たしかに経団連の主導しているルールは廃止されるだろう。
だから新入社員の採用基準、方法が変わるなんてないと思う。
日本はいつからかは知らないが、新卒のなんのスキルもない若者をポテンシャルだけで評価し採用する。
この方法を「メンバーシップ型」というらしい。
入社であって就職じゃない。
日本以外の国では若者はまずいろんな会社にインターンとして潜り込む。
そこで一定のスキルを学び、企業が「仕事に対しての採用枠」があれば応募して就職する。
言い換えると大学を卒業して二年以内とかナンセンスなのだ。
この変化に今の日本企業のサラリーマンが耐えられるだろうか?
- インターンの積極的受け入れ
- プロとしての仕事の仕方を教える
- 質問や反論に答えられる
この3点だけでもムリだと思う。
そもそも日本企業って仕事が明確に定義されてるか?
いつも書くけど、日本以外(外資系って書くと勘違いされるから)の企業はジョブ・ディスクリプションというものが必ずある。
でも日本企業でそんなもの作っているなんて聞いたことないし、毎年の成果だってうまく測定できないもんだから「成果主義はダメだ」なんていうマヌケなことを言っている。
次に仕事のプロセスが混乱の極みなのを何年経っても直さないから属人的、非効率。
コンプライアンス、なにそれおいしいの?状態。
業界標準の方法をやれというと他社を知らないくせに「ウチのやり方は変えられない」と断言する。
変える気がない。
過去数十年、紙作業を電子化しただけ。
そして新入社員制度を取っている限り、多彩な人間(ダイバシティーという)の採用や一緒に働くことなんてムリだと思う。
いつも思うが日本人サラリーマンの大きな欠点のひとつが、
意見が違うと相手の人格を否定し、
人間関係まで悪化させる子供っぽさが一生抜けない
だから、ダイバシティは認められずユニティでいたがる。
激しい時は男のくせに派閥まで作ってつるみあい、同じ意見の人間がいることに安心する。気持ち悪い。
それじゃ、違う考え方や新しい考え方を受け入れられるわけがないし、採用時だって自分たちと同じ種類の人間しか感情的に受けれられないだろう。
それがビジネスのプロがやることか?
ついでにプロフェッショナリティのない子どもを採用するのだから、給料だって上げられるわけがない。
就活新時代なんて寝言だと思う。
企業の一般社員やバカ人事部はついていけない。
しばしば「転職のためにスキルを磨け」という。
嘘である。
転職においてスキルの話題は避けられないけど、スキルで転職できる例は中高年になると少ない。
若いウチの転職がラクなのは、例えば「PHP書けるエンジニア3人」などという募集がバルクだからだ。
一人の採用と複数人の採用とでは難易度が大きく違う。
中年になって「開発エンジニアのマネージャ 一人募集」などという仕事があると、日本企業は前職でどんなプロジェクトを管理したか、しか見ない。
その人の生涯をかけているスキルも見ないし、将来の展望も見ない。
テレビでよくいう「即戦力」しか考えない。
あのビズ●●のCMを見るたびに本当に愚かな言葉だと私は思うけど、クライアント企業には受けているんだろう。
以前書いたがイギリスなどでは前職がダイバーのインストラクターでも、チームをまとめることができるというスキルを見せれば、SAP UKはマネージメントとして採用する。私の以前のマネージャーだ。
人心掌握はすごかった。天性のリーダー。
企業の面接をする人間はちゃんと自分の目でみて、質問をし、リアクションを見て、それをレポートし、評価する。
日本の転職事情はなんの仕事にアサインされていたか、ということと景気やスキルの需要による転職するタイミングという運に依存することが多い。
言い換えると、面接をしていても面接者の目はフシアナな人間ばかりで、書類に書かれた直前の実績が結果を左右する。
結局、新卒だろうが中途だろうが、自分の目でタレントを見つけられないのが日本の会社だと私は思う。
だから新卒諸君はできるだけ毛並みのいい企業に最初は属しておくべきだ。
あまり働かなくても世の中のインフラを支えていてお金が転がり込むNTT, KDDIとか三菱系とかはお勧めである。
トヨタや京セラのように洗脳される企業は就社するつもりならいいだろう。
商社は人気があるが、類似企業を海外に求めるとGE、ベクテルになってしまう。
日本の商社のOBって大言壮語するタイプが多く、自分でビジネスできる人は少ない。