サラリーマンと会社の知性

サラリーマンのふり

日刊SPAに45歳以上はクビ!? NEC、富士通、コカ・コーラetc.でリストラが進行中という記事が出ていた。

この記事によると

「構造改革を図る上では、社員に新しいビジネスモデルに順応してもらう必要があります。40代前半までならまだポテンシャルにも期待できますが、45歳以上にもなると、伸びしろは望めないですし、新しい職種への配置転換を迫られても対応できない。柔軟性に欠ける45歳以上はさっさと切ってしまいたいというのが企業の本音です」

とある。

おもしろいな、と思う。

じゃぁ、リストラするような企業の経営がうまくいっているのか?
NECは数年以内に東芝と同じ騒ぎを引き起こすだろう、富士通のリストラは何年も前から続いている、コカ・コーラのリストラなんて明らかに人を取りすぎたんだろ。
どれも経営ミスだ。

構造改革なんてどこの会社ができてるんだろうか?
いつも書いてるけど、独裁者のいるファーストリテイリングとか富士フイルムとかしかない。
JRが国鉄から民営化されて、多くの職員がいろんな仕事してる。よほど構造改革できてるじゃないか。
社長が誰かもわからん会社はずるずると業績が下がっている。
株価が下がらないのは日銀がじゃぶじゃぶ株を買っている株価バブルだから。

そもそも会社ってそんなにできない人々が組織を作り、役割を分担して金儲けしていくのであって、個々人が本当のアントレプレナー(起業家)であったら、常に考え方ややり方でもめるに決まってる。
経営者から評論する人間まで、みーんな本当のアントレプレナーではないくせに、不足分を自動的にカバーしてほしいから、都合よくアントレプレナーマインドでいろ、というのだ。

その証拠にアントレプレナーを本当に求めるなら、ボトムの意見をまじめに聞き、副業を認め、成果に対しては青天井のボーナスじゃなきゃ、おかしいだろうが。

「みんなでがんばった」なんてアントレプレナーが言う言葉じゃない。組織人の言葉だ。

転職市場でアントレプレナーなんて居場所がない。LINKEDINとか見てもサラリーマンの分割されたタイトルのついたジョブしかない。
日経のビジネスアソシエ(廃刊)はフランチャイズの宣伝雑誌だった。そうじゃなきゃ雑誌の運営ができないし、サラリーマン編集者に起業なんぞわかるわけない。

アントレプレナーって先日書いた、セル生産方式ができる、限られた人なのだ。

業績の悪い会社に限って、内部に向かっては好き放題できるから、もっとも内弁慶かつイージーなリストラをする。
「使えない経営者」の言い訳が「使えない社員」だ。

そもそも構造改革するといいながら、現実的に可能な具体策を提示できている企業を見たことがない。
たとえば富士通の「数百万円を取れるコンサルを育てる」なんて富士通自体にそういう知性はないのにどうやってやる?しかも何百人もそういう人を育てるなんて寝言だろ。
現実離れした妄想に近い構造改革をぶち上げても大企業の役員は責任を取らなくていいから、のうのうとしているのだ。

バブルの真っ盛りに日本の人事制度は、管理職と専門職とどちらも価値がある、という至極まともな結論に達し、両方のキャリアパスを作った。
しかしバブル崩壊後、目先の営業が大事になり、専門職に営業のミッションももたせ、結果的に専門家やエンジニアをリストラしはじめた。

加えてITの進歩で情報を伝える中間管理職の階層を減らすことができた。

SONYの大失敗、出井の例を持ち出すまでもなく、技術不在で自分の会社がなぜドライブされているのかよくわかっていない営業出身のサラリーマンからのしあがったナンチャッテ経営者が続出している。
日本はプロ経営者がいないから(自称はいっぱいいるけど、結果がついてこない。典型的なのが「産業再生機構」。もしシャープをあいつらにまかせていたら今頃もっと状況は悪くなっていただろう)社内の政治ですべてが決まる。

リストラでへんな基準をもちだして偉そうにしているより、リストラしなきゃいけなくなった自分たちを恥じろ、と思う。

もちろん彼らも自社組織を運営していく上では有能な人たちなんだろう。
でも、会社を成長させることはできないという事実の前に、自分たちの能力の限界を自覚するべきだろ?

SPAの記事の背後に隠れた思想「経営者は賢い神」は誤った考えだ。

新規事業なんてサラリーマンには能力もなければモチベーションもない。
俺がいままでみたサラリーマンや自称コンサルタントがパワポで描く新規事業って、「誰かのマネ」で、「なぜ自社でやるべきなのかの説明もない」、「書いている人自身が泥水飲んでヤル気はまったくない」、「予算は青天井」なものばかりだった。
富士通がぶちあげたものも、驚くほど似ている。

逆にいえば、それだけ起業は知られていないノウハウの塊。

もし本当にアントレプレナーであるならば目を覚まして、泥船からは逃げ出したほうがいい。

大企業の経営者だって愚か者は愚か者なのだ。

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