Amazonの考える顧客中心主義は「品揃え」「利便性」「低価格」
ジェフは誰もが顧客中心というが、競合をあげるような会社はダメだという。
なぜならば、それは相手のやり方を観察するからであり、そこになにも発明はないからだ、と。
これはびっくりする発言に思う。誰もが踏み入れない道を進むビジネスの展開を「ブルーオーシャン」という。反対に誰もが踏み入れているところで戦うビジネス展開を「レッドオーシャン」という。日本でブルーオーシャンはきわめて限られる。
ところが、Amazonはいまだに自分たちをブルーオーシャンだと位置づけているということだ。そして、ビューが異様に長い。5年くらいで考えているという。
いまどきの日本企業でもそんなところは、めったにないと思う。ダメだったらすぐに止めちゃう。
たとえば、Kindleもそうなんだろう。スマートフォン、PC、ありとあらゆるものを使ってAmazonに滞留させる時間を増やそうとしているようだ。
最近、ファッションに手を伸ばしている(テレビでCMもやってるよね)のは、な、なんと「十分なサービスが提供されていないジャンル」だからなのだそうだ。
たとえば簡単に返品できない、などが含まれている(きっとほかにもあるだろう)。アパレルがダメだ、と日本では言われているが、彼からすると「甘い!」ってことらしい。
一方で、トヨタに始まる「リーン生産方式」はAmazonでも活躍しているという。あらためて書いておくが、「トヨタカンバン方式」と「リーン生産方式」は実は違う。
リーン生産方式はトヨタの方法をカイゼンして作られた、アメリカの産業を復活させた方法論であり、TOC(Theory Of Constraint)をふくむ。
それでも、トヨタのような真の問題はなんなのか、考え抜いてカイゼンすることは価値があるといっている。いまどきのそこいらの日本企業にはないことだ。
続いて後半では、Kindleについてであり、Appleと同じくお客がなにをするためのものかへの想像力を指摘する。そのためには全部を自社ではできないから、エコシステムを作る必要がある、と。
今、Androidを使っている日本メーカーにない発想をJeffも指摘しているのだ。あいかわらず日本メーカーは学ばず、殿様のようにハードを作り、他社をコントロールすることしか頭にないだろうけれど。
電子書籍はいったん始まったら、人は戻れないという。もう、電子書籍への道は始まっているということだ。