこういうコミュニティがアンダーライト(保証・推奨する)ならば機能するでしょう。
今、仮想通貨が乱立していますが(当たり前です。サーバー作って宣言したもの勝ちだもん)もっとまともになるかもしれません。
仮想通貨はその方向に進化するのであれば、理解できます。
誰も責任を取らない通貨って金に劣ります。
なにかのエキスパートでコミュニティに貢献できる人間が信用通貨を多くもつ、というのは資本主義で親からの遺産でのうのうとしている人をうらやむよりも、建設的な気がします。
山口さんによれば2022年ごろから資本主義は無理なのではないか、と予想しています。
私は近未来、3とおりの経済圏ができるのではなかろうか、と思います。
ひとつは既存の「富める者」が君臨する世界です。多くの企業のなんちゃって経営者は経済のパラダイム・シフトなんて絶対に理解できません。今まで親の遺産でおいしい思いをした人々もここにしがみつくでしょう。
ふたつめは「信用=お友達」経済圏です。ここには資本主義からはじき出された人々がメジャーとなってなにかをやり遂げると思われます。なぜならば信用経済圏の人々は分不相応な高層、豪華マンションなどよりも身近を大切にする若者が多いからです。若者がなにか新しいものを作り出さない世界は人類の歴史上ありません。
この世界ならば通勤できない人でも世の中に貢献するチャンスがあります。
みっつめは仕方なく信用経済圏に行く人です。たとえば不動産などがそうですね。借り手のなくなった不動産は痛みますから、お友達でも呼ぶしかありません。利害判断と信用が入り交じる世界。
段階の世代の年寄りは理解できずとも、お金をもっていない人はこちらに流れるのではないでしょうか。
孤独死がなにより怖い世代ですし。
信用が通貨として流通するかどうかはさておき、コミュニティでの信頼が価値となる、という予想はまちがっていないと思いますし、新たなビジネスチャンスではないでしょうか。