(アイキャッチは「銀行解体真書」からお借りしました。ここはイマドキ銀行員のいい点をあげている変わったブログで、感心しました)
先日、すかいらーくで女性がコーディングを学んだからDXのリーダーになったという、わけのわからん記事を見た。
自分の仕事をバカにされた気がした。
ITに限らず資格って「その分野の仕事で必要な知識はありますよ」という証明だけで、その知識でなにかを作り出すことは今後の話だろう。
そのなにかを作り出して付加価値をつけることを「経験」というはずだ。
年配者の転職の場合、資格だけでは足りず経験も必ず問われるのはそういうことだ。
ところがIT系の資格は取ったが現場の仕事はしらない。でもDXのリーダーというポジションを得ることができる。
これってサラリーマンがサラリーマンにする人事だなぁ、と思う。
海外はよくわからないが、日本のサラリーマン社会は差別化のための資格は多い。
典型的なものがTOEICだと思う。
もちろん私も若いころはTOEICの勉強はした。でも後にTOEICは英語ができない人がどれくらいできるのかを調べるテストツールだと知った。確かに昔から海外の大学に留学する人は国際的なテストTOEFLでの点数を必要とする。
TOEICで900点だから英語が読み書き話せるとは到底言えない。そのくらいになればTOEFLを受けるべきなのだ。
実はTOEICもガラパゴスで、海外ではまったく認知されていない。
TOEICはサラリーマンを差別化するツールに過ぎないと思う。
TOEICの点数と英語を使って業務を達成できるのかは違う議論だ。
IT系の資格もそうだ。よく「ITパスポート」とはごくごく基礎的な知識を問う資格で、あれではとうていプロにはなれない。
おそらくプロがやっている商談に出ても意味すらわからないのではないだろうか。
ITパスポートを持っている人はコンピュータがどのように動作しているのか、説明できるかすら心配する。
ということはやはりTOEICと同じ、差別化のための試験だ。その知識で仕事をするわけではない。
このように実際には使いようのない知識のテストをし、差別化することは日本人サラリーマンの間でよく起きている。
業務を達成できるかどうかではなく、形式的な試験の成績があれば、しかるべきポジションにつけるなんて、無謀なのではないだろうか?
ビジネスへの真剣味がまるでない、違和感を感じる。
逆に言えば、その分野の経験があるとかないとかでなく、ポピュラーな資格を取れば社内での差別化には大いに役立つということだ。
試験でも難易度が低いものでいいはずだ。
危険物取扱者、衛生管理者、英検、販売士、ビジネス会計、宅地建物取引士、DTPエキスパート認証試験、ITパスポート試験なんてものがあげれるだろうか。
繰り返すが、その実務ができるかどうかじゃない。単なる他人との差別化のためと割り切って資格を取るということだ。
悪いけど、もし冒頭の話が本当なら、すかいらーくのDXプロジェクトは素人がかき回して失敗するだろう。