雑感(日記)

AIリストラされる前に

ここのところAIについていろいろ技術面を調べていると、どうしても近未来を考えてしまう。

突然、デジャブが広がった。
1982年、私は大学4回生だった。しがない経済学部におり、なにができるわけではなかった。ただ計量経済学をやっていたので大型コンピュータを使っていて、コンピュータについて技術を身に着けたいと思った。学校で同期は金融、商社、公務員を目指し就活していた。最初からコンピュータメーカー(製造業)に行く者はいなかった。当時、外資系コンピューターメーカーはIBMかHPしかなかった。HPに行くと文化系はエンジニアとして取らないと言われ、IBMに行くと「よく来たね」と言われた。それで私の就職活動は終了した。確か会社はセコムと松下電工(パナソニック)くらいしか訪問した覚えがない。

当時、コンピューターについての世の中の認識は「伸びる業種だよね」くらいだった。データセンターもパソコンもない、ITという言葉すらなかった時代である。

あれから「クライアント・サーバー」とパソコンでコンピューターは大量に出回り、あっという間にIBMは凋落した。当時の社内でPCはおもちゃ扱いであった。まだUnixがバンバンコケていた時代なので、業務には向かないと思われていたし、IBM社内は独自通信プロトコルSNAが世界を制すると思い込んでいた。

パソコンもひどい状況だった。パソコン雑誌には「DOS5とWindows3.1とどちらがいいか?」みたいな、それをユーザーが選択できると思わせる記事がたくさんあった。漢字ROMを積んだNEC製パソコンが幅を利かし、当時のNECは安泰だと思っていたことだろう。

インターネットの黎明期には、まだ私はIBMにいたがTCP/IPを知らない人も多かった。このころから自分で勉強しないエンジニアはドンドン脱落していった。
このころ素人はインターネットを「仮想の世界で現実とは関係ない」と考える人がすごく多かった。結果は見てのとおりである。

一方ではインターネットにかけた人も多く「渋谷バレー」などと呼ばれていた。ユニークなビジネスは皆無で日本語の壁に守られた、アメリカのビジネスの真似でしかなかったが、大きく稼いで今に至る。

今、AIの波が目の前に来ている。この変化は過去見てきたとおり、止められない。今までを見て欲しい。

  • PCはおもちゃ
  • DOSとWindowsは選べる
  • インターネットは仮想世界

時代の流れに押し流された考えだ。

私なりにこの変化を理解する観点をいくつか提供しようと思う。

文字、数値データはAIのテリトリー

今更、デスクワークでのんびり仕事をしようなんて考えてはいけない。今の会社のオフィスで作り出されるものの80%, 90%はAIが作る。人間の仕事はなくなる。
どんな人でも、今やってる仕事についてプライドから「重要だからAIにはかわれない」と言いたいだろうけれども、そんなことはない。
普通の日本人にはわからない変化がやってくる。AIを使うために仕事の仕方そのものを変えてしまう変化がやってくる。
もともと、日本は仕事の仕方を明治時代からほとんど変えていない。確かにコンピューターシステムは導入されている。しかし、そのシステムのほとんどがコンピューターを導入時に声の大きい人と揉めないように、紙でやっていた作業をそのままコンピュータ化したものがほとんどだ。ERP導入時だって「それじゃ困る」と部門間の戦いの産物で大量のアドオンが作られた。
ERPのやり方にまかせようという考え方は、ここ数年、ようやく出てきたが、仕事のやり方を変えるということがちらほら導入され始めた。
かくしてコンピュータが導入されても、ほとんど人が減らなかった。これが日本が30年以上停滞した理由のひとつだと思っている。

資料作成のためのサラリーマンが通勤大移動を繰り返している東京は、リストラと募集人員が大幅に減り、ふつうの能力の人間は雇用がなくなるだろう。

学歴が無意味になる

そもそもすでに受験は無意味になりつつある。国公立大学はあいからわず80%くらいは入試を突破して入学する。しかし、私立大学の場合、それは50%くらいに低下する。これは明治時代に定まった受験スタイルが今の世の中に合わないと大学経営者が感じているからだろう。

この受験という知識詰め込み型はAIの前では無意味である。もちろん、学力の基礎を否定するつもりはない。しかし受験のための勉強、一種の受験職人にまでなる必要はない。
なぜならば、世の中の会社がそういう人を求めないからだ。今でも学歴は足切りに使われるが、あれは大量の応募を捌く手段であって目的ではない。企業の求める人間になるべく学生は「自己分析」とか「勉強以外の体験」とかメンドクサイことをやっている。
しかし入社してからやる、調査とかエクセルで資料をまとめるとか戦略を考えるなどは、すべてAIがやる。AIは常識的なルーチンワークはその特性からとても得意だ。今までの「無難なサラリーマン」は必要なくなる。

そしてなにかについて学びたいのであれば、今ですらYoutubeで教えるのがうまい人が動画を取っているが、AIを教師にして学ぶと、ものすごい速度で学習が進む。私自身、AI(LLM)を学ぶ時、雑誌の記事を読んでさっぱりわからなかったので、AIに教えてもらい、質問にインタラクティブに答えてもらいながら、プログラムを書いたら、雑誌の記事以上の内容を学んでしまった。

つまり勉強は必要に応じてやればいいことであって、あらかじめやっとくものではない。語学だってそうだ。私のサラリーマン人生は英語とITで飯を食ってきたようなものだが、自動翻訳は2年もすれば、同時通訳が可能になるだろう。そうすると「英語が話せます」なんて価値でもなんでもなくなる。ますますTOEICは無意味な単に人を差別するための道具に成り下がるだろう。

もっと恐ろしいことに言葉の壁が下がると、海外の優秀な人材とガチンコで競争することになりかねない。外資系に長く勤めていた経験から言わせてもらうと、本社で勝ち残っていくならば、競争は避けられない。しかし、日本やローカル市場を担当するのであれば大事なことは現地の理解であって、経営論やマーケティング論ではない。つまり世界で戦おうとアメリカの大学でMBAを取るということは、相当にタフな戦いとなる。

こう考えると今、学習塾に子供を通わせている親はなーんも考えていない、ということに思い当たる。今どき、塾に行くなんて、よくよく考えたら時間とカネの無駄だ。

ここまでは現状を振り返っただけだ。これからなにが起きるか?

究極の情報提供形態

上でAIを利用した学習について書いた。いままでの授業、本、記事はすべてマスメディアが不特定多数の人にばら撒く一方通行形式だった。通信の発達でインターネットが出現して情報提供が大きく変わった。ユーザーが見たい時に見ることができる。
AIはユーザーが必要な時にわかるように情報提供できる時代になった変化にみんな気づいているだろうか?

言葉ではどうしようもない物理作業の世界

AIが広まっても、なくならないのは現場の仕事だ。営業や現場の技術者はなくならない。むしろ、彼らを助けるためにAIは働く。現場の人がAIを直接操るようになる。
その前にリストラが幾度となく繰り返され、間接部門は消え失せるだろう。お茶くみ女性が消えたように。
リストラされると労働市場には求職者が増える。すると買い叩かれる。同じような仕事を探すことは今後、難しい。

「クリエイティブな仕事」はクリエイティブじゃない

今はまだ、マスコミが映画、ドラマ、音楽といったエンターテイメント産業を「クリエイティブ」と言う。AIが楽曲を参考にするとヒステリックに著作権をふりかざし怒っている。おかしな話しだ。あらゆるミュージシャンで先達の影響、真似をしていないミュージシャンがいるのか?自分達は真似をしておいて、AIには著作権を持ち出す。こんな子供じみた主張は消え失せるだろう。

そう、歌手も俳優も作曲家も小説家も消え失せる。人間を感動させるクリエイティブなものは技術と法則がある。そこをつく作品は人工的に作り出せる。理想的な俳優も今のAIなら作り出せる。今が生身の人間を見る最後なのかもしれない。

いわゆるエンターテイメント作品は誰もがひとりで作れるようになる。
こんな世界で働いてはいけない。

残る仕事は「人間臭い」仕事

難しいことを理解できるブルーカラーの給料がバク上がりすると予想する。もともとNC工作機なんていう難しいものを平気で使っているのだから違和感はない。

ギャンブルなんかもなくならないだろう。

風俗嬢が自分を主人公にしたAVを作るかもしれない。

介護とかカンセリングとか人の愚痴を聞くような仕事はなくならない。

考えてほしい

これを読んでいる人は古いプライドにしがみついて年収200万円前後の消えゆくデスクワークにしがみつくのか、世の中の変化に乗って年収1000万円超えを目指すのか、今、道はふたつに別れている。
ホワイトカラーが机を並べるような職場は消え失せるか、そのやり方に固執すれば会社ごとなくなるだろう。なぜならば、売る商品、サービスがものすごく割高になるから。
AIの時代だからといって、AIの技術そのもので食べようと考えるべきではない。AIの知識ともうひとつ本業のスキルの最低ふたつは確保すること。

先行者利益を穫れるのは、今年から3年間くらいではないだろうか。

 

関連記事

  1. 海外にウィスキーを持ち出す方法

  2. Googleのパンダアップデート

  3. ビッグデータはバラ色の未来じゃない

  4. 絵画と麻雀

  5. Googleと広告

  6. 地方の暮らし、さまよう若者、マネー

  7. 父がなくなった

  8. なぜアイヌは越冬できるのか?