サラリーマンのふり

日本の産業を壊しているのは人事

ブログなので好きに書かせてもらいたい。

まず、ここのところ気になった事件を2つ書きます。

人気店のパンと偽り販売、百貨店イベントで

北海道函館市梁川町の百貨店「テーオーデパート」で26、27日に開催された、道内各地のパンを集めたイベント「はこだてパンマルシェ」で、札幌市と帯広市のパン店の商品と偽り、実際には別の店のパンが売られていたことが28日、わかった。
(中略)
ブレナイの野呂貴弘社長(41)は「出品を募った営業担当の社員がうそをついているのを26日夜まで知らなかった。本人は『チラシが出来ていて、言い出せなかった』と言っている。申し訳ない」と話した。
イベントでは、26日で2店分の販売をやめたが、計約120個が売れた。このパンは、営業担当社員が札幌市の別のパン店から買っていた。テーオーデパートは「商品のチェック態勢の強化や再発防止に取り組む。誠に申し訳ない」としている。 (読売新聞)

生徒装い「自殺する」 JTB社員がミス発覚恐れ手紙

2014年04月29日10:21

岐阜県可児郡御嵩町の東濃高校が25日に予定していた遠足が旅行会社JTB中部(名古屋市)の手配ミスでバスが用意できずに延期となり、ミスに気付いた社員が責任を逃れるため、生徒を装って遠足を中止しなければ自殺するという内容の手紙を学校に届けていたことが28日、分かった。
(中略)
その後、JTBの調査で、バスの手配ミスに気付いた社員が、自身の責任を回避するため生徒を装った偽の手紙を自ら作成し、学校に届け出ていたことが分かった。
JTBは28日、おわびと説明の文書を保護者に配布。「事実関係の十分な調査をした上で、このような行為を犯した社員を厳重に処分するとともに、再発防止に向けた管理体制を徹底する」と謝罪した。

どちらも根は一緒ですね。
部下が自分のミスを言い出せなかった。理由はいくらでも推測できます。

  • 上司が怖かった
  • 話してもフォローしてもらえずブーメランしか考えられない
  • 自分の評価に響く
  • どうしていいかわからなかった

一言でいうと、

信用されていない上司

ってことです。

で、なんでそんな上司(マネージャー)がいるかというと、人事がマネージャー教育をしないで野放しにしているからです。

ひとつめの事件は中小企業なのでしょう。社長が対応していますから。ふたつめの事件はJTB。

どちらの人事もいかに仕事してないかわかります。

たまたま昨日、職場で中国に電話をかけて、そこのマネージャにこの事件を話したら、絶句です。

余談ですが、
しばしばネットの書き込みで中国を馬鹿にする人がいますが、人口はおよそ日本の十倍。ホワイトカラーを目指す人は子供のころから勉強をし、野球場くらいの広さの試験会場で試験を受けて勝ち抜いた人ばかりです。
統計学の正規分布が教えるとおり、分母が大きければ優秀な人の数も多ければ、レベルも高い人が出現します。

ちなみに私が話をしている外資系ソフトウェア会社のマネージャクラスになると、最低、3ヶ国語は話せます。英語だけで四苦八苦している日本とは、そこだけで違います。
そしてマネージャーとしての役割というものを自覚しています。
もう少し、中国という国の才能を恐れたほうがいいと思います。
余談終わり。

そういう「世界的にまともな人達」に「は?」って言われるくらいに部下の信頼を勝ち得ていない日本のマネージャが大量に存在するのは、人事が教育を怠けているから以外の何者でもないと思っています。
課長の辞令を出せば課長としての能力がいきなり身につくわけではありません。多くの会社で見られる現象はマネージャになったから偉いのだ、部下を好きに使っていいのだ、という小学校の級長の考え方です。

そこには「組織としての責任を負う」という考えはありません。エゴが肥大化しただけに終わります。
もちろん、EQの高い人はそんな行動には走りませんが、自分のことしか考えない人は多いものです。

経営者はそのあたりはうまくやってるだろうと期待しているのに、ノーケアな人事が多すぎます。

人事考課をもてあそぶことしかしないのなら、即刻、人事部など廃止してしまったほうがいいと思います。
実は人事の仕事って、査定以外はすべてアウトソーシングできるのですから。

4月は採用シーズンでしたが、新卒の人間にその会社が支払う金額は数億円でしょう。ものすごく高い買い物なのです。
採用シーズンにリクルーティング会社のいうがままに大量に新卒を採用する会社にそういう自覚があるとは思えないです。

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