ITで遊ぶ

危険なRPAツール

RPAツールとは(Robotic Process Automation)の略で、今まで手作業でパソコンに入力していた処理をなんとか自動化できませんかね、というツールです。

これ、企業ユースでは最近騒がれていますが、個人使用でブラウザーからマーケティングメールをばらまくような「ブラザー自動操作ツール」(iMacroとか)はずいぶん前から有名かつ使われてきました。

いつも私がいうように最近のITは個人や素人のユーザーのほうが先行しています。

それはともかく、オフィスでExcelシートを作ることが仕事だとか勘違いしている奴らはクビになるかもしれないので必死で抵抗するでしょう。

しかし「生産性」の言葉の前に企業の導入は進むと思います。

それはそれでいいことですが、まずいこともあります。

 

そもそもシステムを開発すると決めた初期のフェーズでほとんどのSIerは入力が自動化されることを考えるセンスがいままでありませんでした。
プロジェクトマネージャとかシステムデザイナーと称する連中で今、RPAを知っている人もかなり少ないと思います。

なぜならば新しい技術に暗いだけではなく「要件定義」の時に、既存のやり方ありきで設計=パソコンに人が向かって入力、とするケースが圧倒的に多いはずです。

CSVやSOAPデータをクライアントが入力なんて考えもしてなかったのではないでしょうか。

そうやって作った人力入力ありきのシステムにRPAという場当たり的ツールでデータを流し込もうということです。

 

しかし、よくよく考えるとサーバーのデータベースに直接データが転送されればいいことなのです。

システムがなにをやっているかわからないから場当たり的ツールでなんとかしようという発想はいかにも日本人的だと思いませんか。

そして10年たつと、いやすでにそのシステムの詳細はブラックボックス化していませんか。

原子力発電所が40年前のパソコンもインターネットもない時代に作られたものであることを笑うことが意外にできなかったりします。

すべての場合とは限りませんが、RPAツールって場当たり的なごまかしでシステム本体が陳腐化する危険をはらんでいるということは心の隅に留めておいたほうがいいと思います。

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