サラリーマンのふり

イギリス人のキャリアパス

ここんところ、イギリス人とのお付き合いが多い。上司G,E,ちょっと横のD。英語の先生のM。
非常に興味深いのは、Gさんは、最初はInfomixにいたけど、農場で働いて、次に警察をやっていて、今の会社に入ったんだそうだ。Eさんは、エジプトでダイビングスクールやってて、今の会社。Dさんはオデオン座で切符切りをしていたとか。

そういう人がIT企業のマネージャに変われるのがイギリスの労働事情らしい。英語の先生Mに聞くと、開口一番「いろんな経験を積むのはいいことだよね。ひとつの業種しか知らないって、あんまりよくないよ。」それがイギリス労働市場での、コンセンサスらしい。
じゃ、どういう点を評価するの?「それは、その人がマネージャとしてどうやってきたか、とか、どういうチームを作ってきたか、とかだよ。」
なるほど、メタな能力を企業は買うんですね。成果を注視してると、そういう結果になったんだろうな。
かくいう先生Mも営業職だったこともあるという。

日本でいう「キャリアパス」というのが、いかに貧困な考えか、改めて考えました。日本では人事が書類審査をし、募集している部門のマネージャが面接をする、というのが普通のフローでしょう。人事は仕事の内容を理解していないのが普通なので、らしい資格や、長年似た組織にいた、というだけで評価します。部門のマネージャは同じ業界でなきゃ、まず、話もしないでしょう。

労働市場という需給関係を見た時、このフローから大きくはずれたキャリアは普通の人は取りづらいですね。
でも、経営者がしばしば業界の違う会社に移動することを見てもわかるとおり、ビジネススキルってメタ知識なんです。一部の人はなんとなく理解できているから、軍隊の研究をしてみたりする。「戦略」なんて言葉はみんな使うし。

ひとつの経験から帰納的に考えていく、というのは日本のビジネス界に大きく欠けた能力だと思います。何年たっても、イギリスのような採用はないだろうなぁ。。。

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