ビジネス雑誌などを読むと、暗黙のうちに前提があります。
もっとも大きいひとつが「会社のやることは正しい」ではないでしょうか。
たとえば年配の人間を「役職定年」「早期退職制度」などでリストラをする。
これについての記事は、年配になって昔のやり方に固執するから、とか、新しいことを覚えられないから、とか書いてあります。
年齢で十把一絡げっておかしくないですか?
まるで差別です。アメリカなら「差別だ」でしょう。
だってそれを決めた会社の役員の年配の人間にそのまま言えますよね。
自分たちは安全地帯にいて、先輩、同期をそうやって決めつけてリストラするって矛盾してると思うんだけれど?
そう決めたのなら自ら達も退職するべきでしょう。
たとえばここに日本の企業経営がどれほどおかしいかを書いた記事があります。
「投資をケチりすぎる経営者」が日本を滅ぼすワケ
ポイントは、「人件費を削減しても投資にまわさない」ということなんだけれど、端的にいうと今の企業の経営者の怠惰のつけが回ってきているといえるでしょう。
結果がどうなっているかというと株価は下図のような乖離です。(マネックス証券より)
日本の株価が高いなどと勘違いしないでください。世界と比べましょう。
しかも、日銀が株を買い上げるというドーピングをしていてもこの体たらくです。
実質は下がり続けているのが実情でしょう。
よく、バブル以降失われた30年などといいますが、今後20年、30年、日本経済が浮上することはないと思われます。
なぜならば、卓越した産業もなく、IT技術は完全に周回遅れ、給与は安く抑えることが常識となり、人口も減り、設備投資は更に下がるでしょう。
私のよく知るIT系ではAmazonに勝てるだけのシステムを日本で作ることは不可能だし、Googleなぞはるか遠くで背中も見えない。AIと騒いでもGoogleさんのおこぼれでワーワー言ってるだけ。
最近、年齢によるリストラが進み企業は45歳を上限にしたいようです。
これの意味するところは23歳で大学を出て就職して、最長で22年の経験をもつ人々だけで会社はやっていけると考えていることを意味しています。
本当でしょうか?
考えが甘いように思います。
おそらくルーチンを回すことしか考えていないのではないでしょうか。
そもそも会社が新人や未経験者を採用したとして、20年で技術移転が終わるのでしょうか?
今後、多くの日本企業の従業員の層の薄さがまた弱みになりそうです。
奇しくも会社の寿命が20年と言われていますから、当面のことしか考えていない証拠だと言わざるを得ません。
つまり今の日本において「会社が考えることは正しい」という前提ははなはだ怪しいと言わざるを得ません。
その場限りのことしか考えていないということを状況証拠は示しています。
ということは、自分で会社をやるチャンスがいくらでもあるということを意味しています。
多くの人が妄想しているほど、今の日本企業は賢くないと思っています。
そんな中でももちろん賢い経営者はいます。
ほとんどが独裁経営者です。組織の左右を見て自分の意見がない無難で人格者とか言われてしまう経営者はダメってことですね。
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