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オープンソースの問題が表面化しつつある

OpenOfficeというとてもよくできた、オフィスツールの集合(スイート)がある。サン・マイクロからオラクルに移り、開発は停滞していたが、幸いなことに2011年6月にapacheソフトウェア財団に引き取られた。

これは運がいい。

一方、FireFoxに代表されるMozilla財団はThunderbird(メールクライアントソフト)の新機能開発を当面やらない、と宣言。まぁ、メールはウェブに保管する時代でもあるから、メールクライアントの新機能なんて必要ないといえばない。

中止されるプロジェクトもある中で、Wine(Unix上でWindows APIを動かすプロジェクト)のように1995年から延々と続いているプロジェクトもある。

要するに、オープン・ソースはスポンサーとスポンサー企業の買収による著作権の位置づけに翻弄される。

上のプロジェクトはどれも大きく、高度なプログラミングであり、みんながオープンソースについて考えているような、どっかの会社のプログラマーが帰宅後、ちょろちょろ書いているっていうレベルではない。
一応、スポンサーがいるのだ。

儲からないプログラム作成に金を払うバカがいる?気でも狂っているのか?と日本人のようにリスクを需要できない人種は考える。

が、そこからでてきたソフトウァ技術を利用して製品を作れるし、その導入や組み込みで付加価値を得ることができる。また、山ほどあるソフトウェア会社がネームバリューをあげるためには簡単な方法のひとつでもある。
高度なプログラミングをする会社がほとんどない日本では(例外はあるよ。Shadeみたいな)わからない話であはります。

大きなプロジェクトのひとつにHadoop(分散データ処理)パッケージがある。BigDataという宣伝に踊らされて有名だ。HDD一個に4TB(5万円)が入る時代に分散処理という特殊な環境が一般的に語られることに違和感はあるけど。

日本でもHadoopにのっかる派生プロジェクトをいくつも見ることができるが、派生プロジェクトはさらにリスクが高い。たとえば、バッチのフレームワークでAsakusaってもんがあるが、バッチは古来、やり方が決まっている。一念発起して新しいもの好きなお客が、がんばって習得に負担がかかるフレームワークで書きなおし、莫大にテストして動かしたとする。

最大の問題は、そういう独自のフレームワークが中止プロジェクトになったらどうする?ということだ。典型的なものは倒産。日本ローカルで開発したものを引き取る財団があるだろうか。

日本ではオープン・ソースを育てる土壌が浅い。Asakusaなんか抱かされたお客は、大きなソフトウェア負債になりかねない。

冒頭に書いた、Open Officeはマイクロソフトオフィス互換だから、なくなっても大きな問題にならないし、Libre Officeという別のプロジェクトがホットになっている。Thunderbirdはなくなったら、EML形式をサポートしているメーラーならデータを移せる。

オープン・ソースを使う時、そのプロジェクトがコケるリスクと、こけた時の代替策はお客の立場だろうが、考えておくべきだ。

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