起業

代替療法ビジネスの地域性

ビジネスには地域性があるものとないものがあります。

Amazonで売っているようなものは地域性がありませんよね。
どこで注文しても手に入る。

ところがサービスは一般的には地域性があります。
カット、マッサージ、飲食店、などについて人は出かけるコストと得られるメリットを意識しようがしまいが天秤にかけています。

カリスマカット、山奥にあるオーべルージュ(レストラン付きホテル)などは地域性がないのですが、広告代理店に頼んで莫大なマーケティング費用を払わなければ「知る人ぞ知る」どころか「誰も知らない」店となり誰も来ません。
間違っても「口コミで全国に広まった」などという錯覚を起こさないでください。いまだかつて誰も「広告代理店に大金払って広めてもらった」と白状しているお店はありません。それは宣伝効果をぶっつぶすことですからね。

地域性

しかし地域性を意識すると、広告も新聞の折込みチラシなどが有効となります。
とくに女性は新聞は読まなくても広告は読みますから、女性向けは地域への浸透が早いです。

「そんなことは当たり前」ですが、カットやマッサージは乱立しているため、もうひと工夫がいることになります。

ジョブ理論

まず特定の分野で地域の既存顧客を奪うというのが最初の戦略です。
なにが自分の売るものであるかは、一度、この記事を読んで真剣に考えてください。
またマヌケなマーケティング理論が論破される

あなたはなんのためにお客に雇われるのか?
周囲がやっていることと同じことをやっていたら食える、と代替療法で考えていたら揉み屋にしかなれないか、潰れます。

ランチェスターの法則

みんなが誤解するのは「広くサポートしたほうが多くの人が来るはず」です。
これが通用するのは、代替療法なりレストランがまったくない土地で第一号店だけです。

すでに先行する店がいくつかある場合、それらの店からお客を奪わないといけません。
だから特定の領域に全力をつくして専門店化して奪うのです。
そう考えない治療院が多すぎ。万全とお店を出してしまうからお客が来ない。

百貨店はすべてが揃っていることで、地域の商店街を叩きつぶしました。
しかし専門店が集まったショッピングモールは百貨店を叩き潰しました。
専門をより深く掘り下げ、百貨店のバイヤーなんぞ足元にも及ばない専門性をウリにしたネットショップ、専門店はモールになくて固定費を大幅に減らしながら大きい売上をあげています。
そういうお店のオーナーはたいてい身銭を切って投資しています。そこがサラリーマンの百貨店のバイヤーとの違いです。

これらはすべて「狭い領域に戦力投入して勝つ」理論が背景にあります。
めんどくさい専門用語で「ランチェスターの法則」といいます。この言葉はしばしば広い地域より一定の狭い地域を制覇することを目指せというガイドで使われていますが、地域が同じでもジャンルを絞り込み集中的に狙うことでも働く法則です。

メッセージ

それはまず店名に現れます。例えば「整骨院」とあれば普通の人は捻挫、肉離れ、などで駆け込みます。子供、学生が多いとそれだけでかなりの来客となります。
「てもみん」も秀逸なネーミングですね。なんでもいいからもんでほしいと思えば行きますよね。
「カラダファクトリー」も秀逸です。なんか治してくれそう。よく考えられていることに気づいてください。

店名に「場所名+整体」とか「院長の名前+治療院」なんて最悪です。
同様に専門性を考えていないお店の名前はたいてい「痛くないです」と言いたいので、やわらぎとかソフトとかラクラクとか、そういうものが多いですね。誰もが言ってることで、特徴になっていません。

なんの専門家なのか店名で語ってみましょう。

そしてチラシも、ウェブサイトの上1/3部分もその専門性を全面的に打ち出しましょう。
同じフレーズを使うことでお客さんの頭に残るのです。

人が溜まる場所

さて住んでいない人を対象とするにはどうすればいいでしょうか?
例えばサラリーマンを相手にする場合などです。

方法はふたつ。ひとつは元々サラリーマンが多い地域に出店する。
麹町界隈は歯医者だらけです。彼らはそういうことを考えてますが、特徴が受付のお姉さんしかないので、お互いに潰し合ってます。

もうひとつはサラリーマンが乗り換える場所。
都内だと新宿(当たり前)、田町、東京駅など。千葉だと西船橋。
こういう場所の駅の近くなら「ついでに」と寄ってくれます。
沿線だけだと弱いですね。途中下車はめんどくさいですから。

以上ですが、大事なことです。これくらいの内容でお店のコンサルをしている人はたくさんいます。

大昔の治療院は徒弟制で先生がこういうことを折りに触れ教えていたのです。
今は専門学校などを出たらいきなり独立する人が多いと聞きます。
世間を知らないまま開業するのは怖いことです。
腕もそうです。
そしてビジネスも学校と同様に考えていて「周囲と同じ程度の腕ならばお客は来るだろう」と考えているのでしょうか。
とんでもない間違いです。
お客を他店から奪わないと生きていけない事実に気づいてほしいものです。
そしてそれは、大企業も中小企業も個人企業も解答を見つけるために必死なのです。

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