2027年を覚えておいてほしい。
今から3年後である。
なぜかというと労働者の激減の影響が誰の目にも明らかになる年だからだ。
河合雅司氏の「未来の」シリーズで「未来の地図帳」をながめていて感じた。
少子化で労働者が減るとどうなるか?
もともと日本の高度成長期は人口も増加し、内需が盛んだったからこそ経済発展しただけであって、他の要因はキーではなかったとする説をご存知だろうか。
少子化で先進国を目指すって、もともと矛盾した考えなのだ。
今後どうなるか。想像力が働かない人のために、私の考える例をあげる。
- 経済力がないので先進国とはいえない。今はアウトバウンドとか言ってごまかしているが、発展途上国並に円はさらに安くなり、観光地の物価は外人用と現地人用(日本人)に分かれるだろう。
- 外国人にとっては、働くために魅力的な国ではないとはっきりする。思考を変えられない年寄り、非合理、安い賃金、面倒くさい日本語。
- 英語が使えるか使えないかで賃金、生活に大差が出る。ドルベースで稼いだほうが効率がいいからだ。
- 飲食店や運送業といった労働集約的な産業は大幅に縮小。若者の低賃金アルバイトで成り立っている業種はすべてなくなる。
- サポートやコールセンターはすべてAIにとってかわり、カスハラは起こりようがなくなる。
- 介護などのような辛くて安い仕事につく若者も外国人もいない。老人はよほどのカネをもっていないと死ぬまで自分の面倒は自分でみなければならない。
- 人使いの荒い組織から若者は消える。そんなところで辛い思いをしなくてもいい職場がいくらでもできる。管理職とか転勤なんて誰もやらない。勢い、無駄な仕事をして生産性向上できない企業は淘汰される。いじめる対象のはずの新入社員が入らないことで愕然とするだろう。
- 「お客様は神様」ではなく「製品・サービスを提供してくれる人が神様」となる。
- 当然、派遣なんて制度は機能しなくなる。企業は囲い込みのために社員にせざるを得ない。
- 年金はあっても、人件費の高騰によるインフレでまったく足りないだろう。
- 保守的な田舎の権力者が君臨している地域は若者が移動してしまい、自治体すら機能しなくなる。とくに災害にあっていない地域は危機意識がないから、その傾向が強まるだろう。
- 家を中心とした戸籍主義や日本特有の働きたくない専業主婦を目指す女性が多い日本では結婚する率が下がっていくだろう。ブライダル産業も衰退する。
サラリーマンをやっている方。
自分がやっている仕事が3年後も大丈夫か、縮みゆく日本で大丈夫か考えてみよう。
ヤバそうならば早めの転職を。
すでに書いたけれども、ひとつの会社でじっと働いて事実上の年功序列で肩書と収入を増やすよりも、説明できるスキルを身につけて、少し高いポジションで転職するほうが効率がいいのが現代。
いい時代になったと思う。
「そんな高い給料は払えない」と私が転職の時に聞かされたセリフは、だんだん姿を消すだろう。払えない企業は必要な能力の人間をもたずに仕事をするしかないのだから。
と俺は思うけどな。
今、京都市が大変なことになっていることをご存知だろうか。
京都市の認識は今までの投資への償還がうまくいかないなんだけど、働く人口が減っている
私が気づいたのも、知り合いの京都に店舗をもっている経営者が「働いてくれる人がいない」と嘆いていたからだ。
ちょっと見てみると観光都市京都なので、ホテルやらなんやらで土地代が高騰。その結果、家賃も高騰。
すでに外から来た普通の人が借家に住めない状況なのだ。
表面化しないけれども、観光地だからこそ人手はほしいだろうに採用できない。
人口をないがしろにすると、こんなことになる。
今は人件費よりも土地が優先されている。それは日本史が始まって以来、土地の価値は上がり続けたからだと思う。
ところがこれから土地よりも人となる。
おそらく京都は家賃も高いが人件費も高い、となるのではないか。
その先には「んなこたぁ、ねえだろう」とか「まさかね」だ。
私達は日本史始まって以来の未曾有の環境にいることは知ったほうがいい。
じゃ、海外はどうかというと、すでにヨーロッパは少子化を経験している。
ちょっと学校で世界史の授業を聞いていた人は、ヨーロッパに中世で黒死病(ペスト)が大流行して人口の1/4が亡くなったことを知っていると思う。
高い給料、長いバカンス、手厚い福利厚生。こういうものは労働人口が激減した結果、労働者を取り合うために始められた制度なのだ。
結果として高い生産性が必要となったのだ。たとえばアメリカもヨーロッパもすべての企業で、従業員に職場を掃除させるなんていうバカな制度はない。すべて分業で人がいるのは、人件費が高いから。
簡単なことなんだが、報道されない。
日本も同じように動くだろうし、動かないのは地方で頭の硬い権力者だけだろう。
しかし、どんな権力も従う人がいなければ動作しないことは知っていたほうが、ものごとは有利に進められる。