我が家には屋根裏があり、素晴らしいことにはかなり重いものを運び込んでもまったく問題ない構造ではあります。
そこが私のハードウェアの工作室であります。
屋根裏の熱気
しかし、唯一の誤算がありました。
一年の2/3の期間は、猛烈に暑いのです。
よく言われる「屋根からの熱」ではありません。
なにしろ屋根と屋根裏の壁の間には40センチの断熱材が入れてあって、真夏に壁を触ってもひんやりしています。他にも我が家は断熱材が相当に入った構造です。
かように断熱効果の高い家では、窓周辺で温まった空気など、家中の熱気がもっとも高所である屋根裏に集合するのです。
だんだん熱い屋根裏に行くのがおっくうになり、そこいらじゅうにハードウェアのがらくたが転がることになりました。
これじゃ、せっかくリフォームしたのに快適じゃないところが残るのは許せん、と抜本的解決策を試みることにしました。
過去の試み
いろいろな努力をしてみました。
読者の方の問題を解決するものもあるかもしれません。
冷気を下から送る
サーキュレーターを使って下から送る作戦です。
サーキュレーターは扇風機と違って、空気を移動してくれます。しかし、その代償として大音響がとどろきます。大音響のわりに効率も悪いです。
部屋にいる間中、下から空気を送るというのは得策ではありませんでした。
小さいクーラーを買う
まず、こいうクーラーは屋根裏には大きな窓がないので取り付けられません。
窓にダクト2個を取り付けて動作するトヨトミのTAD-22GWというエアコンを数年、使ってみました。
私の家の屋根裏にはこのような「横すべり出し窓」があります。
ここからダクト2本を出していたわけです。(これはトヨトミのカタログで我が家ではありません)
よく冷えます。ただ、うるさいです。公称47デシベルですが体感はすごいうるさい。それと嵐になった時には雨の侵入が恐いので、ダクト部分をひっこめて窓を閉めていました。
建築士の友人曰く、横すべり出し窓は風で下から煽られたら壊れやすいそうです。
怖いじゃないですか。
でも、これで屋根裏の熱気が解決する人も結構いるんじゃないかな?
熱気を抜く
今回、たどり着いた当たり前といえば当たり前の方法が、熱気を抜こうというものです。
ところがネットを探しても、リフォームの業者に聞いても、窓をつぶして換気扇をつけるというケースは聞いたことがないといいます。
逆にできあがったら写真を取らせてくれ、という始末です。
先の一級建築士に助言をあおぐと、それが妥当かもね、とまずいことが起きることはないようです。
窓に換気扇を取り付ける
リフォーム業者に見積もりを依頼すると、換気扇をマウントするアルミ板を切って、それをはめるだけで7万円!とふっかけられました。
換気扇自体が1万円くらいなんですよ?
なんで、工事屋って普通の人の足元みるかな。
そういえば家を建てた時に、3メートルくらいの高さのところにロールスクリーンを取り付けることになったら、「ここだけ特別料金で2万円ください」とかほざくので、一晩で完璧につけてやったことがある。
IT職人を舐めるなよ。
ここからチャレンジが始まりました。同様のことをやろうという人の参考になれば、と記録しておきます。
窓に関する情報は少ないです。
現業の人はインターネットに自分がやったことの記事をアップするなんてことしませんよねぇ。
換気扇の検討
換気扇がうるさかったら、意味がありません。
また経験としてプロペラタイプ(よくアパートの台所についている換気扇ね)は逆風や嵐に弱いです。
なんとかしようとすると、外側にフードをつけることは必須です。
したがって、シロッコファンタイプを探すことにしました。
シロッコファンっていまどきの台所のレンジフードの中で回ってる輪っかみたいなヤツです。
これは逆圧にも強いんです。タワー型パソコンのCPU冷却でケース内対流はファンタイプでもいいんですが、外に熱を放出する時はシロッコタイプをお勧めします。吸い出す力が強いし、静かです。
で、見つけたのがパナソニックのFY-15EK1。取り付け横サイズが250mm四方と小さく、窓枠内に収まるはずです。(窓枠ギリギリだと固定する余裕がなかったりするので注意してください)
音も29dbくらいの静かさ!!!
プロペラタイプでもここまで小型なものは見つけられませんでした。さすがシロッコファンです。
しかも外側のフード付きという親切さ。
実売価格も6000円ちょいです。(ルーバー別売:ルーバーは実売1200円程度)
ただし、FY-15EK1の出力は強くありません。90立法メートル/時間 くらいなので、できるだけダラダラと普段から回しておいたほうがいいと思います。
取り付け用木枠
しかし問題もあります。本来、壁取り付け換気扇は外壁と内壁の間に厚さがあることが前提です。この機種の場合、最低
90mmから230mm程度までを想定しています。そこをとおして固定するために、木枠(じゃなきゃいけなくもないだろうけど)を用意する必要があります。FY-15EK1の木枠は販売終了しており、自分で作る必要がありました。(他の大きめの機種の木枠はまだ売られているようです。)
やらねばならんので、文句をいわず240cm x 10 cm x 2.4cmの材木をホームセンターでゲットしてから切り出して、木枠を組んでみました。
結構、精度悪いです。ノコギリ握ったの5,6年ぶりなもんで。
言い訳ですが、木が少し湿っぽいし。
やすりとボンドの力でなんとかなったようです。2,3時間、かかったかな。
自動運転
少しでも温度が高くなったら私がいなくても自動で回るように温度センサースイッチをつけることにします。
パナソニックのFY-ST030というセンサースイッチが安くて評判よいようです。
こんな感じでコンセントの間に挟む使い方です。(これはちょっと高くて実売価格で6400円程度)
ただし、換気扇がリモートスイッチサポートでないといけません。紐でひっぱるタイプでのみスイッチがオンになるものは使えません。
FY-15EK1は一応、リモートスイッチサポートです。
窓を抜く
窓はいろいろな形式がありますが、横すべり出し窓の場合、左右横のレールのネジをはずせば取れます。
LIXILのお客様相談室の芝田さんは「代理店にやってもらってください」といって構造図を教えてくれません。客それぞれ事情をかかえているのに、本当に不親切なメーカーです。
この家はサッシは全部トステムなのに。今度、家を建てた時には絶対にLIXILにはしないと誓うのであった。
自分で日が高いうちに留めているボルトをよく調べてみると、わかります。取り付けたものは外せます。
抜いた窓がこちら。
こうやって窓枠と窓をよく見ると、当初、窓ガラスを抜いてアルミ板のパネルを入れ、換気扇を取り付けようかと思っていましたが、窓枠に直接アルミ板をつけたほうが安定しそうです。
アルミ板は頑丈な厚さのものを考えていますから、造形の計画を業者さんに提示する必要があります。
ミスは許されないので現物をパネルで作ってみました。
紐と取っ手は落下防止です。
網戸を支えていたアームも取りはずしました。
取ると、窓枠の全部が出て、しっかりボルト穴を開けてパネルを留められそうです。
アルミパネル
アルミパネルの設計図はこんな感じ(右図)です。自分で書かなきゃいけない理由は上のほうで自分が作った木枡の内法サイズは誰も知らないから。左は換気扇の取り付け枠のスペック。
写真のものをもう少し手直しして、友人の金物コンサルタントに転送。
するとこんな感じで加工業者さんとのすりあわせた図面があがってきます。
取り付けボルト位置
もっとも難しい点が、窓枠に固定するボルト位置です。
最終的には穴から手を伸ばして外からドリルでパネルにあわせて穴あけしました。
組み立て
あとはパナソニックの設置説明書にあるとおり組み上げていくだけです。コーキング(防水)しながら組み立てました。
取り付け
取り付けボルトはステンレス製であらかじめナットでパネルに取り付けてあります。外部からねじ込めないのであらかじめ組み立ててあるわけです。
パネルと窓枠の間はゴムがあるのであまり、ギンギンに締め付けないための配慮でもあります。
ネジ穴を少し大きく拡大せざるを得ませんでした。
結果の測定
温度、湿度を測り、かつ正確な時計がほしかったのでこんなのを屋根裏部屋に置きました。
これのいいところはACアダプターで動作すること。電池交換いらないのはいいね。
今のところ26度設定でファンが回ったり切れたりしております。
2018年4月21日、22日は4月なのに場所によっては30度を超える天気でした。
しかし熱気を吸い出しているため、やはり26度前後で下の部屋とほぼ同じ気温で安定しています。
私としては問題が解決し、大成功です。
夏が近づくにつれ暑くなってきましたが、1,2度フロアよりも高いです。
安物扇風機を買いました。
余談
窓枠をはずす時にひとつどうしても外れないネジがありました。
こんなのまで買ってみたんですが、
ダメでした。
結局、3.5mmくらいのドリルでネジを掘り進め、3mmボルトをぶち抜きました。