畑田さんは以下のように説明した。基本をしることは大事である。
自分の体験と比較も書いておく。
最初に畑田さんが説明なさったのは、自費出版と商業出版の違いであった。そんなことも知らない人が多数いるらしい。
1. 持ち込み原稿は一般的に採用される確率は0.3%程度。畑田さんは75%程度。小説は賞を取らないとだめ。
2. 採用される企画書は次のような構成
- カバー(仮タイトル)
- 本体(概要、特徴、他との違い、読者層)
- 目次(ほんとうの目次じゃなく、本がわかるリスト。40項目以上)
- サンプル原稿
大事なことは、企画書は編集者の掴みであり、読者向けのものではない。
3. 大事なポイント
– 自分の経験、体験にもとづかないテーマはリアリティも迫力もない
– テーマはひとつ。
4. 企画書に絶対に書いてはいけない言葉
売れる、あたる、ヒットする
5. 持ち込み方
A4の折らない封筒に企画書を入れ、編集部宛て
ということであった。
が、ちょっと違う気がする。
アスキーの編集部と話した時には、まず「売れる企画」から始まった。勢い読者層は広く取れる入門レベルの本である。誰が読むかわからない本は作れない。
商業出版するという決定は、「社長決裁」である。それくらい出版社としては負担がでかいのである。それゆえ、畑田さんの編集人だけを見た話は違和感があった。
例えばメインフレームの本は神居さんが原稿を書いたが、出版社にもっていった時には最初から採算の話になった。もっとも売れない場合はどういう場合であり、それでも赤字にならないためにはという工夫をずいぶんした。畑田さんの話を聞いて思ったのは、自分がいかに出版社に信頼されていたかである。信頼を裏切らない結果となって、本当によかったと思った。
畑田さんは、企画書をいくつかの出版社に送るべきだといっており、それ以上の説明はなかった。しかし、実は出版社はカラーがある。例えば、アスキーメディアは専門書は出さない。そういう編集人がいないのである。逆にオーム出版はおそらくアキバ萌え系キャラ本は出さないと思う。儲かるとわかっていても、自ずからそこにはカラーがあるのだ。従って、出版社は選ぶ必要がある。