恵比寿に東京都写真美術館という、ユニークな美術館がある。これでも美術品を鑑賞するのが好きな俺は、昼休みにフラリと寄ってみた。なんと、今日10月1日は「都民の日」ということで無料!うれしいな。
特集で表題の液晶絵画というものをやっていた。
静止した写真ではなく、液晶により「動く写真」という試みだ。「映画じゃないの?」と思うだろうけれど、違う。今日、私が見たものを拙い文章で書いてみる。
- 森村泰昌 「フェルメール研究」はふたつあり、ここに示してある「真珠の首飾りの少女」の絵の表情に至る女性の風景を描いたものだ。もうひとつは、同じフェルメールの「画家のアトリエ」という寓意画の周辺に渡るものも描写していた。
- ビル・ヴィオラ 「プールの反映」は非常に不思議で、四角い池を撮影しているだけに最初は見える。しかし、池の水面には地上にはいない人が歩いている姿が映し出されたり、突然、水しぶきがあがったりする作品。
- ドミニク・レイマン 「YO LO VI(ゴヤ『異端審問』に倣って)」は、首をさしだし手を後ろに縛られた男が映像に写っているが、見に来た我々がそのさらしものの観衆として映像に写し込まれるもの。
- 鷹野隆大 「電動ぱらぱら2002/2008」は一番ドキッとした。というのも老若男女の服を脱ぐシーンを撮影し、顔、上半身、下半身でバラバラに映写している。それだけでも結構、美人のニューハーフの着替えを見ているような倒錯感があるのに、ひとつは自分の顔が写しだされるようになっている。自分の顔、上半身はおっぱいがあり脱いでいるシーンって想像だにしなかっただけに、ドキッとする。
現代美術だなぁ、と思いながら、ちょっといい昼休みを過ごした。
ただ、右がオリジナルのフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」だ。
若さが漂っており、なんとなく背伸びして喜んでいる感じを受けるが、今日見た作品では年を取りきってしまう寸前の妖艶な女の雰囲気が漂っており、あれぇ?という感じはした。
作者の意図はどこにあるのだろうか?