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六壬神課金口訣をAIで学ぶ(1)

*以下、占術の専門的議論なので、興味がない人は最初の「日本の占いがなぜ当たらないか」くらいまでを読んでください。
そして、金口訣の四位の作成まで書いているので、長い記事です。

なぜ占いをAIから学ぶべきなのか

日本の占いの根底にある問題点

本屋に行けば占いの解説書は山ほどありますが、ほとんどすべてが阿部泰山の著作の孫引き、もしくは孫引きの転載です。ごく一部の以下記載することに気づいた人が東南アジアの本の日本語訳をされています。
明治から昭和の初期にかけて、阿部泰山という占いの研究家がおり、研究結果を全集としてまとめました。もちろん古典と江戸時代に書かれた本からの情報です。ひととおり現代風にまとめたという意味では阿部泰山が日本の占い業界に残した遺産は素晴らしいものです。
1960年代、台湾出身の張明澄という方が日本に来られ、古い占いの方法に驚き、彼の知っている台湾式の占いを広めました。この流派を透派といいます。大きな足跡を残したのですが、日本人は「古典(泰山流)」と「透派」と分類するようになり、透派を進化したものとは捉えず「中国流」などと言っています。おそらく師匠が阿部泰山しか知らないため、そう教えたのでしょう。現代になっても中国語圏に学ぼうという態度にはならず、今に至っています。私は日本固有の家元徒弟制度の大きな弊害だと思っています。なぜならば茶道などとは違い、占いは理論と実占結果があり、進歩していくからです。

日本の占いには古典を偏重してきたため、もうひとつ重大な問題があります。占いによりますが「月将」というものを使います。これは「太陽の黄道上の位置(雨水、春分などの二十四節気)」を指します。ところが地球は歳差運動(地軸がすりこぎのように動く)をしていますから、節気の始まりと終わりは長い年月でずれていきます。日本ではそれを「1月は亥、2月は戌…」と固定の表で教えます。しかし、中国圏では実際の太陽の度数を計算します。このように暦の変化を理論に反映する必要が本来はあるのに、古典ばかり見ていると気づかないようです。

AIから占いを学ぶべき理由は、日本ではこのように占術の情報が「断片的」で、かつ「江戸時代や昭和初期の古い解釈」に止まっているものばかりで理論的なアップデートがないからです。Windows 11の時代にWindows 3.1を「昔からこれを使えと言われている」と使い続けるようなものです。結果として的中率が悪すぎる。
陰陽五行十二支のエネルギーの研究は東南アジアのほうが、はるかに進んでいます。考えてみてください。巨大な中国の歴代王朝が「当たるも八卦、当たらないのも八卦」みたいなあやふやな要素を取り入れて国家運営しますか?現代でもシンガポールなどでは経営方針の策定にすら応用されています。勢い、五術(運命学、卜占、風水・観相、医術、瞑想)を修めた風水師は高い地位にいます。
数多くの流派があり、占いの技術も切磋琢磨し研究されてきて信頼を得つづけています。英語でも丹念に調べるとこのような動きは記事にされています。日本人が知っている以上に東洋の占術は「進化しつづけ、もっと的中する」技術です。東南アジアや台湾に観光旅行で行った際にでも、ぜひ見てもらってください。日本人占い師とのレベルの違いに驚くと思います。

私がなぜ、このようなことを知っているかというと占いをプログラム化しようかと考えたことがあり、一流の占い師(東南アジアの研究流派に属している人)にこのあたりの事情を教えてもらったからです。別に香港で家族が歴代の風水師だという方にも、教えていただいたことがあります。ふたりとも共通して言っていたことは「大事なことは仲間内の口伝だけれども、進歩しているので基本的なことは常識になっていく」ということでした。

中国語圏では平均的なレベルならば、いくつか書籍が出ています。それでも今から中国語の専門書を読む力が私にはないので、AIに頼るのです。Googleは中国語の知識ももちろん蓄えています。

運命学と卜占

突然、六壬神課金口訣(りくじんしんかきんくけつ)と書いても「なんの役に経つの?」と不思議な人もいると思うので書いておきます。

巷で流布している四柱推命、算命占星学、気学(九星気学と違います)、紫微斗数はすべて運命学です。生まれた時の生年月日時をもとにその人の一生の傾向を見ようというものです。

これだけでは人生の傾向、だいたい今はなにをすべきかみたいな大運はわかっても、今、眼の前で起きている個別の事件の吉凶、まずいならばどうするか?を解決できません。古代で言えばこの戦いに勝つか負けるか、といったことです。だから卜占というジャンルがあるのです。日本では筮竹占いの易占のみが知られていますが、他に梅花心易、断易、六壬神課、ここでやる六壬神課金口訣などがあります。こんなことも知らないプロの占い師も少なくないのです。
ここのブログに記すことにした理由もAIがらみということもありますが、運命学よりも卜占のほうが日々の生活では役に立つからです。

ちなみに東南アジアで有名な風水師レイモンド・ローは易経は国家や重要人物を占うためのものであって、個々人のことに適用できない、と書いています。

六壬神課と六壬神課金口訣は違う占いです。六壬神課が「事の成り行き」というストーリーを重視するのに対し、金口訣は「何番か?」「いくらか?」といった個別の事象を出すことに向いています。六壬神課は先にあげた月将から複雑な課式を組むので現代ではとてもむつかしくなっています。ただ、卜占が必ずしも未来を見るためだけに使うものではなく、起きている事象の影にある本当の因果関係を教えてくれる、ということは知っておくべきではないでしょうか。私は六壬神課を使った時、かなりショックを受けました。

一方、六壬神課金口訣は「地分(その場のエネルギー)」を起点にするまったく違う卜占です。

日本の占い師はプロであっても、なんでもかんでも覚えた四柱推命でやろうとするから無理が起きるのです。占いの技術は目的によって使い分けるものです。

— ここから先は金口訣に興味がある人はどうぞ —

AIが教える金口訣と日本の本の違い

古典から現代の金口訣がどれくらい進化したか、ということですが、わかっているのでリストしておきます。

  • 五行の「旺相休囚死」の厳密な運用をします。「季節(月令)によって、どの五行が最強で、どれが死んでいるか」という判定ロジックは、中国語圏の方が圧倒的にシステマチックです。
  • 「取象(しゅしょう)」の解釈への取り込みが早い。「貴神」や「将神」が、現代社会において「スマホ」なのか「契約書」なのか「上司」なのか、といった現代的な意味の割り当て(取象)についても、中国語圏の研究の方がアップデートが早いです。
  • 「神」や「将」の象意(意味)を考えすぎない。最初は「貴神=自分」「将神=相手」くらいに割り切っていいのです。

AIの教える金口訣

ここからは私が自分のための入門書としてAIと会話した記録を書き綴っていきます。
金口訣の本は数種類出ていますが、どれもスパッとロジックがわからないような書き方です。私はAIに教えてもらった後、本を読むと「なるほど」と思いましたが、最初に読んだ時にはあまりのだるい文章に投げ出しました。

構造

金口訣はこの4つの縦のライン(四位:しい)の関係性(五行の相生・相克)だけで結果を出します。
作成は下から積み上げていきます。このあたりは易占も同じですね。

項目 名称 意味 担当するエネルギー
一番上 人元 (じんげん) 客、目上の人、天の時 10個の「天干」
二番目 貴神 (きしん) 自分自身、官職、中心 12個の「神」
三番目 将神 (しょうしん) 相手、物事の本体、財 12個の「将」
一番下 地分 (ちぶん) 場所、部下、土台 12個の「地支」

理解するための基礎概念

五動(ごどう)

四位(人元、貴神、将神、地分)の相互の影響

  • 妻動(さいどう): 将神(相手・財)が黄神(自分)を刻する→利益や女性に関わる動き
  • 官動(かんどう): 貴紳(自分)が人元(目上)を剋する→仕事や出世、あるいはトラブル
  • 財動(ざいどう): 人元(目上)が貴紳(自分)を刻する→財運だが苦労を伴う
  • 賊動(ぞくどう): 貴紳(自分)が将神(相手)を剋する。→内部からの損失、盗難
  • 兄弟動(けいていどう): 同じ五行が重なる→競争、分散

これらが重要な理由は「動」が起きているということは、エネルギーが集中しているということで、なにも動いていない場所は死んでいる場所です。

旺相休囚死(おうそうきゅうしゅうし)

五行の強弱を見ます。
たとえば火の五行であっても、今が冬(水)ならばその火は「死」程度の強さだということになります。この強弱は重要です。

状態 意味 数字への影響

(おう)
今の季節そのもの 数字を2倍、3倍と大きく評価

(そう)
今の季節が助けてくれる 安定した強い数字
休・囚 疲れている・閉じ込められている 採用しにくい弱い数字

(し)
完全に死んでいる 真っ先に削るべき数字

神煞(しんさつ)

四位の組み合わせの中で「特殊ルールです。例えば「空亡」もし、本命の馬番数字が空亡であったら、それは「中身が空」ということで、人気倒れで消える馬だ、などと判断します。

これ以上、断片的な話しはやめます。

四位の算出手順

地分、将神、貴神、人元、と下から積み上げて行きます。

1. 地分(ちぶん)の決定

地文を決める前にメモ書きでいいので、なにを占いたいか文字にしておきます。占いはやっていると、判断がぶれることがあります。「なんだっけ?」にならないようにします。

そして地分はもっとも柔軟性を求められます。占いたい本人、対象を決定するために、相談者が向いている方角、出ている数字(皿の数を取った占いもあります)、場所、色、外応(周囲から聞こえた音、声、小さな事件、から象徴を見出す)最終的に十二支で表します。

例えば相談者があなたの真南にいれば地分は午になります。
競馬ならレースのゲート番号を12で割った余りから十二支を取り出します。

2.月将(げっしょう)を確認する

ここが巷の日本語の本と違います。太陽の入宮表です。
以下の表で期間から月将を決めます。

期間(中気から次の中気の前日まで) 月将の名称 十二支
雨水 (2/19頃) 〜 春分の前日 登明 (とうめい)
春分 (3/21頃) 〜 穀雨の前日 河魁 (かかい)
穀雨 (4/20頃) 〜 小満の前日 従魁 (じゅうかい)
小満 (5/21頃) 〜 夏至の前日 伝送 (でんそう)
夏至 (6/21頃) 〜 大暑の前日 小吉 (しょうきつ)
大暑 (7/23頃) 〜 処暑の前日 勝光 (しょうこう)
処暑 (8/23頃) 〜 秋分の前日 太乙 (たいいつ)
秋分 (9/23頃) 〜 霜降の前日 天罡 (てんこう)
霜降 (10/23頃) 〜 小雪の前日 太衝 (たいしょう)
小雪 (11/22頃) 〜 冬至の前日 功曹 (こうそう)
冬至 (12/22頃) 〜 大寒の前日 大登 (たいとう)
大寒 (1/20頃) 〜 雨水の前日 神后 (しんご)

すべて気の始まりが「頃」になっているのは気になると思います。
国立天文台の暦要項を参照してください。ここに近年の二十四節気があります。これで、上記の節気(中期)の始まりを確認してください。微妙な時は必ず確認する必要があります。これは日本の暦を管理している国立天文台が出しているデータですから最も正確です。

3. 将神(しょうしん)を算出

まず時間の十二支を見ます。
2時間ごとで1日、一周します。
(二時間単位ですが、ぎりぎりになった場合は地方時を考慮してください。大昔に日本標準時なんてありません。太陽の動きで時間を決めていた時代です。)

今、18時過ぎだとします。午後6時ですから、酉の刻となります。これは簡単だと思います。

次に下図の十二支だけの円環を見てください。

この十二支円環を利用して将神を算出します。
現在,2月27日午後18時だとします。占う私が向いている方向は東。
これを十二支に翻訳すると

  • 月将は節気カレンダーから、雨水=
  • 時支は18時で
  • 地分は東を向いているならばです。

十二支図において、時支の酉の場所がスタートです。ここにもう一枚回転する十二支円環図があり、月将の亥と重なっていると考えます。次の図を見てください。

内側の十二支図がくるくる回るイメージで、月将の亥が酉の位置に回ってきています。
ここから時計回りに亥→子→丑→寅→卯と数えます。
地分のある卯まで数えます。
そこには巳があるはずです。よって、将神は巳となります。

古来、円盤を持って歩くわけにいかないので左の手をこのように十二支が乗っていると考えて数えていました。

 

4. 貴神(きしん)の算出

まず貴紳とは占っている対象を助けたり、邪魔したりするエネルギーだと考えてください。
金口訣では、将神が「物(object)」であるのに対し、貴神を「我(subject)」と見なします。つまり、同じ「金運」を占っても、貴神が「青龍(吉神)」なら自分が優位に進められ、「騰蛇(凶神)」なら自分がパニックに陥っている、というふうに当事者のコンディションを表すと考えます。
さらに貴神は五行よりも精緻にエネルギーの状態を表すための12種類だと考えられています。
以下に貴神をあげます。この順番は、数千年間変わることのない不動の並びで、順行の時はこのとおり、

  1. 貴人(きじん) – 土
  2. 騰蛇(とうだ) – 火
  3. 朱雀(すざく) – 火
  4. 六合(りくごう) – 木
  5. 勾陳(こうちん) – 土
  6. 青龍(せいりゅう) – 木
  7. 天空(てんくう) – 土
  8. 白虎(びゃっこ) – 金
  9. 太常(たいじょう) – 土
  10. 玄武(げんぶ) – 水
  11. 太陰(たいいん) – 金
  12. 天后(てんご) – 水
日干を求める。

貴神を決めるためには、日干が必要です。日干はいろんなものに載ってます。私はアプリの「暦注カレンダー」使ってます。2月27日は壬申です。だから日干は壬です。

2. 日干から貴神のスタート地点を知る

ここでいう昼は日出から日没で夜は日没から日出までです。地方時です。

日干 昼のスタート(中気〜) 夜のスタート(中気〜)
甲・戊・庚 丑(順行) 未(逆行)
乙・己 子(順行) 申(逆行)
丙・丁 亥(順行) 酉(逆行)
午(逆行) 寅(順行)
壬・癸 巳(逆行) 卯(順行)

たとえば、壬の日の夜は卯から出発となります。

()内の順行、逆行は貴紳達の並ぶ順番です。
順行ならば時計回り、逆行ならば反時計回りです。

表を見ればお気づきだとおもいますが、順行・逆行は日干と昼夜で決まってしまってます。
壬・癸の日の「昼」がなぜ逆行なのかといえば、スタート地点の「巳」が後半エリア(巳〜戌)にあるからです。

スタート位置と貴人の順行、逆行を組み合わせます。求める貴神は地分の十二支の位置です。
次のように考えます。

例1:壬の日の夜は卯からの順行です。
地分が卯なら、貴人です。

例2:癸の日の昼は巳からの逆行です。
地分が卯ならば朱雀です。

人元の出し方

人元はその日の「天の気」が、あなたが決めた「地分(場所)」に対してどのような影響を与えるかを決定する要素です。「五子元遁(ごしげんとん)」という計算で出します。
日の干支と「十二支の中で子がスターとする位置」が決まります。

  • 日の干(甲・己) 子の場所 
  • 日の干(乙・庚) 子の場所 
  • 日の干(丙・辛) 子の場所 
  • 日の干(丁・壬)子の場所 
  • 日の干 (戊・癸) 子の場所 

なに言ってるかわからないと思うので、よくある表を示します。

(戊・癸)日干 (丁・壬)日干 (丙・辛)日干 (乙・庚)日干 (甲・己)日干 十二支

これで四位の算出が可能となりました。
解釈は別の投稿をいずれかの日に行います。まぁ、ここまで読む人はいないと思う。

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