「待てない世代」は正しい

起業への道

先日、1月11日付けの日本経済新聞を読んでいて、ちょっと羨ましかった。

「待てない世代」走る

ということで大企業に就職したけれども、歯車の仕事がイヤで飛び出したというわけだ。

私が若いころからの議論で「大企業と中小企業とどちらがビジネスを覚えられるか」という命題があった。

中小企業だといくつもの役割の帽子をかぶって仕事をする。

大企業だと、遠い昔に決められたルールにしたがって役職に応じて仕事をする。仕事が変わるのは人事異動の時。

一方、当時は中小企業が大企業になることは至難の技ではあった。
「日本の99%の企業が中小企業だから、大企業に入社できたらいっちょ上がり」
「大企業は大企業としか取引しない」
とまことしやかに言われた。
確かに10年以上前は「系列」という大企業傘下に子会社が列をなしていた。
私は見たことがないが、そのグループで慰安旅行に行くと序列に応じてずらりと大宴会場に並んだそうだ。

日産のカルロス・ゴーンが日本に来て最初にやったことが、系列の破壊だった。
よいものはどこからでも買うと当たり前のことを決めたのだが、日本中大騒ぎになったものだった。

結果として、系列なんて言葉自体が死語になった。

そんな中で四苦八苦してきた私。。。
大企業に務めるのはラクだけど、世の中が激しく流れていて自分だけが大丈夫なんてとてもとても思えなかった。
子供のころからアウトサイダーだし。

 

時代は変わった。

そんな傲慢な大会社は、いくつかの例外を除きほとんど残っていない。
今、業績がよくても、いつダイエー、そごう、ソニー、シャープ、山一証券、サンヨー、ちょっと前のJALみたいになるかわからない。

経営者が間抜けだと、あっという間に転げ落ちる。

というよりも、ダメになった企業の経営者を見て

「何十年も過ごして、その程度ですか」

と感じる若者がいても、まったくおかしくない。

残念ながら自分の20歳代のことを思い起こしても、その評価は正しいのだよ。

ソニーなんて三代続いてどーしよーもない人達が社長をやっていて潰れないのだから、逆に感心してしまう。

 

今はITとアウトソーシングのおかげで、どこの企業でも必要なものは激安で買える。

人事、総務、工場、仕入れなどは英語が少しできれば、世界中でもっとも安く質のいいサービスを買うことができる。

イマドキのベンチャーは昔より、はるかに少ない知識と資本で起業できる。

ベンチャーはなぜか若者がやる、と日本では決まっているようだし、マスコミも喜んで取材、掲載する。

しかも若者ならば失敗してもダメージが小さい。

再チャレンジする時間と体力がある。

サラリーマンとはまったく別の人脈も作れるだろう。

 

日本電産の独裁経営者永守氏は下積みがいかに大切かなどという、自分の都合のいいように社員を使うためのブログを書いているが、こんなものを信じてはいけない。
(コメントを読んだら、迎合しまくる連中だらけで泣ける。)

ひとつの事業が何十年も続くほうが稀なのだ。

じっとガマンして仕事を覚えたら、市場がなくなっていました、なんていう造船業のようなことになるのがイマドキなのである。

このブログにも繰り返し書いているが、私が20-30歳代まで覚えたメインフレームの知識なんて、今は市場価値ゼロだ。当時、「これさえ覚えれば」など考えていた怠け者の先輩、後輩はものの見事にエンジニアから脱落している。
ちょっと自慢が入るのかもしれないけれど、同年代でメインフレーム時代からプログラム、新しい考え方に多少は(全部を知ることは不可能だけど)ついていけているエンジニアに会ったことがない。

もちろん、伝統工芸の職人の世界は違いますよ。
友禅染や有田焼の職人に下積みがないなんてありえません。

が、新しい世界に飛び込んで一旗揚げようというのなら、下積みなんてやるべきではありません。

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