「日本の製造業はすばらしい」という話ししか巷では見ないから、
製造業に携わっていない人は「すばらしい」と思い込んでいるかもしれません。
先日、昔から遭遇する典型的な日本の製造業のダメな点に、また出会ったので書いておきます。
普通の人を対象に書くので、私がICをテストするための[冶具がひとつ]必要になったと思ってください。
(厳密にいうとICチップのQFNパッケージ,44ピン、0.8mmギャップをサポートするテスト用固定台)
日本でメーカーを見つけたのですが、まず、フォームメールが反応しない。
ずーっと放置していると思われる。
次にメールで問い合わせると次の様な答えがかえってきた。
高尾様
お問い合わせ、ご指摘有難うございます。
モデルXXXはOFPタイプ用ソケット用ですのでQFNタイプには適合致しません。
また、残念ながら現在モデルXXX用の変換基板は廃番品となっております。
ソケットの価格に関しては弊社パートナーカンパニー等商社経由でお問い合わせ下さ
い。
概算で100,000円/個 前後になると思われます。
御注文時には検査用にICの貸与が必要となります。
以上、御検討宜しく御願い致します。
これ、日本語としてどう読むんでしょうね?
QFNタイプは私の目的にはあわないよ。
(関係なかった)問い合わせた部品は廃盤だよ。
それで購入手続きが書いてある、って日本語ですか?
似た質問を中国にしたらこうなった。
いきなり正解の製品。
で、この製品は彼の店には出ていない。
そして、95ドル(約10500円)
さっさと調べて在庫の写真を出してくれたのでしょう。
日本のメーカーはお客の要求がちょっとでも自分の範囲をはずれると、もうケンモホロロの扱いをします。
中国のメーカーってなんとか商機を逃さないように頑張る。
それがウェブからきた一見の客で一個しかいらなくても。
どっちが商機を見出して成長するか明らかでしょ。
加工精度がーとかは商談が成立してからの話であって、最初の商談を大事にしなきゃなにも起きない。
日本ってこういう初見のお客を大事にしない会社がすごく多い。
自分については自分は信じているだろうけど、アカの他人からしたらわからない。
だから、最初は小さな商談から買う人は始めるのに、日本のメーカーは懐手でデカイ商談しかいらん、とほざく。
それで仕事がない、とか泣く。
これじゃ、世界に出ていけないよ。
きっとそれでアメリカ出ても、中国出ても、ベトナム出てもダメって言ってるんじゃないだろうか?
もう技術的アドバンテージなんてほとんどないのに、いつまでアジアで一番偉いと思ってるんだろうか。
追記(2016/7/15) とくに最近、中国の製造業者の態度が変わってきた。
やたらと細かく指定の確認をしてくるのだ。
理由を聞くとこうだった。
「すでに製造業の競争は厳しい。だから我々はお客さんの満足を最優先に置くことにしている。だからくどいほど意見を聞く」
こういう実体を日本のどれくらいの人が知っているのだろうか?
もちろん、中国メーカーの納期は早く、安い、不良品込みでこちらは多めに発注しても日本メーカーに依頼する30-50%の費用で済む。
気をつけなきゃいけないのは、UPSやDHLやFEDEXに払う運賃くらいだ。